ひそかに話題の木育とは

こんにちは。無垢材家具を取り扱うインテリアショップBRUNCHです。

皆様は「木育」という言葉をご存知でしょうか?

「食育」などが認識され始めた現在ですが、「木育」という言葉もじわじわと広まりつつあります。

木育は平成16年9月に北海道で発足した「木育プロジェクト」から提案された新たな教育です。

木育の活動は北海道から始まり、現在では東京はもちろんですが、全国約100カ所に施設があり、様々な活動や体験が実施されています。

その理念などについてまとめられた「木育プロジェクト報告書」によれば、木育は次のように定義づけされています。

『木育』とは…
木育とは、子どもをはじめとするすべての人々が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みであり、子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです。
【木育の3つのプロセス】
□木とふれあう
気軽に木にふれ、木に包まれることで、木の良さを感じる

□木と学ぶ
木や森林について関心を深め、知識や技を身につける

□木と生きる
家庭や地域、社会で木育が実施・継続されるようにしていく

といっても、森の中で駆けずり回って遊ぶことや、森の中で暮らすことだけが木育ではありません。

きっかけとして離乳食を食べるスプーンを木製のものにする、近くの公園を散歩してお気に入りの木を見つける、という事だけでも十分だと思います。

その他、「木育カフェ」というものもありますので、木のおもちゃにふれる場所として利用してみてもいいかもしれません。

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BRUNCHで取り扱う無垢材家具は、上質で、ふれると温かみを感じるものが沢山あります。

毎日の食事を摂るダイニングテーブルや、ベンチ・チェアなどは直接肌にふれるものです。

私も子供の頃に木の家具にふれ育ちましたが、(私の場合はお気に入りの木のチェアがありました。)
座面にあった木の節や、顔のように見える木目などは今でも覚えています。

先日BRUNCHにご来店された親子の、「木って気持ちいいね〜」という会話を耳にしました。

プラスチックや金属の家具や日用品が増えている現在の日常生活ですが、天然の素材にふれることができる機会が少なくなっていること、以前は当たり前だったことがそうでなくなってきている事が悲しいと思っています。

だからこそ、「木育」。良いじゃないでしょうか?

無垢材家具は、ちいさなお子様が大人になるまではもちろん、一生を共にできる素敵なアイテムです。

無垢材家具は上質で厳選されたものだからこそ、価格が安いとは言えませんが、決して高いとも思いません。

理由は、その価値があると思うからです。

どうぞ、これから盛んになるであろう「木育」に注目する機会がありましたら、木のスプーン、木のおもちゃ、木の家具にまずはふれてみてはいかがでしょうか。

家具職人になろう

昨今は、社会の風潮的にも自然なものへの関心が高まっているように感じられます。都内でもあちらこちらで陶芸教室や園芸教室が盛んに開催されています。

瓢箪には自然の造形美がありますね

他聞に漏れず木工教室も多く催されており、木工を主体とした職業も人気となってきました。その中でも家具職人は非常に人気のある職種のひとつといっても過言ではないかと思います。

しかし、その門は狭い、敷居が高い、いえ、それ以前に、どうやったらその職業に就けるのかわからない部分が多いかもしれません。

これといった決まりがあるわけではありませんが、家具製作をする人間になる為には、いくつかのパターンが思い浮かびます。

・家具メーカーに就職し、製作部門に属する

・中学や高校、大学を卒業し、工房に就職する(弟子入りする等も含む)

・自身でいきなり開業する(作家活動等も含む)

企業に就職し、製作部門に属するというのはイメージがしやすいですが、実際には新卒で求人を募っている件数は多いわけではなく、経験者の中途採用がメインの求人となります。

また、弟子入りするのも、年齢の問題もありますし、それこそいきなり開業するというのも中々度胸のいる選択です。

 

そこで、多くの人が通る道筋として、木工関係の学校に入学し、一年〜二年ほどの過程を修了し、就職する形が現実的な形のひとつとなります。

公的な機関として国の運営する、職業訓練校に入り、卒業後、求人のある会社に入っていくことは非常に多いのではないでしょうか。

城南職業能力開発センター

かく言う私も、城南職業能力開発センター木工技術科(旧品川訓練校)を卒業し、家具の業界に入った一人です。

手加工でこのような仕口加工を施し組み立てます

全国にある訓練校はその土地、その場所の特徴があり、機械作業を主体としたり、民芸家具をルーツとしたりと、地域によって少し内容が変わります。即戦力を育成する、より実践的な技術を学べる学校や、基礎からしくみなどを深く理解することをメインの講習とする学校など、主旨は様々です。

座り作業台を主とする手加工

品川校は、江戸指物を基礎にさまざまな技術が学べ、非常に濃い一年を過ごすことができました。

毎日のようにノミ、カンナを手で研ぎます

ノミとゲンノウで作業するということは、一部を除いて実際の工房では中々やることの無い作業ですが、手加工でのそのしくみを理解することで機械加工の際の効率や正確さなどが身にしみて感じられ、深く身体と心で習得することができます。

あくまで「機械」は「道具」として使います

 

現在は販売の現場にいますが、製造から、御接客し販売、ご配送と、どれが欠けても素晴らしい製品をお届けすることはできません。

この一通りを体験できていることは非常に貴重で楽しい経験であると思います。

今回は、すこし普段の「木と学ぶ」とは趣向が違いましたが、やはり木、木工というものは奥が深いです。

意外な木の使い道

皆様、こんにちは。
BRUNCHです。

今回の木と学ぶのテーマは「意外な木の使い道」。
木製家具の様な、あきらかに木材を使っているもの以外の場所でも、木材は活躍をしていることがあります。

まずは、BRUNCHスタッフの周知率はほぼ100%のはずのブラックウォールナット材の使い道。

ウォールナットの木材は、その性能の良さから様々な分野で使用されていますが、その性能を分かりやすく伝える使用方法が、銃のライフルなどの肩に当てる部分・銃床への利用です。


Photo by CrucifiedChrist – Garand

ウォールナットは非常に硬く、衝撃にも強く、木材の中では狂いも少ない種であるため、形状の安定性と耐久力が求められる銃床にはぴったりの素材だったのです。

同様にBRUNCHでよく取り扱っている家具の中でその硬さから重宝されているのがハードメープル材。

ボウリング場のレーンに使われている場合があります。
銃床同様、最近はプラスチック系の素材に置き換わっている事も多いようですが、伝統を大事にしているボウリング場では今でも使用されています。
必ずしもレーンの木材全てがメープルという訳でも無いようで、ボールが床に落ちる付近やピン付近などの強い衝撃を受ける箇所に重点的に用い、それ以外の箇所にはパインなどの柔らかい木も使用しているそうです。


Photo Bowlingbahn

しかし、ハードメープルほどの硬さを持った木材でも、激しくボウリングの玉を落とされるとさすがにへこんでしまいます。
そのため、年に数回レーンのメンテナンスを行い、へこみや傷などは削り取ってしまうそうです。その点は家具と同じ利用方法ですね。

BRUNCHではあまり取り扱っていない樹種ではヒノキが蓄電池のセパレーターとして工業製品にも利用されたことがありました
蓄電池のセパレーターについて詳しくお話をする知識は持ち合わせていないので、ごく簡単にご紹介すると、蓄電池の電気を貯めている板と板の間に噛ませる事で、電池がショートしてしまう事を防ぐものです。

他に、ひっそりと工業製品に使用されている木ではリグナムバイタという聞きなれない木材があります。
リグナムバイタは世界で最も重い木の一つで、緑がかった色味をしています。
取り扱う場合には金属用の切削器具を使うと言われるほどの硬さともう一つの特長により、船のスクリューのベアリングとして使われることがあります。
そのもう一つの特長とは100度以上の高温になると木から樹脂が染み出してくるというもの。
ベアリングが抵抗により発熱し、よりスムーズに回転する必要があるタイミングになると染み出る樹脂により、潤滑な動きをするようになるという事で、ベアリングにはぴったりな素材です。
ただ、リグナムバイタは成長が非常に遅い木で、供給量も少なくなってきているようなので、気軽に扱える素材という訳でもなさそうです。
一度リグナムバイタのダイニングテーブルなども作ってみたいですが、かなり難しそうですね。

今回はここまでとさせて頂きます。
また、何か面白い利用方法がされている木材を見つけましたら、ぜひお話させて頂きたいです。

木のおもちゃの効果

こんにちは。
無垢材家具のインテリアショップBRUNCHです。

「木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことを学ぶ「木育」という活動が広がっています。
この活動で、子ども向けの遊び場にも大型の木製遊具の設置や、デザイン性に優れた木製のおもちゃが増えているそうです。

幼い頃から木のおもちゃに触れ合うというは、子どもの成長にとって
どんな効果があるのでしょうか。

①集中力が育まれる。
木は他の素材と比べて、極端に熱が伝わりにくい性質をもちます。
温度変化に敏感な乳幼児にとって、触れた時に人肌に近い温かみのあるおもちゃで遊ぶことは、感覚的に心地よく、好奇心や興味を妨げずに長く遊ぶことができるため、集中力を育むことができます。

②想像力・表現力が身に付く。
木のおもちゃは、積み木などシンプルな形状、抽象的なデザインのものが多く、
遊び方が限定的でない分、想像力を刺激し、遊び方を自ら考え出すため、
想像力・表現力を身に付けることにつながっています。

③自然と共存することの大切さが身に付く。
木は人間や身近な動物と同じ「生き物」です。
「生き物」と向き合い、大切に付き合う(使う)、上手に利用するという流れを
木のおもちゃで体感することにより、森や山、川などの自然と共に生きていくことを身に付けるきっかけになります。

木のおもちゃで遊ぶ。
子どもたちにとって、良い事が沢山ありそうですね。

それではまた次回もお楽しみに。

「木」が含まれる漢字の成り立ち

こんにちは、無垢材家具のBRUNCHです。
木そのものや家具の名称には
「木」が含まれる漢字を使用しているものがとても多くあります。
そこで今回は「木」が含まれる漢字の成り立ちについて学んでみたいと思います。

■ 机

これは比較的分かりやすいかもしれません。
「几」は脚付きの台を描いた象形文字で、訓読みで「つくえ」です。
木製の脚付きのつくえを表す形声文字として「机」となりました。

■椅子

元々は「倚子」と漢字表記していました。
倚には寄りかかるという意味があり、
物の名に添えられる接尾語の「子」が後ろにつきます。
その後「寄りかかる木」という意味で「椅子」に変わりました。

■棚

貝を紐で連ねて2列に並べた「朋」に、
大地を覆う「木」を組み合わせた形成文字です。
朋が持つ「広げる」という意味から、
木を組んで造った「たな」または「かけはし」という意味から
漢字が成り立ちました。

■板

「反」は元々かげをよじのぼる意味ですが、
板の場合は木を削る手斧の形を表し、
木と合わさり、手斧で薄く削り取った木片を指します。

■枚

枚は「木」と「攵(ぼく)」が合わさってできています。
手になんらかの器具を持って木を打ち付ける様子を表しています。
そのため「枚」は木を削ってできる板切れのことを指し、
その板切れを数える単位としても使います。

■杉

杉の「長く流れる豊かでつややかな髪」の象形である「彡」と
杉の葉の見た目から「木」と「彡」をあわせて「杉」となりました。

■桜

桜は古くは「櫻」と書き、貝がらをふたつならべて(女性の)首飾りを表しています。
これに「木」をあわせて、首飾りのような実のなる樹木として「櫻」となり、今では略字の「桜」が一般的となっています。

■楢

「神が宿る木」とも言われる楢は、
「酒が入った器からいい香りがしている」象形文字から派生し、
「酒の醸造を役目とする役人(長)」を意味し
「木の長(神)」を意味する「楢」という漢字になりました。

■栗

栗は見たままがそのまま漢字になっています。
「くりのいががついている木」の象形からこの漢字となりました。

■桐

「木」と「同」(上下2つの同じ直径の筒の象形)を組み合わせ、
花は筒状で、幹の中心が筒のように中空になりやすい桐を表しています。

いかがでしたか。
普段何気なく使う漢字や言葉の成り立ちを考えてみるのも
たまにはいいですね。

それではまた次回。

「木製家具」という家具

皆様、こんにちは。

今回は基本に立ち返り、「木製の家具」の成り立ちと付き合い方に焦点をあててみようと思います。

現代で使われているような木製家具が最初に生まれた場所といえば、やはりヨーロッパやエジプト等がある、いわゆる「大陸」です。
その大陸で生まれた洋家具の歴史というと、古くは古代エジプト時代にまでさかのぼり、その後ヨーロッパでのゴシック様式、ルネッサンス様式、バロック様式、ロココ様式、 シェーカー家具、アールヌーヴォー等に続きますが、そこまでいくともはや専門学校の歴史の授業みたいになってしまうので、今回は主により近、現代の木製家具に主眼を当てたいと思います。

BRUNCHでも馴染みのある、木製で、シンプルで素材感を前面に出すデザイン性の家具と言えば、「北欧家具」があげられると思います。
北欧で育まれた木製の家具は、近、現代における木製の家具の大きな礎となっています。

 
<デンマークのデザイナー、カイ・クリスチャンセンデザインのCH-0133ダイニングチェア>

<同じくカイ・クリスチャンセンデザインのCH-0151ダイニングチェア>

<同じくカイ・クリスチャンセンデザインのSO-0050ソファ>

上の画像の商品は、BRUNCHで取り扱う、いわゆる北欧デザインの家具たちです。

北欧の国々では、古くから非常に森林資源が豊富でした。また、日照時間が短く、気候が厳しい事から長い時間を室内で、より快適に過ごす必要性がありまし た。凄く簡単にまとめましたが、これらの事からより資源を有効活用でき、かつ暖かみがあって見た目にも優しい「木材」が家具に使われるようになっていったのです。
また、快適で長く使っていけることを求めた結果、シンプルで飽きのこないデザイン性と、機能的で長く愛用出来る様に高い使い心地の良さを求めて設計されました。

 
<世界でもっとも売れた椅子の1つ ハンス・J・ウェグナーのYチェア>


北欧では、気に入った物をリペアしながら長く大切に使うという精神が根付いています。そういう意味でも北欧家具は、シンプルであるが故の高い耐久性と、木材を使うが故の高いメンテナンス性を持ち合わせていると言えます。
シンプルだからこそ、構造的に無理が無く丈夫です。また、いざ修理する際も凝りに凝ったこてこての造形の物よりやりやすいのも言うまでもありません。
木であるからこそ、無垢材であれば多少の傷やシミは削って直せますし、多少の打痕は水を吸わせれば膨らんできますまた、年月を経る程に出てくるツヤや人 工的に出せない色あい等の味は、木材ならではですし、物を長く大切に使う精神と室内での生活を楽しむ北欧の文化ならではのものです。

そしてそれが日本にやって来た時、同じく豊富な森林資源をもち古くから木工の工芸品が親しまれていた事等の共通点から自然と受け入れられ、日本のインテ リアや他の家具にも良く馴染みコーディネートしやすいシンプルなデザイン性や、家での生活をより快適により楽しもうとするスローライフブームなども相まっ て急速に広まっていきました。

その優れたデザインや高級感といった見た目の部分だけでなく、家具との付き合い方、使い方に関しても、北欧文化を見習っていくというのは、限られた資源や環境の面からみても、とても大切なことだと思います。

西洋家具文化自体、割と近年になってから日本に入ってきたものですし、多様化する価値観や、物が溢れ、仕事を中心にどんどんスピードが上がっていく生活の なかで、北欧の伝統的な木の家具の扱いを現代の日本人が完璧にこなすのは無理があるのかもしれません。
ですが、限られた資源である木で作られた家具がどの ようにして生まれ、育まれ、使われてきたのかということは、これから木の家具を使っていく上で覚えておくべき、とても大切なことだと再認識させられました。

私は、家にある木の家具のメンテナンスをサボらず、大切に使っていこうと改めて思いました。

そして数十年後、いい味わいの出たこの家具を自分の孫がまだ使っている姿など考えると、なんだか凄くわくわくした気持ちになります。
木製の家具の良さはこういうところにもあるんです。

「痛んだら直す。痛まないよう手入れする。」

それでは、今回はこの辺りで。

木造の家

日本の家は木造が多く、外国では石造が多い。
それはそれぞれの気候風土に合わせて選ばれてきたんだと思います。

それでは日本ではなぜ木造なのか。調べてみましょう。

まず自然災害に弱そうな木造。と思うかたもいるでしょう。
調べてみると、災害が多いからこそ木造なんだそうです。
壊れても材料が手に入りやすい。作りやすい。という事。


レンガや石は案外地震に弱い。
地震大国の日本では普及しなかった理由です。
また、日本は火山によってできた為、石は密度が高く硬い。
そして重い。加工がしにくいこともあり、材料として選ばれなかったんですね。

手に入りやすく、加工しやすい木材が一番の理由なのでしょう。

木材は火にも強いんです。
鉄よりも耐火性があるそうです。

江戸時代の火消しは燃え広がることを防ぐために、
周囲の家を叩き壊していたそうなんです。
これを考えるとすぐに壊せる木造が一番なんですね。
そしてすぐに建てる。

日本に家を建てる技術はこれの繰り返しから
大工技が優れていったんでしょうね。

そして高温多湿の日本では、
呼吸する木材が建材としてふさわしいというのも重要な理由。

レンガで家を建てたら、暑すぎると苦情があったそうな。
ヨーロッパだと湿気がなく乾燥しているので、
熱を遮断する石の方が涼しく過ごせるんですね。

そしてもし立て壊すことになっても、木材は大地に帰るだけ。
とてもエコな素材。

やっぱり良いですね。木材。

一度こんな家に住んでみたいです。
改めて私たちの生活には木材が欠かせないんだなぁと思いました。

では、また次回。

虫の寄る木々

夏も盛り、梅雨が明けたような日が続いていますが梅雨明けは来週のようです。

先日、出勤のため公園のそばを歩いていると、虫取り網とカゴを抱えた子供たちがせっせと虫を追いかけていました。
小さい頃はよくカブトムシやクワガタを採りに行ったものです。

無垢材家具をあつかう我々の中で虫は嫌われ者ですが、今日は逆に、そんな虫たちが好む木々にスポットをあててみたいと思います。

<虫が好む木>

虫が好むといっても人間と一緒で千差万別ですので、今回はカブトムシやクワガタといった男子が好きな夏の虫についてご紹介します。

まず虫が好む木とは『樹液』が豊富な木であることが大事です。
多くの虫たちはこの樹液を求めて寄りつきますので、昆虫採取をするなら樹液が染み出ている木を探すのが近道と言えるでしょう。

■クヌギ

ブナ科コナラ属の落葉高木で、虫の寄る木といえばクヌギと言うほど夏の虫たちにとってはオアシスのような存在。
樹液が豊富であることはもちろん、若葉を主食にする者や材自体を食べる者もいるため、多くの昆虫採集家はこの木があると立ち止まり、幹、枝、葉から根元までじっくりと観察し虫を探すそうです。
またオオクワガタなどが活動拠点としてクヌギを選ぶ場合が多いため、名産地などでは一部のマニアが何時間もクヌギの木を見張っている光景もみられるとか。
秋には大きく丸みのあるドングリが実る。

 

■コナラ

同じくブナ科コナラ属に属する広葉樹でシイタケの原木などにも使われる。
こちらも足しげく通われる夏の虫が多くいる人気樹です。中には『樹液飲むならやっぱりコナラだろう、クヌギなんかはミーハーが寄るところだよ』なんて方もいらっしゃるようで、通が好む木なのかもしれませんね。
上のクヌギと同じく秋にはドングリが実り、昔は食用としても重宝されていました。ちなみにクヌギのドングリは渋みが強くそのままでは食用には向きません。やはりコナラは通好みの木なのかも。

 

■ハルニレ

ニレ科ニレ属の落葉広葉樹で世界に3種の例外を除き、春に花を咲かせることからハルニレと呼ばれる。日本には秋に花が咲く珍しい品種であるアキニレという種も分布している。
地域によっては大繁盛らしく、例によって樹液を豊富に提供してくれます。
日本各地に分布するので、朝早く起きて虫取りに行った思い出の木はハルニレかもしれません。

<人気の理由>

虫たちに人気のトップ3をご紹介しましたが、その理由はやはり『樹液』です。
しかしそんなに都合よくいつでも樹液が湧き出ているのでしょうか。
ここに自然界の面白い役割分担がありますので、ご説明します。

樹液は常に流れ出ている訳ではありません。
何者かが木の表面にキズをつけたところから流れ出てその匂いにつられて虫たちが寄ってくるのですが、この何者かとはやっぱり虫なのです。

これまではシロスジカミキリという虫が産卵のために樹皮にキズをつけ、そのキズから樹液が染み出てくると言われていました。
しかし、近年の研究ではボクトウガという虫の幼虫が材に穴をあけ、その穴の出入り口周辺を常に加工し続けることで永続的に樹液を提供していると言われているようです。
そしてその樹液に集まってくるアブやガ、ダニなどを捕食している事が明らかになりました。
※諸説あります。

意外かもしれませんが、ほとんどの大きな虫たちは自分でキズをつけて樹液を飲んでいるわけではなく、この小さな虫たちの恩恵にあずかっているんですね。

捕食される側としてはまさにハニートラップでたまったもんじゃないでしょうけど、カブトムシなどの昆虫たちにとってはなくてはならない存在なんですね。

<意外と身近なカブトムシが好む木>

シマトネリコという木があります。
日本では沖縄諸島など温かい気候に分布する樹木で、低気温以外に気を遣う必要がないため近年では関東でも観葉植物や庭の木として人気です。

そして一部の虫取り少年たちには朗報なんですが、近年このシマトネリコにカブトムシが大量発生するという事態が度々起こっているそうです。

なぜか。

今では純粋なものが非常に貴重とされている、沖縄原産のオキナワカブトという昆虫がこれに深く関わっているとされています。
前述したようにカブトムシは自力で樹液を吸う訳ではなく、染み出ている蜜を吸いに寄ってくるのですが、オキナワカブトは自分の顎で樹皮を削り、蜜を飲むのです。そのオキナワカブトが好んで寄るのがシマトネリコなんですね。

この習性は本来本州のカブトムシにはないものでしたが、雑交種なのか近年では本州のカブトムシにもこの習性がみられ、観葉植物として植えられたシマトネリコの皮をかじって樹液を吸うカブトムシが見られるようになっているようです。
※諸説あります。

 

私が子供の頃には虫取り名人みたいなおじさんが各地域にひとりはいて、夏になるとごっそりカブトムシを捕ってきてくれました。
そしてそれぞれバナナがいいとか桃がいいとか、独自の収集方法を持っていたように思います。

今年の夏、カブトムシやクワガタを探しに行かれる方がいれば、この記事を参考にまずは木々を観察してみて下さい。
木を追えばきっと目当ての虫たちに出会えると思います。
それではまた。

私たちが生きていく中で重要な「木の役割」

本日は、人が生きていくうえでの「木の役割」についてお話したいと思います。
木が密集して茂っている場所「森」。
森は人が生活する環境に様々な役割を果たしています。
その役割をうっすらでも記憶に留めることができれば、自然に対する考え方もかわっていくかもしれません。
「木」がもっている私たちが生きていくには欠かせない機能とその役割について⑧項目に分けてお話させていただきたいと思います。
① 地球環境保全機能
木は、産業活動や家庭生活により排出される二酸化炭素を吸収して、地球温暖化を抑えるはならきを持っています。
皆さんもご存知かと思いますが、年々二酸化炭素の分解が追いつかず、地球の温暖化が進んでいる現状です。
これは、1人1人の意識から改善しないと解決できない問題だと思います。

下の図は人間、車、家庭から排出される二酸化炭素量と、それを分解するために必要な「木」の本数です。

地球環境保全機能.png
一世帯が暮らしていくにあたって460本の木の本数が必要になります。
H29年現在の世帯数が5340万世帯  ×460本 = 24,564,000,000本 が必要な本数になります。
② 生物多様性保全機能
国土の約7割を占める日本の森には約80種の鳥類、3400種の植物が生息しており、その土地の環境に応じて複雑かつ多様な生態系を形成しています。
生物多様性保全機能.png

森の生態系が崩れると以降のような機能が弱まります。

③ 土壌保全、土砂災害防止機能
木は、地中に張り巡らされた根によって、土壌を斜面につなぎとめる能力を持っています。また、土壌の表面をおおう落葉、楽枝、下草によって、降雨等による土壌の流出を抑え、土砂崩れなどの土砂災害の未然防止に力を発揮します。
土壌保全・土砂災害防止機能.jpg
④ 水源かん養機能
森の土壌は、有機物やさまざまな生物によってスポンジのような構造となっているため、裸地と比べて雨水を地中に浸透させる能力が約3倍もあります。
このため、雨水を充分土壌中に蓄えてゆっくり河川に流すことが出来、洪水や渇水を緩和するほか、水質を浄化する役割もになっています。
水源かん養機能.png
⑤ 快適環境形成機能
森は、蒸発散作用により、夏の気温を低下させ、都市部におけるヒートアイランド現象を抑えるなど、地球の気温変化を緩和するはたらきをもっています。
また、汚染物質の吸収や樹林帯による防音効果なども備えており、快適な生活環境の形成に貢献しています。
快適環境形成機能.png
⑥ 保健・レクリエーション機能
精神的あるいは肉体的ストレスを有する人にとって、森が安らぎや癒し効果を持つ空間であること、木が発散する揮発性物質が健康増進に効果を発揮することなど、実証的なデータが蓄積されています。
このことから、森林浴やハイキングが気分転換や健康維持に高い効果を発揮することが証明されています。
保健・レクリエーション機能.jpg
⑦ 文化・教育機能
森の景観は、日本人の自然観や伝統文化の形成において重要な要素になっています。
また、子供の頃に自然に触れる経験をすれば学びの意欲向上、あるいは道徳観や正義感の形成につながるというデータがあり、教育の場としてのはたらきも期待されています。
わたしも小学生の頃に学校行事で、宿泊学習施設でキャンプに行った経験があります。大人になった今もその記憶が鮮明におもいだせます。
⑧ 物質生産機能
森は、木材や食べ物などさまざまな資源を供給してくれます。これらの資源は、適切に森を管理することにより半永久的に繰り返し生産が出来る「循環型資源」として私たちの生活を支えています。
また、石油や化石燃料に代わる燃料として環境負担が少ない木材の活用が期待されています。
物質生産機能.png
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BRUNCHの無垢材家具は豊かな森林から生まれます。
無垢材家具の良い部分は見た目や癒し効果だけではありません。
例えばエコロジーであること。
森も木は伐採され製材された時に第二の生命が生まれると言われています。
無垢材はそれ自身が長寿命で、長く安心して愛用できる、エコロジーの考えにもかなった素材と言えます。
無垢材は経年変化か穏やかで、劣化するのではなく時を経て成熟し、味わい深い表情に成長していきます。
もし、汚れや傷ついてしまった場合は表面を研磨して、修復してよみがえらせることも出来ます。
上手く付き合うことができれば買い換える必要性がない一生ものの素材と言えるでしょう。
私たちBRUNCHは、そういったアフターケアーのお手伝いをさせていただき、末長くご愛用いただける家具をご提案させていただきます!
それでは、またの機会に。

木と楽器について

みなさま、こんにちは。

無垢材家具を扱っているBRUNCHです。

家具を探すときにデザインの他にも樹種、木目も大事な判断材料になりますよね。

実は家具以外にも樹種、木目を判断材料にするものがございます。

それは楽器です。

そこで今回は楽器と木の関係についてご紹介いたします。

ギター、ピアノ、バイオリン、琴、三味線、太鼓など楽器には木を使っているものが多いですよね。

なぜプラスチックなど人工的に作られたものを使用せず木材を使用しているのでしょうか?

そこにはいくつかの理由があります。

①楽器が生まれたときにはプラスチックが存在していなかった

②見た目が美しいというデザイン的な観点から

③加工がしやすいから

④軽い割りに強く、小さな力で大きな音を出すことができるから

以上のようにいくつかの理由があるのですが、一番大きな理由は④の音の効果がもっとも大きいとされております。

木は樹種によって音は変わりますし、また木は適度な振動吸収性を持っていることから木独特のやわらかい音を出すと言われています。実際にこの音を人工的に作り出すのは難しいとされているのです。

みなさんが聴きなれているギターやピアノのあのやさしく、耳なじみする音は木によって生まれていると考えても言い過ぎではないのです。

このように楽器にとって木は大変重要な役割を担っていますし、楽器に適していると言えます。

無垢材家具でも木の種類によって表情や強度が違うように、楽器にも同じことが言えますが、楽器の場合は音が大事なので同じ楽器で音が違えばそれは問題になります。

ですので木の種類の長所短所を把握して丁寧に作る必要があります。

それでは楽器に使われている木の種類をご紹介しようと思いますが、数が多いことから今回はエレキギターに絞ってご紹介いたします。

ギターはいくつかのパートで組み合わされています。

①ボディ:音を奏でる一番重要な部分です。木の種類によって音・デザインが変わってきます。

②ネック:弦が張られている部分です。ボディに比べて薄く、細く、長く加工されます。弦を引っ張ているため強度が必要になってきます。

③指板:正確な音程を奏でるために必要なフレットと呼ばれる金属が打ち込まれている部分です。フレットがグラついたり、弦がこすれて痛まないようネック同様に強度が求められます。

それではまずボディの木の種類からご紹介いたします。

【ボディ】
■メープル

音はアタック感があり、しっかりと芯の通ったサウンドが特徴です。木材としては重く堅いので、加工が大変なためメープルだけでボディを構成することはありません。他の材と組み合わせて作るのが一般的です。

■マホガニー

音は丸く柔らかい、温かみのあるサウンドが特徴的です。木材としては無垢材家具では高級家具として有名な木材ですが、比較的軽量で柔らかく加工性に優れた材です。レスポールやSGのギブソン系のエレキギターのボディに使用しています。

■アルダー

音は中音域の特性が強く、中音域に粘りのあるサウンドを奏でます。木材としましてはバスウッドと比較すると重く、若干固めです。

■バスウッド

音はフラットで素直です。木材としては柔らかく加工がしやすいです。また安価なため初心者用に向いています。しかし安いからと言って音が悪いわけではありません。

■ホワイトアッシュ

音はアタックが強く、硬めのメリハリのきいたサウンドが特徴です。木材としては堅く重量のある木材で、音響的にも癖が強いです。また木目が強いのでクセの強い見た目になります。
続いてネックです。
【ネック】
■メイプル

強度が強いためもっとも人気の高い材です。強度・見た目・サウンドとネックに求められる要素をすべて兼ね備えた材です。

■マホガニー

メイプルほどの強度はありませんが乾燥されたものは狂いが少なく安定しています。メイプル同様ネックには大変人気の高い材です。

■ウェンジ

独特の表情を持った木材で、強度が高く、非常に硬い材なので加工が難しいとされています。硬い材なためネックには大変人気があります。続いて指板です。

【指板】
■ローズウッド

ギターの指板としてはもっともポピュラーな材で、指板の材の中ではもっとも柔らかい材になります。そのため音は比較的柔らかく暖かいサウンドが特徴です。

■エボニー

もっとも高級な材になります。和名では黒檀と呼ばれ知っている方も多いのではないでしょうか?とにかく硬くこの3種類の中で最も硬い材になります。音はメイプルよりも立ち上がりが良く、高音も低音もハッキリしているのが特徴です。

■メイプル

キレイな白色なので汚れが目立つことからネックと一緒に塗装されるのが一般的です。ただついた汚れも味になるので好んで使われる方も多いです。音は立ち上がりが良く、アタック音のはっきりした硬めの音が特徴です。
以上ですが、いかがでしたでしょうか?
木の良さをうまく組み合わせて音の変化を作り出すギターですが、家具好きな人にもちょっと興味がある内容ではございませんか?

これを機会にギターを見に行って、何の材を使っているか探してみるのも面白いと思います。

それでは今回はこのへんで。