洗濯表示が変わったこと、ご存知でしたか?

先日、お客様の張地選びのご相談に乗っていましたところ、このマークって何を表しているのですか?とご質問頂きました。

それがこちらのマーク。

このblogをご覧の方は何のマークなのか。どういった意味なのかご存知ですか?

そもそもblogタイトルで答えを言ってしまっていますが、このPマークは洗濯表示のマークの一つです。

洗濯表示とは洋服などの布製品のラベルに記載されている洗濯方法を分かりやすく示したマーク。

こちらデザインのマークは間違いなく見覚えがあると思います。

Pというマークを初めて見た方は新しく追加されたと思われるかもしれませんが、実は2016年12月に上記のマークから新しいマークに移行しているのです。

これまでは日本の独自規格のマークを使っており、上記画像をご覧いただくと分かりますように、日本語が書かれているものでした。

新しい洗濯表示は国際規格(ISO3758)に合致するものに変わっており、どの国の方が見ても分かるデザインになっています。

正直、日本人からすると以前のデザインの方が直感的に分かりやすかった気がするのですが、変わってしまったからにはしょうがないので内容を覚えなくてはいけません。

という事で、いくつかのマークをご紹介致します。

・商業クリーニング用

 

最初にご紹介したPマークと似た「◯F」のマーク。

◯マークが商業クリーニングを行う際の、取り扱い方法を示しており、◯Pと共にドライクリーニングが可能である事を示すマークになっています。

FとPとで使用可能なドライクリーニングの溶剤が変わってきます。

Fは石油系溶剤のみ使用可能、Pは石油系溶剤に加えて、パークロロエチレンという溶剤を使用してドライクリーニングが出来るそうです。

こちらの◯Wのマークも円に囲まれているという事で、商業クリーニング時の処理方法を示しているのですが、その意味はウェットクリーニング!

クリーニング店で水洗いする方法が可能という事を示しています。

もちろんただの水洗いでは無く、特殊技術で行われるプロの水洗いらしいです。

今回調べてみるまで、私はウェットクリーニングの存在は知りませんでした。

ちなみに◯Pで言うパークロロエチレンのドライクリーニングと石油系のドライクリーニングの違いも分かりませんので、いつかのタイミングで調べてみたいと思います。

ここまでマークを3点ご紹介し、お感じになられたと思いますが、昔の表示と比べ、細かな要素まで示しています。

内容を覚えてしまいさせすれば、便利になりそうではありますね!

・ご自宅でのお洗濯用

こちらのマークはご自宅で洗濯を行う場合に関係する重要なマーク!

洗濯機で洗える事を示しています。

数字は液温のマックスを示し、桶の下のバーは洗濯の強さを示しています。

バーが増えるごとに、弱い洗い方をする必要があり、バー一本ならば弱く洗える、二本では非常時弱くならば洗えるといった事を表しています。

このマーク下部のバーは新しいマーク全体に通用する表示になっており、先にご紹介したドライクリーニングマークでもバーが付いている事はあります。

左のマークは手洗い専用のマーク。

液温は40度を限度として、手洗いが可能です。

ブランチで取り扱う張地でも、手洗いならば可能というものは結構多いです。

直感的に分かるデザインになっていますが、覚えておいて頂いて損は無いです!

対して右は家庭での洗濯禁止のマーク。

おそらく◯Pや◯Fマークが付いていますので、プロにお願いをしましょう。

・アイロン掛けについて

こちらは見ての通り、アイロン掛けについての表示。

・の数により、アイロン掛け可能な温度が変わってきます。
「・・・」は200度まで、「・・」は150度まで、「・」は110度までの温度でアイロン掛けが可能です。

アイロンマークに×がついていれば、アイロンは禁止です。

いかがでしたでしょうか。

新しく変わったばかりではありますので、新表示には慣れていませんが、理解する事が出来れば、以前よりも細く表示されているため、安心して取り扱う事が出来ると思います。

ブランチの張地見本の中でも新しいものについては新表示に切り替わっていますので、新表示を先にご確認頂ければ、張地の仕様についてもすぐに理解出来、スムーズにお選び頂けると思います!

今回は一部のマークしかご紹介していませんが、消費者庁のホームページでおそらく全てのマークのデザインと意味をご確認頂けると思います。

気になる方はぜひチェックしてみてください。

・消費者庁ホームページ 新しい洗濯表示
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/pdf/laundry_symbols_161006_0001.pdf

桜の開花予想。

春が近づくと、気になるのが桜の開花時期。
開花を予想する方法がいくつかありましたので、ご紹介します。

①標本木

標本木は、主に気象台の構内や神社内、公園など、
日本全国47都道府県のすべてに植えられています。

八重桜・河津桜など、300以上の種類がある桜ですが、
標本木に使われるのは、ソメイヨシノです。
全国の標本木の場所をご紹介します。
日本の春の訪れを告げる標本木の桜。
見にいかれてみては、いかがでしょうか。

■北海道:札幌管区気象台
■青森:青森地方気象台
■岩手:盛岡城跡公園(岩手公園)
■宮城:榴ヶ岡公園
■秋田:秋田地方気象台
■山形:山形地方気象台
■福島:信夫山公園
■茨城:旧県庁舎
■栃木:宇都宮地方気象台
■群馬:前橋地方気象台
■埼玉:熊谷桜堤
■千葉:陣屋町公園
■東京:靖國神社
■神奈川:横浜地方気象台
■新潟:鳥屋野潟公園
■富山:富山地方気象台
■石川:金沢地方気象台
■福井:福井地方気象台
■山梨:甲府地方気象台
■長野:長野地方気象台
■岐阜:清水川堤
■静岡:静岡地方気象台
■愛知:名古屋地方気象台
■三重:津偕楽公園
■滋賀:彦根地方気象台
■京都:京都地方気象台
■大阪:大阪城西の丸庭園
■兵庫:神戸市立王子動物園
■奈良:奈良地方気象台
■和歌山:紀三井寺本堂前
■鳥取:久松公園
■島根:松江地方気象台
■岡山:岡山後楽園
■広島:縮景園
■山口:下関地方気象台
■徳島:徳島地方気象台
■香川:栗林公園
■愛媛:道後公園
■高知:高知公園
■福岡:福岡管区気象台
■佐賀:佐賀地方気象台
■長崎:長崎地方気象台
■熊本:小町小学校
■大分:大分地方気象台
■宮崎:宮崎県立総合文化公園※標本木の位置は非公開
■鹿児島:鹿児島地方気象台
■沖縄:末吉公園

標本木の桜の花びらが5~6輪咲いた状態で「開花」、
全体の8割以上開いた場合が「満開」という判断になるそうです。

②休眠打破

桜の花芽は、夏の間に形成され、
その後、休眠期間に入るそうです。
その休眠から目覚めるために、一定期間低温にさらされる必要があるそうです。
これを「休眠打破」というのだそう。

休眠から覚めて、気温が上昇すると、成長を始めて、
「開花」となるようです。

暖冬の場合、休眠から目覚めるのが遅くなるので、
気温が上昇しても、なかなか開花しないということがあるそうです。

③400℃の法則

2月1日以降の平均気温の合計が400℃を超えると開花するという法則。
2月1日を桜が目覚める「休眠打破」の日と設定し、その日から平均気温を日々足していき、開花を予想する方法です。

桜が目覚めるために必要なのは、暖かい春の日差しではなく、
冬の寒さなんですね。

今年の桜の開花は、いつ頃になるのでしょう*

*写真はお店の裏庭の桜です。
スタッフの開花予想は、この桜が標本木になりそうです。

天板にあるリボンマークって、なんだろう?

木の家具、特にテーブルを見ていると
たまにリボンマークが入っていることありませんか?

これは「千切り(ちぎり)」と言います。

家具木工用事典には、
「木部の接合の際、補強のために埋め込む鼓(つづみ)形の板片。
両端が広く、中がくびれて狭い。【衽】や【乳切木】とも書く」
と記されています。

例えば、こんな感じで割れてしまった箇所は、

割れ部分を樹脂で埋めて、千切りを入れることで
さらなる割れを防ぐ役割を果たしています。

この千切りは、割れではなく傷を隠すために入れています。

もちろん、割れや傷以外で使用されることも。

この照明のどこかに、千切りが入っています。
お分かりになりますか?

答えはここです。
木材を繋ぎ、強度を高める役割を果たしています。

見えない場所に千切りが入っていることもあります。

天板の裏側。
左右の板を繋ぐ役目を果たしています。

こんな感じで使われている千切りですが、
割れや傷に対して使用されている千切りは
総じて色が濃いことにお気づきになりましたか?

そうした部分に使われる千切りには、
広がりの進行を防ぐため、硬い木である必要があります。

その役割に適しているのが
「黒檀(こくたん)」という木です。

私たちの身の回りでは
ピアノの黒鍵や判子として使われています。

名前の通り、黒に近い濃い色合いをしているため、
千切りが濃い色になる、というわけです。

また千切りを見かけるのが、
一枚板に多いわけとしては、
生産方法に違いがあるためです。

通常のテーブルは、何枚かの板を繋ぎ合わせて
一台のテーブルになります。

もし千切りを入れないといけない板があれば
別の板に替えれば済む話ですが、
採るまでに100年以上かかる一枚板はそうはいきません。

なので、千切りは一枚板や一点もののテーブルで
よく見かけるというわけです。

このように、千切りの本来の役割は補強材としてですが、
デザイン性があるので、アクセントにもなります。

現に、この千切りをデザインとして天板に入れてほしい!
という、お話をたまにいただくことがあります。

自然の魅力を活かした人間の知恵として千切りを見ると、
それもまた「味」となるかもしれません。