節図鑑

皆様、木の節はお好きですか?

私がお客様とお話ししている限りでは家具の材料に関しては節無しの方が人気が高いようです。
実際、ほとんどの家具は大きな節は入らない材料をセレクトして製作しています。やはり、節無し派の方が多数だからですね。
木と言う暖かみのある材料を使用しつつも、ある程度洗練された印象のお部屋にされたい方が多いのだと思うのですが、節が入る事により素朴さ、木らしさといった要素が増しますので、そういった印象がお好きな方にはもってこいの素材だと思います。

基本的には、一つの家具のデザインで節有りの材料・節無しの材料を選んで頂くという事も出来ませんので、ご自由にお選びくださいとも行かないのですが、商品によって設定されていますので、節がお好きな方はぜひ商品ページから探してみてください。
節有り材を使用している家具の場合は商品タイトルに「節」と記載がある事が多いですので探して頂きやすいかと思います。

さて、「節」といってもその形状などは様々です。
過去にもこのblogでご紹介していますが、「生き節」や「死に節」といった大きな区分けもありますし、同じ生き節でももちろん一本一本の木でそのデザインは様々です。
という事で店内のあちらこちらから節を探して参りましたので、その写真をご紹介します。

こちらはブラックウォールナット材の節。
この投稿の最初にアップしているものもブラックウォールナット材です。
節有り材で家具をご注文頂く際に最も多く選ばれているのですが、もともと色濃く黒い色味の材料なので、節が目立ちすぎないという事で、もともと節有り材をお考えでない方でも受け入れやすいのだと思います。

こちらは死に節のウォールナットブックマッチテーブルです。
この節は窪んでいる箇所もありますが、このテーブルの場合はご希望により、そのままにしたり、埋めて平らに変更したりと節にこだわって頂く事が可能です。

こちらのテーブルはTA-0549 ダイニングテーブル
節をふんだんに使用して製作します。


材料はホワイトオーク材。
ホワイトオークの場合は例えばこういったデザインの節になります。

これはTA-0010 ダイニングテーブルの一箇所です。
別に節は見えませんが・・・、

実はテーブルの裏側に節がありました!
基本的に節無し材を使用する家具でも裏側などの見えない箇所には節がある場合もあります。
お持ちの家具の裏側にももしかすると隠れているかもしれません?

個人的には節は好きなので、もっとお客様に魅力を伝えられればと思っているのですが、現状、節有り材を使用した家具はそこまで多くありません。
すこしずつ増やしていきたいと思いますので、節ファンの方は少々お待ち下さい。
一応、特注で節無し材の商品を節有りにできる事もございますので、今家具をお探しの方で節にこだわりたい方は、念のためスタッフまでお問い合わせ下さい。
ご連絡お待ちしております!

木と生き物の関係

先日公園を散策していると、たくさんのドングリが落ちていました。

「ドングリ」とはブナ科、特にカシやナラといったコナラ属の実の総称だそうです。たしかにいろいろな形がありますよね。
さてドングリと聞いて想像する動物はリスではないでしょうか。
そこでふと思ったのが、
「リスがドングリを食べすぎると木がなくなってしまうのでは、、」という疑問です。
ということで、今回は木と生き物の関係について紹介します。

■「ナラ」「リス」

リスはドングリなどの食料を地中や木の葉の下に隠す習性があります。
これは越冬のための貯蓄が目的ということですが、
なんとリスはドングリの隠し場所を忘れてしまい、
食べ忘れることがとても多いそうです。

なんともかわいらしいですが、この食べ忘れのおかげで
残ったドングリがいずれ発芽して木になっていきます。

ただリスはとても頭がいいと言われているので
もしかしたら次世代のために、あえて残しているのかもしれませんね。

岡山県の七色樫の木。
四季を通じて7回も葉の色が変化することから、七色樫、虹の木と呼ばれています。もしかしたらこの木もリスが食べ忘れたおかげで大きくなったのかもしれません。

ちなみにリスは1年に(なんと!)20cmほど前歯が伸びるため、
ドングリなど硬いものを食べることで長さを調整しているそうです。

またリスが食べた松ぼっくりは、形がエビフライそっくりと話題になっています。残念ながら写真は掲載できませんが、ご興味のある方は検索してみてください。

■「サクラ」「アリ」

BRUNCHでもサクラの木を育てています。
今年で3年目、まだ花は咲いていませんが、随分と大きくなりました。
綺麗な花を咲かせてくれる日を楽しみにしているのですが、
春になると毛虫がつき大変です、、。

サクラは毛虫に葉っぱを食い荒らされると、
新芽が変色したり花が咲かなくなってしまいます。

その対抗策として、サクラは葉の根元あたりから
蜜線と呼ばれる糖分を含んだ液を出します。

するとこの蜜を目当てにアリが集まり、
サクラの天敵の毛虫を駆除してくれます。

サクラはアリに蜜をあげ、アリはその代わりに天敵の毛虫を駆除する。
サクラは自衛できない代わりに他の生き物に守ってもらっているわけですね。

■「木」「キノコ」

「木の子」と書くように、木と深いかかわりを持つキノコ。
「木」と「キノコ」は共生関係にあり、木はキノコの菌糸体を利用して
単体では集められない量のリンや水分などをもらい、
代わりにキノコの栄養分のデンプンを与え共生を計っています。
一説ではキノコが付いている木とついていない木では
集められる栄養分に2倍ほどの差が出るとか。
キノコと共生した方がより大きく成長できるようです。

ちなみにキノコには好みの木があります。
たとえば舞茸はミズナラ、エノキはクルミを好んで共生しています。


舞茸のおかげ(?)で大きく育ったミズナラの一枚板。

このように、木はいろいろな生き物と関わりあって成長していきます。
そして家具に形を変えた木をこれから支えるのは私たち人間です。
家具に愛着を持って大切にしていきたいですね。

さて、今回はこの辺りで。
次回をお楽しみに。

インテリアの歴史 ~古代編~

皆様こんにちは。
国産無垢材家具のBRUNCHです。

秋も深まってきた今日この頃、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
東北や北陸の方では、丁度紅葉が見ごろのようです。
最近は晴れた日がなんだか貴重な感じですが、すっきりとした秋晴れの日にゆっくりと紅葉を眺めながら散歩したいものです。

さて、今回の木と学ぶでは、「インテリアの歴史」について学んでみたいと思います。
今回は「古代」編です。

 

・古代エジプト時代

古代エジプト時代は、神殿や墳墓は石材で建築され、柱をパピルスやロータスなどの植物で装飾しました。
家具類はその中で支配階級の人々のための、権威の象徴として扱われました。
材質は主に木製で、金箔がはられたり豪華な彫刻が施されるなど、まさに権威の象徴でした。
しかしこの時はまだ、いわゆるインテリアというものは一般の人々には広まっていませんでした。

 

・古代ギリシア時代

古代ギリシア時代の建築は、有名なパルテノン神殿にみられるような調和のとれたプロポーションで構成されました。
家具もそれに倣い、華美すぎる装飾の無い、シンプルで実用的なものが多かったようです。
とはいっても、合理的な生活のために家具自体少なく、婦人用の小椅子や食事と休憩を兼ねた寝台など、生活に合わせた実用的で簡素なものが多かったようです。

 

・古代ローマ時代

古代ローマ時代になると、れんが造や石造に、コンクリート技術のアーチ・ヴォルト・ドームによる大規模な建築構造を用いた変化に富んだ内部空間が作られ始めました。
そしてそれに呼応するかのように、家具もギリシア時代より次第に装飾の度合いを強め、動物の彫刻などの装飾性が付加されていきました。
この頃にはだいぶ一般の人々の間にも家具というものが浸透してきており、特にレクタスという寝椅子は家庭の最も高級な家具とされ、横になっての会食に使われていたりしたそうです。

 

「古代」のインテリアの歴史は以上です。
こうして見てみると、家具やインテリアの歴史は、その時代ごとの「建築」や「建築様式」にかなり強い影響を受けていることがわかります。
さらにいうと、その時代ごとの人々のものの考え方や、身分などの存在を表すものとして、家具が使われていたようにも見えます。

今は普通に私たちの生活の一部として馴染んでいる家具ですが、その成り立ちについて少し調べてみると、とても興味深い発見があります。

次は「中世」のインテリアの歴史について触れてみたいと思います。

それでは今回はこんなところで。