木と生き物の関係

先日公園を散策していると、たくさんのドングリが落ちていました。

「ドングリ」とはブナ科、特にカシやナラといったコナラ属の実の総称だそうです。たしかにいろいろな形がありますよね。
さてドングリと聞いて想像する動物はリスではないでしょうか。
そこでふと思ったのが、
「リスがドングリを食べすぎると木がなくなってしまうのでは、、」という疑問です。
ということで、今回は木と生き物の関係について紹介します。

■「ナラ」「リス」

リスはドングリなどの食料を地中や木の葉の下に隠す習性があります。
これは越冬のための貯蓄が目的ということですが、
なんとリスはドングリの隠し場所を忘れてしまい、
食べ忘れることがとても多いそうです。

なんともかわいらしいですが、この食べ忘れのおかげで
残ったドングリがいずれ発芽して木になっていきます。

ただリスはとても頭がいいと言われているので
もしかしたら次世代のために、あえて残しているのかもしれませんね。

岡山県の七色樫の木。
四季を通じて7回も葉の色が変化することから、七色樫、虹の木と呼ばれています。もしかしたらこの木もリスが食べ忘れたおかげで大きくなったのかもしれません。

ちなみにリスは1年に(なんと!)20cmほど前歯が伸びるため、
ドングリなど硬いものを食べることで長さを調整しているそうです。

またリスが食べた松ぼっくりは、形がエビフライそっくりと話題になっています。残念ながら写真は掲載できませんが、ご興味のある方は検索してみてください。

■「サクラ」「アリ」

BRUNCHでもサクラの木を育てています。
今年で3年目、まだ花は咲いていませんが、随分と大きくなりました。
綺麗な花を咲かせてくれる日を楽しみにしているのですが、
春になると毛虫がつき大変です、、。

サクラは毛虫に葉っぱを食い荒らされると、
新芽が変色したり花が咲かなくなってしまいます。

その対抗策として、サクラは葉の根元あたりから
蜜線と呼ばれる糖分を含んだ液を出します。

するとこの蜜を目当てにアリが集まり、
サクラの天敵の毛虫を駆除してくれます。

サクラはアリに蜜をあげ、アリはその代わりに天敵の毛虫を駆除する。
サクラは自衛できない代わりに他の生き物に守ってもらっているわけですね。

■「木」「キノコ」

「木の子」と書くように、木と深いかかわりを持つキノコ。
「木」と「キノコ」は共生関係にあり、木はキノコの菌糸体を利用して
単体では集められない量のリンや水分などをもらい、
代わりにキノコの栄養分のデンプンを与え共生を計っています。
一説ではキノコが付いている木とついていない木では
集められる栄養分に2倍ほどの差が出るとか。
キノコと共生した方がより大きく成長できるようです。

ちなみにキノコには好みの木があります。
たとえば舞茸はミズナラ、エノキはクルミを好んで共生しています。


舞茸のおかげ(?)で大きく育ったミズナラの一枚板。

このように、木はいろいろな生き物と関わりあって成長していきます。
そして家具に形を変えた木をこれから支えるのは私たち人間です。
家具に愛着を持って大切にしていきたいですね。

さて、今回はこの辺りで。
次回をお楽しみに。