季節の木 -カキノキ-

皆様こんにちは。
東京・目黒、千葉、横浜の無垢材家具店BRUNCHです。

ついこの間まであんなに暑かったのに、すっかり朝夕は肌寒く、秋の雰囲気が強くなってきました。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。
そんな中でも今回は秋になるとスーパーに並ぶ『柿』について、調べてみました。

■柿(カキノキ)

柿とはカキノキ科一種の落葉樹で、東アジアの固有種です。
生産量は中国、韓国、日本と続き、中国は日本の約8倍の量を生産しています。
もちろん国土、人口の違いは大いにありますが、日本の果実の印象が強いため私は意外に感じました。

また品種がかなり多く、1000を超えるとも言われていますが、大きく分けると『渋柿』と『甘柿』に分けられます。

渋柿

渋柿は実が熟しても果肉が硬いうちは渋が残る柿の事で、遺伝子的には渋いほうが優勢なのだそうで、古い品種はほぼすべてが渋柿です。
水溶性のタンニンを含有しているため、生のままでは渋くてとうてい食べられません。
湯やアルコールで渋を抜く方法があり、これを『醂す(さわす)』というそうで、このほかにも様々な渋抜きの方法があるようですが、一番有名で身近なのは『干し柿』でしょう。

小さい頃はお年寄りの食べモノと決めつけあまり好んで食べませんでしたが、今になってみるとあの何とも言えない甘みがほっとします。

干し柿とは単に柿を乾燥させて日持ちを良くするものだと思っていましたが、甘さを引き出すという科学的な根拠があったんですね。

 

甘柿

甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、未熟時は渋いですが熟すにつれて自然と渋みが抜け、甘くなっていく品種です。

日本では1214年(鎌倉時代)に現神奈川県川崎市の王禅寺で発見されたものが日本で最初の甘柿とされています。

また中国では羅田甜柿という甘柿があり、日本の甘柿の形質発現が劣性遺伝であるのに対し、羅田甜柿は優性遺伝で、タンニンの制御方法も全く異なっているとわかっているそうです。

完全甘柿と不完全甘柿

甘柿の中でも熟せば自然と甘みを持つ完全甘柿と、種の有無・多少によって渋みが残る不完全甘柿とがあります。
渋みが残ることがあるので不完全甘柿を渋柿の一種に含めることもあり、前述の王禅寺の柿もまた不完全甘柿です。

<桃栗三年柿八年>

これは果実を植えたら実がなるまでに相応の年月が必要なことから、何事も成就するまでそれ相応の年月がかかる、という事を例えたことわざです。

実際、柿の実がなるまでに8年かかるのでしょうか。

昔は7、8年かかっていたようです。
しかしこれは種から植えた場合で、上でも説明したように種から育てるとほとんどの場合は渋柿しか実りません。
そのため現在では接ぎ木での育成が主流で、接ぎ木であれば約4年前後で実をつけるそうです。

ちなみに、桃栗三年柿八年のあと、さらに言葉が続くのをご存知でしょうか。
例えば…

『柚子の大馬鹿十八年』
『林檎にこにこ十五年』
『梅は酸い酸い十三年』

などなど。

これからの季節、街角で柿の木を見かける機会も多いと思います。
そんな時はこの小気味のいいリズムで口ずさんでみてください。

それでは、また。