金木犀について

皆様こんにちは。
東京・目黒、千葉、横浜の無垢材家具店BRUNCHです。

BRUNCHがある関東地方は猛暑の夏を過ぎ、日ごとに秋が近づいている毎日です。そんな秋のはじめを感じさせる香り、毎年この時期に咲く金木犀(キンモクセイ)についてです。

金木犀はモクセイ科・モクセイ属の常緑樹です。大きくなると10m近くにまで育ちますが、基本は低木樹であり庭木や公園などによく植えられています。病害虫にも強く、三大香木に数えられるキンモクセイ。遠くまで届く甘い香りを気に入って植えられているようです。

また、キンモクセイの由来はその樹皮の模様。サイの脚ような模様のようであることからから木犀と名付けられたようです。低木ではそんな感じがしませんが、大きくなるにしたがってそのような風合いになるそうです。

キンモクセイは江戸時代に中国から伝わってきた外来種です。また雌雄異株で、日本にあるキンモクセイは雄株しかないため実がなりません。雌株は香りが弱いため選ばれなかったといろいろな説がありますが、不思議なことです。本場中国でも雌株は珍しいそうです。

そんなキンモクセイですが、キンモクセイの仲間ご存知でしょうか?代表的なモクセイ属をご紹介したいと思います。


ギンモクセイ(銀木犀)
キンモクセイの原種。キンモクセイはギンモクセイの変種だそうです。
木としてみたときは違いがほとんどなく、葉っぱの形状が違うなど遠目で見ると気づきにくいです。
花は白い花をつけ、キンモクセイより弱めの香りがします。


ウスギモクセイ(薄黄木犀)
ギンモクセイの変種でキンモクセイと似た黄色い花が咲きますが、キンモクセイと比べて色が薄く、そこからウスギモクセイと名付けられたそうです。こちらも遠目で見ると見分けがつかない木です。

また、春先には紫色の実がつきます。


ヒイラギモクセイ(柊木犀)
文字の通り葉っぱが柊のようにとげとげしています。ギンモクセイと柊の交雑種で、見た目は柊、花が咲くと銀木犀のような花と香りがします。こちらはほかのモクセイとは見分けがつきますが、柊と比べて葉が大きいのが特徴です。

キンモクセイは低木で横枝が多いためか木材として利用されておらず、公園や庭木などの観賞用として用いられています。
また花も9月下旬から一斉に咲き始めますが、1週間から1か月で終わるため短いのも特徴です。

道で咲いているキンモクセイ、一度気にかけてみてはいかがでしょうか。
今回はキンモクセイについてでした。

『イチョウ』について

 

こんにちは。BRUNCHです。

暑さもだんだんと和らいできましたね。今年の夏は猛暑、西日本を中心とした台風、そして北海道の地震といった自然災害の影響が多くあったように感じます。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

さて秋も深まってきたこの時期、一度は目にするであろうイチョウの木についてご紹介したいと思います。

BRUNCHがある目黒通りにはイチョウの木がたくさんあります。

何故街路樹にはイチョウの木多いのか皆さんはご存知ですか?私は何となくの理由でイチョウの木が植えられているのだとばっかり思っていましたが、実は歴史的な理由があったのです・・・!

街路樹にイチョウが使われるのが多いのは、はるか昔平安時代の頃のお話です。中国大陸に修行に行っていた僧たちは聖なる木として持ち帰ったのが始まりでした。聖なる木として持ち帰ったのは、秋になって美しく黄金にひかるイチョウに感動したのかなーなんて想像しながら歴史のロマンに浸っておりました。なんだか素敵ですよね*

そういえば日本でも古くから親しまれお寺などでもとても大きなイチョウの木がよく植えられていますよね。

それにも理由があるようです。イチョウの木は『火事の時は水が吹く』と言われるくらい火に強いそうです。防火樹としても神社などで植えられました。

私は学生時代に建築設計を専攻していたこともあり道路に関して少々知識があるのですが、目黒通りは緊急輸送道路なのでいざ何か起こったとしても目黒通り一帯に火に強いイチョウの木が並んでいるのでとても心強いですね!

さて少し脱線しますが皆さんイチョウの葉がそれぞれ形が違う理由ご存知でしょうか。

手の形をしている葉、ズボンのような形をしている葉、扇型の葉、ひとつひとつ葉の表情が違っていて見ていると楽しくなりますよね*

葉の形が違うその理由は、葉が生まれた時期と環境にありました。

特に驚いたのが手のひら型の葉は剪定(木の枝を切って長さを調節など行う作業)した枝に多いようです。

生きているので切った枝からまた新しい枝が生えてきますよね。そこに出来る葉は剪定された分更に栄養を求めて光合成を求め大きくなります。ただ扇型のままでは風の影響も大きく葉が飛ばされてしまう為風の負担を減らすべく手のひら型になるようです。

風の影響まで考えて成長するとはなんとも言えない賢さですよね。まるで仕事をバリバリこなすビジネスマンのようです。私もそんなその時の状況で物事を考え行動できるような人間にならないといけない事を改めて教えてもらった気持ちになりました。

これから目黒通りにたくさんあるイチョウたちの葉が落ちてきてお掃除が大変ではありますが、今回沢山のことを知ることが出来たのでオープン前のお掃除も葉の形を見ながら楽しめそうです。

皆さんもこれからの時期のイチョウとってもきれいなので葉の形も少し注目してみてくださいね*

 

間伐材のゆくえ

『間伐材』という言葉を聞いたことはありますか?
間伐とは、人工林や里山などの人の手が入った天然林の生長に伴い、混み合ってしまった立木の一部を伐採することです。
これを行うことで日当たりが改善し、樹木そのものだけでなく下草が生育しやすい環境ができ、土壌の流出防止にも繋がることから、土砂災害防止の為にも重要視されている、とても重要な保育作業です。

この作業で伐採された木材のことを『間伐材』と呼びます。
曲がって生長してしまった木や入皮が生じた木などを中心に伐採されますが、それら間伐材も、大切な資源として多くの場面で利用されています。

1970年代までは、主に建築現場などの足場材として多く用いられましたが、アルミニウム製の足場が登場してからはそちらが主流となり、需要が低下していきました。
その後、間伐材の利用方法について見直しが行われ、現在では、木の形のまま利用されたもの、別の形に加工したものなど、様々な間伐材を利用した商品が生み出されています。

 

【再生紙】

間伐材を紙パルプの原料の一部に使用して作られた再生紙は、既に私達の生活に根付いた存在となっています。
それを更に封筒、はがき、名刺、ファイルなどに加工し、取り入れている企業も多くあります。
特定調達品目の基準をクリアしている商品なら「グリーン購入法」で購入ができ、企業的にエコに協力することにもなるので、企業側が導入しやすい仕組みとなっています。

 

【割りばし】

割りばしが間伐材を利用していることはご存知の方も多いかもしれません。
輸入品の割りばしについては必ずしも間伐材で作られたもののみではありませんが、国内産の割りばしは、割り箸製造のために伐採されたものではなく、建築用材の端材や残材、間伐材から製造されたものです。
コンビニエンスストアやファミリーレストランでは、この間伐材を利用した割りばしを導入している企業が増えてきています。

 

【集成材】

小さな木材を接着剤で組み合わせて作る集成材も、間伐材から作られます。
フローリングなどに利用されるので、馴染みのある方も多いかもしれません。
建材以外にも、テーブルの天板など、家具や内装にも利用されることがあります。

 

【バイオマス燃料】

間伐材は、木を利用した燃料『木質バイオマス燃料』(木質ペレット)として、ボイラーの燃料となったり、発電燃料のとしての利用も進められています。

 


その他、紙コップや紙袋、木製のお皿など、幅広く利用され、私達の生活にも密接に関係している間伐材。
さらにその利用・用途開発を促進するために間伐材利用コンクールが開催されるなど、様々な取り組みが進められています。
間伐材利用の可能性は、これからもまだまだ広がっていきそうですね。
木を無駄にしない取り組み。
私も消費者の立場から、積極的に協力していきたいと思います。

それでは今週はこの辺で。
来週の『木と学ぶ』もお楽しみに!

 

木と音

こんにちは。
無垢材家具をメインに扱う「木の家具専門店」BRUNCHです。

 

突然ですが、最近ギターを買いました。

(びっくりするほど安い中古品ですが…!)

今日は木と音にまつわることを勉強したいと思います。

 

無垢材家具についての説明の中で、
「木は呼吸している」という話を
耳にしたことがある方は多いかと思います。

これは木の持つ調湿機能のことを指していますが、
木は水分だけでなく、音も吸収しています。

美術館などの静かな場所で、
自分の足音が思わぬ大きさで響いてしまい、
驚いたことはありませんか?

コンクリートや大理石などを使用した建物では、
壁や床が音をほとんど吸収せずに
そのままはね返してしまうため、
その反響音が不快に感じられることがあります。

しかし木には、
騒音となる音を小さくしてくれる=吸音性能が備わっています。

木造建築や木材を使用した室内の場合、
木が不快な雑音を吸収するため、音がまろやかに伝わります。

これは木材が多孔質の材料だから得られる特性です。
(吸音のメカニズムについてはここでは割愛します)

木の組織には、
根から吸い上げた水や養分の通り道(導管)をはじめ、
肉眼では見えない細く小さな穴がたくさん存在します。

(テーブルの木口をよーく見ると、小さな穴=導管が確認できます)

 

低音域から高音域までバランスよく音を吸収して、
ほどよい残響音を残す。

このミクロの孔がこのような効果をもたらします。

優れた音響効果が必要なコンサートホールや劇場、
また、様々な楽器の材料として木が使われている理由もここにあります。

そして、この効果はご家庭でも体感できます。

木造の住宅や木材をふんだんに使った内装はもちろんのこと、
木をメインにしたインテリアにすれば、
家族の話し声も、お部屋で聴く音楽も、心地よく耳に届くはず。

音に対するストレスを木が和らげてくれます。

木ならではの機能、魅力はまだまだあります。

次回もお楽しみに~