桜の開花予想。

春が近づくと、気になるのが桜の開花時期。
開花を予想する方法がいくつかありましたので、ご紹介します。

①標本木

標本木は、主に気象台の構内や神社内、公園など、
日本全国47都道府県のすべてに植えられています。

八重桜・河津桜など、300以上の種類がある桜ですが、
標本木に使われるのは、ソメイヨシノです。
全国の標本木の場所をご紹介します。
日本の春の訪れを告げる標本木の桜。
見にいかれてみては、いかがでしょうか。

■北海道:札幌管区気象台
■青森:青森地方気象台
■岩手:盛岡城跡公園(岩手公園)
■宮城:榴ヶ岡公園
■秋田:秋田地方気象台
■山形:山形地方気象台
■福島:信夫山公園
■茨城:旧県庁舎
■栃木:宇都宮地方気象台
■群馬:前橋地方気象台
■埼玉:熊谷桜堤
■千葉:陣屋町公園
■東京:靖國神社
■神奈川:横浜地方気象台
■新潟:鳥屋野潟公園
■富山:富山地方気象台
■石川:金沢地方気象台
■福井:福井地方気象台
■山梨:甲府地方気象台
■長野:長野地方気象台
■岐阜:清水川堤
■静岡:静岡地方気象台
■愛知:名古屋地方気象台
■三重:津偕楽公園
■滋賀:彦根地方気象台
■京都:京都地方気象台
■大阪:大阪城西の丸庭園
■兵庫:神戸市立王子動物園
■奈良:奈良地方気象台
■和歌山:紀三井寺本堂前
■鳥取:久松公園
■島根:松江地方気象台
■岡山:岡山後楽園
■広島:縮景園
■山口:下関地方気象台
■徳島:徳島地方気象台
■香川:栗林公園
■愛媛:道後公園
■高知:高知公園
■福岡:福岡管区気象台
■佐賀:佐賀地方気象台
■長崎:長崎地方気象台
■熊本:小町小学校
■大分:大分地方気象台
■宮崎:宮崎県立総合文化公園※標本木の位置は非公開
■鹿児島:鹿児島地方気象台
■沖縄:末吉公園

標本木の桜の花びらが5~6輪咲いた状態で「開花」、
全体の8割以上開いた場合が「満開」という判断になるそうです。

②休眠打破

桜の花芽は、夏の間に形成され、
その後、休眠期間に入るそうです。
その休眠から目覚めるために、一定期間低温にさらされる必要があるそうです。
これを「休眠打破」というのだそう。

休眠から覚めて、気温が上昇すると、成長を始めて、
「開花」となるようです。

暖冬の場合、休眠から目覚めるのが遅くなるので、
気温が上昇しても、なかなか開花しないということがあるそうです。

③400℃の法則

2月1日以降の平均気温の合計が400℃を超えると開花するという法則。
2月1日を桜が目覚める「休眠打破」の日と設定し、その日から平均気温を日々足していき、開花を予想する方法です。

桜が目覚めるために必要なのは、暖かい春の日差しではなく、
冬の寒さなんですね。

今年の桜の開花は、いつ頃になるのでしょう*

*写真はお店の裏庭の桜です。
スタッフの開花予想は、この桜が標本木になりそうです。

天板にあるリボンマークって、なんだろう?

木の家具、特にテーブルを見ていると
たまにリボンマークが入っていることありませんか?

これは「千切り(ちぎり)」と言います。

家具木工用事典には、
「木部の接合の際、補強のために埋め込む鼓(つづみ)形の板片。
両端が広く、中がくびれて狭い。【衽】や【乳切木】とも書く」
と記されています。

例えば、こんな感じで割れてしまった箇所は、

割れ部分を樹脂で埋めて、千切りを入れることで
さらなる割れを防ぐ役割を果たしています。

この千切りは、割れではなく傷を隠すために入れています。

もちろん、割れや傷以外で使用されることも。

この照明のどこかに、千切りが入っています。
お分かりになりますか?

答えはここです。
木材を繋ぎ、強度を高める役割を果たしています。

見えない場所に千切りが入っていることもあります。

天板の裏側。
左右の板を繋ぐ役目を果たしています。

こんな感じで使われている千切りですが、
割れや傷に対して使用されている千切りは
総じて色が濃いことにお気づきになりましたか?

そうした部分に使われる千切りには、
広がりの進行を防ぐため、硬い木である必要があります。

その役割に適しているのが
「黒檀(こくたん)」という木です。

私たちの身の回りでは
ピアノの黒鍵や判子として使われています。

名前の通り、黒に近い濃い色合いをしているため、
千切りが濃い色になる、というわけです。

また千切りを見かけるのが、
一枚板に多いわけとしては、
生産方法に違いがあるためです。

通常のテーブルは、何枚かの板を繋ぎ合わせて
一台のテーブルになります。

もし千切りを入れないといけない板があれば
別の板に替えれば済む話ですが、
採るまでに100年以上かかる一枚板はそうはいきません。

なので、千切りは一枚板や一点もののテーブルで
よく見かけるというわけです。

このように、千切りの本来の役割は補強材としてですが、
デザイン性があるので、アクセントにもなります。

現に、この千切りをデザインとして天板に入れてほしい!
という、お話をたまにいただくことがあります。

自然の魅力を活かした人間の知恵として千切りを見ると、
それもまた「味」となるかもしれません。

家具における「曲木」という技術の歴史

皆さんこんにちは。

今回は、家具における「曲木」という技術の歴史について学んでみたいと思います。

「曲木」とは、家具の世界で言えば、主に椅子の木フレームのデザインを形作るのに使われる技術です。
無垢の木材を、高温の蒸気で蒸して塑性を増大させ、そのまま金型にはめて乾燥させることで、望みの曲線を持つ材にしたものを指します。

さて、木を曲げるというのは、いつ頃から行われるようになったのでしょうか。
それは、19世紀の前半頃から、同時期的にヨーロッパの各地で少しづつ行われるようになっていったそうです。

たとえば、1810年には、車大工メリハル・フィンクが薄板を曲げる方法を発明しています。また1826年、イギリスのイザーク・ザーゲントが、板を湯で煮るか蒸すかをして柔らかくし、日陰で乾燥させるという方法をとって成功しています。
もっとも、この場合薄い一枚の板しか曲げられず、材料もトネリコ材に限られていました。
さらに1830年、アメリカのエドワード・レイノルズが、木を曲げる機械を発明します。ただし、この場合もいわゆる「曲木」の観念がまだ徹底していなかったため、単板を曲げる作業を機械に置き換えたに過ぎませんでした。

このように19世紀前半頃に、何人もが同じように機械的に木を曲げる方法を考案しましたが、いずれもレイノルズの方法と大同小異で、根本的にはなんら改良が見られないままに終わってしまっていました。

しかしその頃、現在のドイツの片田舎で、発明家でも技術者でもない一人の職人が、木を曲げることによる技術的・経済的な可能性を求め、その完成に向かってひとり工夫を凝らしていました。
それが現在も「曲木家具の生みの親」との呼び声高い、ミヒャエル・トーネットその人なのです。

・ミヒャエル・トーネット
1796年7月2日~1871年3月3日
家具デザイナー・実業家
曲木技術の発明者・トーネット社の創業者

 

1796年7月2日、現在のドイツのボッパルドに生まれたミヒャエル・トーネットは、貧乏な父と同じなめし革職人になるのを嫌い、木工芸の技術を身につけようと建具屋に弟子入りします。

その後1819年に独立。優れた技術と適正な価格で商売を着実に広げていきましたが、やがて供給が間に合わなくなっていきました。
機械設備を導入する資金の無いトーネットは、あくまで手工業という枠の中で、増産方法を考えなければいけなくなりました。

そこで1830年、トーネットは二枚の薄板を膠で煮て貼り合わせたものから、家具の部品製作を初めて試みます。
そしてそれが発展し、薄板を重ね、椅子の前脚と後脚を引き延ばして背の部分につなぐという、一体化した製作の試みも行いました。
その中で、材料を膠で煮ることにより柔らかさを増して曲げやすくなり、また接着も可能なことも判明していきました。

その後、1842年には主に合板での曲木の特許を取得し、その成型技術をもとに、水蒸気の作用を応用して無垢材を曲げる曲木家具の開発を進めていきます。

こうして、技術の発展と、それに準じて作業の分業化等による効率化を図って生み出されていったのが、以下のようないわゆる「トーネットチェア」と呼ばれる椅子です。

曲木によって描かれる、有機的で美麗な曲線には目を奪われます。
これにさらに、木の温かみや、木目のもつ視覚的な美しさが加わるのは、木材という素材を使用しているからこそのものです。

 

そして現在、曲木の技術は職人によって広く世界に広まりをみせています。
BRUNCHで取り扱っている椅子にも、曲木の技術が使われている椅子が沢山あります。

・CH-0178 ダイニングチェア

 

・CH-0156 ダイニングチェア

 

・CH-0179 ダイニングチェア

分かりやすい物だけでもこんなにありますが、他のほとんどの椅子にも、例えば少し湾曲した背もたれの部分などに、曲木の技術は沢山使われています。

 

今回は、今は広く使われている曲木の技術について学んでみました。
この技術がもしトーネットによって生み出されていなければ、今ある椅子の大半はもしかしたら存在しなかったかもと考えると、とても意義のある発明であったと思います。

皆さんも、お持ちの椅子、これからご購入を考えている椅子があったら、どんなところに曲木の技術が使われているか、見直してみるのも面白いかもしれませんね。

それでは、今回はこんなところで。

 

秘めた力を持つ「バニヤンツリー」

「死ぬまでに見たい 世界の気になる樹木」
の中に、ハワイの“コートハウスのバニヤンツリー”
というのを見つけました。
気になったので、今回は“バニヤンツリー”について調べることにしました。

ベルガルボイジュという菩提樹の仲間。
大きく横に広がった枝から気根という長い根を垂らすのが特徴
この気根の影が丁度良く、人々の憩いの場となり、
涼み場所となっているそうです。
とてもリラックスできそうですよね。

そして、この木根が地面に到達すると新しい幹になり木の成長と手助けするそうです。
これを繰り返しどんどん大きくなると、とても一本の木だとは思えないほどの大きさになり、100メートル四方に伸びている木もあるそうで。
生命力旺盛な木で、長寿や豊饒の象徴。
じつに見てみたい。
リラックスとともに生命の力も分けてもらえそうですね。

ただ少し怖いのは「絞め殺し植物」とも言われており、周りに他の樹木があると絡みついて枯らしてしまうらしいんです。
栄養分を吸い取るとかではなく、生長を支える土台として利用しているだけ。
だけど、相手を枯らしてしまいます。ちょっと怖いような切ないような話ですね。

いろいろ調べてみると古くから慕われている樹で、集会の場所になっていたり、ある神話では「望みを叶える木」と言われていたり。
寺院の周囲に植えられる事も。

カンボジアの遺跡が気根に飲み込まれているのですが、これも寺院の近くに植えられたからなのでしょうかね。

そして私たちの生活にとても密着した要素のある樹木でもあるのです!
材は堅く家具や建材として利用したり、樹皮の繊維は紙やロープに使用されたり、果実はそのまま食べれたりドライフルーツにして食し、さらには樹液からはガムが作られるそうです。
これだけでも十分活用していると思ったんですが、葉や芽すらも救荒植物として使われてるんです。
「あますとこなく」といった言葉がぴったりです。

医療用として用いられるのに、樹皮と葉の芽は止血赤い果実は皮膚や粘膜の炎症止めや痛み止めなどに。
乳液状の樹液は、痛みや打撲傷用の外用薬および歯の鎮痛剤として用いられました。
近年では糖尿病の治療薬となる可能性のあるロイコシアニドが発見されているなど、バニヤンの薬用としての可能性はまだまだ未知数というのです!

はじめは“癒されそう”という軽い気持ちで調べたバニヤンツリー。
樹木がここまで使用されていて、何と言っても医療に活用されているのに感動致しました。
樹の持っている力というのは計り知れないものなんだと改めて思いました。

きっとまだまだ私たちの知らないうちに助けてくれる力をもった樹をいうのはいっぱいなるのでしょう。
これからも一緒に勉強していけたら嬉しいです。

ではまた次回。

木を食べる

年越しも終わり1月も半ばを過ぎようとしていますが、
お正月に蓄積された体重は未だに正常値に戻りません。

食う・寝る・呑むの3動作だけで生活するような数日間でしたので、当然の結果ではあるのですが、なんとかせねばと思っていた時、ダイエットに「木」がいいというちょっと面白そうな話を聞きました。

<木を食べる?>

 

木の家具を売っていますが、食べるという発想は今まで考えたこともありませんでした。
しかし木材は建材はもちろん、紙などの原料としても使え世界的にみると薪などの燃料資源など、本当に様々な利用方法があり、「食用」としての用途があってもおかしくはなさそう。

それも葉や実ではなく、木繊維自体を食べるんだそうです。

木繊維の主な成分としてはセルロースリグニン
この2つは人体が消化酵素を持っていないため、消化ができない。
これまでにも木材を食べ物として利用するという研究はなされていたようですが、その場合「セルロースを分解してブドウ糖にする」ことが前提だったようです。(つまり、どのようにして栄養に変え体内に取り込むか)

しかし、今注目されているのは消化されないならその方がいい!という考え方。
消化されなければ栄養にならない、すなわちダイエットになるという訳です。

 

<セルロースとはなにか?>

 

木材の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンはいずれも高分子集合体で、なかでもセルロースは地球上に最も多く存在する炭水化物です。

樹木では重量の約半分がセルロースだと言われ、年間生産量は約1000億トン以上と推定されます。
生物起源であることから環境への影響も小さく再生可能であり、無限の資源いえるかもしれません。

近年特にこれを利用しようという声が高まっており、その中に「食べる」という選択肢も含まれています。
しかし前述したように人体では消化できないので栄養にならない。
本来の「食べる=栄養を摂る」という考え方からすると、ひとつの壁にぶつかったことになるのでしょうが、これを逆手に取った考えがダイエットに役立つという考え方です。

「食べる、しかし栄養にならない」って痩せたい人からするとすごく理想的な食べ物ですよね。
食べ物が豊富にある現代だから生まれた、とても柔らかい発想だと思います。

<木の食べ方>

 

ではどのようにして食べるのか。
そのまま木にかぶりつく訳ではありません。

スギやヒノキの木材を0.3mm程度の微細な木粉(スーパーウッドパウダー)にしたうえで、煮沸することで滅菌や灰汁抜きをする。
このパウダー状になった木材をパンやケーキなどに練り込んだり、ミンチ肉と混ぜてハンバーグやソーセージなどを実験的に作ったところ、約3割程度まで木粉を混ぜても味や舌触りに影響なく食べられたそうです。

またこの他に、スギやナラの削り屑から出汁をとるなど様々な食べ方があるようです。

 

そのうちスーパーやコンビニなどでも売られる身近な食材として、木が用いられるようになるかもしれません。

古くから私たちと密接に関わり合っている樹木ですが、このように科学の進歩とともに新しい可能性が見いだされるのは非常に興味深いですね。

それでは、また次回の木と学ぶをお楽しみに。

南国と言えばヤシの木

ここ数日は寒い日が続いていますね。
暖かかった時期が恋しくなります。
芸能人の方々がハワイでお正月を過ごしたくなる気持ちも分かります。

そしてハワイのような南国で木と言えば、ヤシの木。

こういった光景が簡単に目に浮かびます。
このヤシはココヤシという種類ですが、当然ながら種類によって同じヤシ科でも見た目や性質は変わってきます。

例えば日本でもよく見かけるのがシュロ。

photo by Fanghong

最初の写真のココヤシは、ハワイのような暖かな地方で無いと育つことはありませんが、こちらのシュロならば日本でも平気で育ちます。
場合によっては、北海道でも育っている場合があるとか。
日本に自生するヤシの中でもっとも耐寒性も強いですが、耐火性、耐潮性も持ち、様々な場所で育ち、なおかつ成長が遅く管理が楽ということで、装飾用の植物として育てるのに向いているようです。

なお、日本でよく見かける南国風植物にはソテツもあります。

photo by Hansueli Krapf CC 表示-継承 3.0

だいたい同じに見えますが、ヤシとソテツは別の種類の木。
被子植物なのか裸子植物なのかといった時点ですでに違っています。

ソテツもそこそこ寒さに強く、日本のあちこちで栽培されているようですが、本州中部あたりでも冬は寒すぎるようで、「菰掛け(こもかけ)」と呼ぶワラで全体を覆う作業を行う場合もあるようです。
それを行うとソテツ感、南国感は全く無くなってしまいますが、オブジェのようで面白いので、宜しければ検索してみてください。blogに貼り付けられる写真は見つかりませんでした。

ヤシの話に戻りますが、この木は捨てるところが無い実用価値の高い木でもあり、南国では貴重な資源としても活躍しています。

家具屋としてはヤシの木材を使用した家具が木になるところですが、そこまで多く流通している訳では無さそうです。木材については家具というよりも、建材や雑貨などで使われる事の方が多いようですね。

これがヤシの木の木目です。
色濃く、力強い木目ですが、しっかりと南国感も出ていますね。
BRUNCHで取り扱う木の中では、やはり南国生まれのモンキーポッドが多少近い雰囲気を持っているでしょうか。
https://www.brunchone.com/search/plank/

日本では馴染みの無い木材であるため、なぜ家具としてあまり家具用材として使われ無いのかも分かりませんでしたが、ヤシの木の家具ははっきりとヤシの木らしさが出ていて、南国の家庭にはしっくり来る雰囲気です。
ハワイに行く事があれば、ヤシ家具を一目見て見たいです。

ということで、今回は寒さを忘れるために南国の木・ヤシを調べてみました。
それでは、また次回の木と学ぶをお待ち下さい。

目黒の木『椎』

皆様明けましておめでとうございます。
目黒、千葉船橋、横浜港北で無垢材家具を中心に取り扱っております、インテリアショップBRUNCHです。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

BRUNCHスタッフの勉強ブログ「木と学ぶ」、今年最初のテーマは『椎の木』です。
椎は常日頃からお世話になっているこの目黒区のシンボルとなっている木。(私も最近初めて知りました!)
これは触れずにいるわけにはいかない!と思い立ち、あまり詳しく知らなかった椎の木について調べてみました。

まずは椎の木の特徴をご紹介します。
椎とは、ブナ科のシイとよばれる常緑高木の総称です。関東以西の比較的暖かい地方に自生しています。
葉は堅い楕円形で、表面はつやがあり、裏面に褐色毛があります。
初夏に開花し、その実はどんぐりになります。

今でこそあまり食べるイメージの無いどんぐりですが、実は縄文時代から人々にとって重要な食料として親しまれていました。
今でも一部の地域では炒った椎の実が縁日などで売られているそうです。
子供の頃、どんぐりを題材にした絵本がありました。そこに描かれていた「どんぐりまんじゅう」というお菓子の作り方を見て、近所からどんぐりを拾ってきて作ったことがあります。何がいけなかったのか全く美味しくはできず、悲しい思いをした記憶がありますが、いつの日かリベンジしたいものです。

椎の木材は建材・家具材などに利用されるほか、椎茸栽培用の「榾木(ほだ木)」(天然の木を用い木材腐朽菌のきのこを栽培する原木栽培に用いられる一定の長さに切断した切り株)としても使われています。
BRUNCHで取り扱っている家具の中には同じブナ科の木でビーチ材が使われているものがあります。
比較的通直な木目、肌目が密な点は共通した特徴と言えますね。

<ビーチ材>

<椎材>

大きいものは25mにも達する大木となるそうです。
大木は樹冠が丸く傘状になるのが特徴です。

目黒区の公園樹や庭木の中で最も多い樹木なので、お近くにお住まいの方は意識せずとも日ごろから目にしている機会の多い、馴染みの木といえるでしょう。
目黒の街づくりを見守ってきた椎の木。
目黒をお散歩される際には、ぜひ注目してみてくださいね。

海に浮かぶ大鳥居

日本三景のひとつとして知られる、瀬戸内海西部の広島湾に位置する「安芸の宮島」こと、厳島。

 

古くから島全体が自然信仰の対象として崇められ、現在では国内外を問わず年間400万の人々が訪れる景勝地です。

 

この島に鎮座するのが、国宝・重要文化財に指定され、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている厳島神社。

 

満潮時には「海に浮かんでいるように見える」朱塗りの社殿が美しいこの神社は、593年に豪族・佐伯鞍職(後の厳島神社 初代神主)が創建し、1168年に平清盛によって造設され、現在の大規模な社殿の原型がつくられたと言われています。

 

島そのものが「神が宿る御神体である」という由来に基づいて、海も山も活かすよう島全体を捉え配された社殿群が、素晴らしい景観を見せてくれます。

随所に散りばめられた平安時代末期の建築様式は現在も保たれており、当時の建築を知る上で貴重な遺産として、とても見どころの多い神社です。

 

そして、そのシンボルと言えば、木製の巨大な「海に浮かぶ大鳥居」。

 

現在の大鳥居は、平安時代から八代目にあたり1875年に再建されたもので、その大きさは、高さ約16メートル、長さ約24メートル、そして重さは約60トン!

遠くから見てもその大きさに圧倒されますが、引き潮の時間帯に間近で見るとまさに圧巻!です。

 

普段目にする一般的な鳥居と異なるこの形状は、主柱の前と後ろに袖柱を建て、その上下2か所を貫でつないだ「両部(りょうぶ)鳥居」や「四脚(よつあし)鳥居」と呼ばれるもの。

 

そして、主柱と袖柱あわせて6本の大木と、上部の笠木・島木の中に設置されている箱の中に詰められた大量の砂や小石、その重みだけで何百年もの間、海の中に「自立」しているのです。

鳥居の各柱は海に埋められていません。

海底の地盤に松の丸太の杭を打ち立てた「千本杭」と呼ばれる基礎の上に、柱が「置かれているだけ」という構造。

それでも、波や雨風はもちろん、地震や自然災害にも負けないのです。

文字通り「海に浮かぶ大鳥居」!

 

こうした先人達の知恵と技術力には唸らされるばかりですが、絶えず海水に晒されるなか朽ちることなく、今なお荘厳とした堂々たる姿で燦然と輝いていられるのは、素材として使われている「木」のおかげでもあります。

 

2本の主柱の周囲は、約10メートルにも及びます。
樹齢500年以上・根元の直径が10メートルを超えるクスノキの自然木が使われています。柱をよく見ると、それぞれの幹の自然のかたちが見て取れます。

 

【クスノキ】

クスノキは、日本では関東以西に分布するクスノキ科クスノキ属の常緑広葉の高木です。

樹高30メートルに達するものや樹齢1000年を超えるものなど巨樹となる個体も多く、古くから信仰の対象として神社などに植林されてきました。

成長が早く寿命も長いため各地に大木が残っており、その風格に満ちた佇まいと歴史から「御神木」として知られる木、天然記念物に指定されている木が多く存在します。

木の各部から独特の芳香を放つクスノキは、その昔「臭し(くすし)木」と呼ばれ、その名の語源となったとも言われています。

この香りの正体は、昔から防虫剤として有名な樟脳です。

葉と材から樟脳の原料となるオイルを抽出することができ、また、薬として利用できる成分も含まれています(語源は上記のほか「薬の木」とも言われています)。

木そのものにも防虫効果があり、耐朽力が強く保存性に大変優れているため、建材や仏壇、丸木船などにも利用されてきました。

 

このように、大木であること(比重が重いこと)、腐りにくく虫に強いことから、大鳥居の主柱にはクスノキが用いられたのです。

そして、主柱を支える4本の袖柱ににはスギの自然木を使用。2種類の木材を使い分けることによって、簡単には倒壊しない設計がなされています。

 

これほどの建造物を目の前にすると、自然の力だけであらゆるものを創造していた遥か古の時代に思いを馳せてしまいます。そして「木」が持つチカラを改めて感じることができました。

自然木から成る「海に浮かぶ大鳥居」、是非見に行ってみてください。

 

厳島には鹿もいっぱい!

白樺 -ホワイトバーチ-

今から100年前の
1917年12月6日にフィンランドはロシア民主連邦共和国から独立しました。国としての歴史は浅いのですが、フィンランド人にとって古くからともに生きてきた木があります。

そんな歴史的節目の時、

フィンランドの国樹 白樺(koivu)のお話です。

白樺と言えば日本でも長野や北海道の高原で見られる落葉広葉樹です。
薄く黄白く明るくなめらかで美しい木目です。


https://www.hoxan.co.jp/species/whitebirch/

寿命が短く70〜80年程で直径も70cm〜高さは20mほど生育します。
建材としての仕様は少なく、その表面の美しさからから家具、床材などに使用されてきました。


森林を守る為に1本の伐採に対して植林が義務づけられています。
大切な森を守りながら大切な国の財源として木を育てていきます。

 

また、樹皮を使ってカゴ細工やインテリア雑貨も種類が豊富です。


http://lovi.jp/about/

白樺のこぶを利用した”ククサ”というマグカップは”もらった人は幸せ”になると言われている伝統的なマグカップです。
様々に形を変え古くからフィンランド人の生活に寄り添ってきた白樺の木。


http://lovi.jp/about/

 

フィンランドの風習サウナ。
燃料になる蒔きに使用されたり夏の柔らかい葉の束は、体を叩いてマッサージに使われます。


エッセンシャルオイルやマッサージオイルもあり体の引き締めや保温効果もあるようです。

また白樺の樹液には栄養が豊富で天然の栄養補給減として昔から飲まれてきました。ビタミンやミネラルも豊富ということがわかり改めて注目されるホワイトバーチウォーターです。
今では身近な”キシリトール”が取れるのも白樺です。

食べても装飾にも燃料にもなる
フィンランド人にとってライフスタイルには欠かすことのできない白樺の木。

 

人々の生活の中にはどこの国にも共に生きる木があります。

 

耐久性、木のせい?気のせい?

お客様とお話している上で、

「こちらとこちら、どちらの木の方が良いですか?」

というご質問を受けることがあります。

まず難しいのが、その場面で意味する「良さ」とはなにか、という点があります。

 

市場価格的に値段が高い、という意味で、「良い値段のする木材(高い木材)はどちらですか?」ということであれば、同じサイズで値段の高い方が「良い値段」の木なので分かりやすいですね。

 

また、見ため上の木目や色であれば、コーディネートの関係や何よりもお客様のお好みがございますので、自由にご自身で「好き」と思う木が良い木となります。

こちらの写真のように、同じ「モンキーポッド」という木でも、木目や形は異なります。

 

そして、多くご質問を受けるのが、「強さや耐久性」などのお話です。

木はご存知の通り、山などに生えています。その木を伐採し、乾燥させ、加工し家具を作り上げるわけですが、同じ山の同じ樹種、隣同士に生えている木ですら、全く同じモノというわけにはいきません。

 

なにより、同じ丸太からでも部位によって、また切り出す形によってその性質は異なります。

木工機械によって、文字通り、「適材適所」に製材加工していきます

 

人間に例えるならば、樹種の違いは人種の違いといえますし、同じ樹種の差の場合は、同じ日本人同士の違い=個性といえるかと思います。
そして、同じ日本人であっても、一人一人肌の色に違いがあるように、樹木も一本一本は同じ色になりません。

オリンピック競技などで、人種による平均的な身体能力の差があっても、個人差がそれをひっくり返すことは珍しいことではありません。
木材も、樹種によって学術的な平均の強さや重さはあるものの、個体差でそれらの順位が上下することはあります。

実際におきる破損のトラブルのお話をお伺いしていますと、木材の密度や比重などの科学的な数値の違いを要因とするお話よりも、木材の個体差や環境の差、そしてなにより、お使いの仕方が、家具の耐久性に大きく影響する印象がございます。
普通に家具として使う範囲では、耐久性において、樹種の差をそこまで気にする必要は無いように感じます。

 

 

ひとつひとつが違っていて、それぞれに個性がでてくる、
それも天然の素材だからこその醍醐味です。

均一、画一的なモノという訳にはいかないのは無垢材家具の特徴とも言えますが、BRUNCHの家具たちは、品質的にはほぼ同じになるように職人達の熟練の技術で適材適所、素材を活かし製作されています。

 

同じデザインでも違う樹種が選べる家具が多くありますので、ぜひ、そのひとつひとつをじっくりと見てお好きに選んでください。