ウェットクリーニングとは・・・⁉︎

2/23の投稿「洗濯表示が変わったことご存知でしたか?」で新しい洗濯表をご紹介する中で、ドライクリーニングならぬウェットクリーニングという表示がある事が分かりました。
業務クリーニングの1ジャンルとの事ですが、いったいそれはどんな洗濯の事なのか。
今回はまず、そちらを確認してみたいと思います。

ウェットクリーニングはJISの規定によりますと
「特殊な技術を用いた業者による繊維製品の水洗い処理。」となっており、家庭では水洗いが出来ないような繊維製品をクリーニング店で洗濯を行う事です。

ドライクリーニングは水では無く有機溶剤を使用して洗濯をするため、油性の汚れを落とすには適していますが、水溶性の汚れを落とすには向いていないそうです。
それでも家庭で水洗い出来ないような繊維製品に、汗や食べ物のシミなどの水溶性の汚れが付いてしまう恐れはあります。
そんな時にウェットクリーニングの出番。
クリーニング店で専用の洗剤を溶かした水で丁寧に洗い、最終的に専用のプレス機などを使用し乾かす事で、型崩れなどを防ぎます。
専用のプレス機というのは例えば人の形をしているデザインのものだったりで、なかなか家庭で揃えられるような機械ではありません。

家庭でもドライクリーニング向けの製品を、専用のおしゃれ着用洗剤などを使用して洗う事が出来ますが、確実に型崩れを起こさずに洗いたい場合にはクリーニング店にお願いした方が良いかもしれませんね。

エバーフレッシュ。

昼間は葉を広げ、夜になると葉を閉じるのが特徴の「エバーフレッシュ」。
別名「アカサヤネムノキ」といいます。

エバーフレッシュはマメ科に分類されます。
そのため、夜のなると葉を閉じて眠るという性質があります。
この性質は、就眠運動と呼ばれており、日の光に関係なく大体24時間周期で起きているようです。
マメ科の植物は、眠らないと枯れてしまうということも分かっており、この就眠運動は大切な役割になっています。

<日当たり・置き場所>
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することもできますが、夏の直射日光に弱いため、
50%~70%遮光してください。
気温が高いと葉が焼けやすくなるため、40℃を超える場合は注意が必要です。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。
しかし日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
ただし、エアコンのなどの風が直接当たると葉が痛んでしまうので、風が直接当たらない場所に置くようにしてください。

<温度>
低温に強い植物ではないので、10℃以下にならないように気をつけてください。
ベランダ等で育てる場合は、外の気温が20℃ぐらいから室内に入れることをお勧めします。

<水やり>
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷり水を与えます。

【気温が15℃以下のとき】
エバーフレッシュは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。
水もあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らし、
土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをしてください。
エバーフレッシュを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性をあげることができます。

軽やかな葉が魅力のエバーフレッシュの育て方をご紹介しました。
お部屋の中にぜひ、植物を取り入れみてください。
きっと心地良い空間になるはずです。

それではまた次回。

紫陽花は花じゃなくて木?

少し気が早いですが、
もう少しすると見頃を迎える紫陽花。

鮮やかな色合いと季節柄、
とても印象深い紫陽花ですが、
意外に知らないことがたくさんあります。

紫陽花と言えば綺麗な花を咲かせるので
てっきり花だとばかり思っていましたが、
実は「木本(※)」に分類されている
落葉低木の一種だそうです。

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※木本とは・・・
木部が発達した多年生の地上茎をもつ植物で、
高木と低木とに分かれる。
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つまり、紫陽花は花ではなく、ということです。

さらには、花と思っていた部分は
実は花ではないとのこと。

赤マルで囲ったちいさな部分が「」で、
その周りの花だとばかり思っていた部分は
がく」と呼ばれる、
花を守るために葉っぱが変化した部分です。

こちらはガクアジサイという名前の紫陽花です。
白が「花」、紫が「がく」です。
この形を見ると、たしかに言われてみればと思いますね。

今では品種改良されて
さまざまな色の紫陽花がありますが、
実は紫陽花自体は色素が1つ(アントシアニン)しかなく
土壌の酸性度」「アルミニウムイオンの量」「遺伝的な要素
これらの影響を受け色が変わるそうです。

ちなみに日本は火山や雨の影響で弱酸性の土壌が多いので、
青系紫系が主流。
たいしてアルカリ性の土壌が多いと、赤系が主流となります。
ヨーロッパなどではが多いそうです。

良く知っているつもりの紫陽花でしたが、
実はいろいろと知らないことがたくさんありました。

今年は紫陽花を見るのが、もっと楽しくなりそうです。
それではまた次回。

毒の木、毒の草

BRUNCHでは木の家具を扱い、生き生きとした植物もお店で育てていますので、植物は仲間といったイメージになりがちですが、世の中には人に牙を剥く木、草も多くあります。
意外と身近な場所にも危険な植物がありますので、まずそちらをご紹介致します。

■身近な木 イチョウ
イチョウの実が毒を持っているというのは、もしかすると常識に近いのかもしれません・・・。
私はイチョウの香りが苦手で、基本的には食べず、興味も持っていなかったので知りませんでした。


photo by Aomorikuma CC 表示-継承 3.0

まず、写真に写る果実部分がギンコール酸という成分を含んでいるため、触れるとかぶれるそうです。子供のころから銀杏を毛嫌いしていた私は知ることはありませんでしたが、これは常識かもしれませんね。

そして、果実の中にある種の中身についても、また毒が!
メチルピリドキシンという成分は多量に摂取すると、痙攣を引き起こすなどの中毒となるようです。
大人の場合は、例えば40個といったように普通は食べないような量でないと症状は出ないようですが、子供は7個食べただけでも中毒になったという例があるようです!

日本ならばどこにでもある普通の食材だと思いますが、意外とこんな危険性があったんですね。
ちなみにイチョウは木材としても評価されており、家具を作っている工房もあります。
まな板については、イチョウの木のものは高品質として有名ですよね。

■身近ではない木 マンチニール

日本では全く身近ではありませんが、アメリカ大陸産の危険な木として有名です。

photo by Mica CC 表示 3.0

写真に木の幹に赤い線がありますが、それは危険だから近づくなという意味です。
マンチ二ールはそれほど毒性が強い木なのです。


photo by Hans Hillewaert CC 表示-継承 3.0

果実の形状からビーチアップルと呼ばれることもあるそうですが、当然実は食べれません。
しかし、実を食べた瞬間はとても甘いのだとか。
食べてしばらくすると、激痛を伴い喉の奥が腫れ上がり、その後数時間に渡って、何も食べれない状態になります。
最悪の場合、腫れ上がった喉が気道を塞ぎ、息が出来なくなることもあるようです。

実が危ないだけでしたら、無闇に食べなければ良いだけですが、マンチニールの危険性はそれだけではありません。
樹皮や葉からにじむ樹液に触れるだけでも、火傷のように皮膚が腫れてしまいます。
微量でも十分な毒性ももつため、うっかりこの木の下で雨宿りをしてしまった観光客に毒となった雨水が降り注ぎ、皮膚が腫れてしまうということがたまにあるようです。

なお、こんなマンチニールも現地では木材として利用されているとか・・・!
扱い方を理解していれば、何事もどうにかなりますね。
逆に理解がないとイチョウ程度でも危険になり得ますので、やはり知識は大事だと再確認できました。
皆様もお気をつけください!

オオヤマザクラ

暖かくなってきたかなぁと思っていましたが、
まだ寒い日が続きますね。
風が強すぎてビックリしています。
早く穏やかな日が来ると良いな。

さて、今日は4月16日の誕生日の木、オオヤマザクラについて調べてみましょう!

バラ科サクラ属の植物。
北海道・北陸・中部地方などに自生している野生種の桜。

他の桜との違いが分かりにくいですが、
BRUNCHでも取り扱っている


※BRUNCHで唯一ヤマザクラで製作しているチェアです。

ヤマザクラに比べて、葉が大きい事から
「オオヤマザクラ」と名前が付けられたそうです。
その他にも、花色が淡紅色から「ベニヤマザクラ」
北海道に多く生育しているから「エゾヤマザクラ」とも。
名前が結構あるんですね。


一番良く聞き、見るのは「ソメイヨシノ」

比べると、色が淡く濃いですね。

こちらは「カスミザクラ」
カスミザクラと混在している事も多いそうで、
区別がつきにくいのも多いそうです。
花色が少し薄いですが、たくさんあるとわからなくなりそうですね。

だいたいの大きさは、7m~15mですが、
20mまで育つ木もあるそうです。
圧巻な大きさですね。

葉は大きめなので、桜が散った後の
青々と生い茂る姿もとても気持ち良く、綺麗ですね。
ピクニックしたくなります。

秋には綺麗に紅葉するそうです。
そう考えると桜は春が一番の楽しみだと思っており、
咲いたかと思うとあっという間に散って少し
残念に思っていましたが、長く楽しめる樹木ですね。

【オオヤマザクラの名所のご紹介】


・北海道荷高群新ひだか町 「二十間道路桜並木」
約3,000本の桜が直線約7kmに咲き渡っており、
一直線に続く桜並木は、全身で春を感じられそうですね。


・青森県弘前市 「世界一の桜並木」
総延長20kmにも渡る並木道。
日本にいるなら一度は行ってみたい!


・岩手県宮古市 亀ヶ森牧場内 「亀ヶ森牧場の一本桜」
桜並木も素敵ですが、支柱もなく大きく広がる姿も
素敵ですね。生きる活力をお裾わけして頂けそうです。

まだまだたくさんある桜の名所。
来年は足をのばしてお花見に行ってみてはいかがでしょうか。
では、また次回。

花粉のあれこれ

日に日に暖かくなってくるこの時期。
目黒川の桜も満開を迎え、まさに春本番ですね。


【目黒川】

お天気も良く絶好のお花見日和!と言いたいところですが、多くの人にとってそうとも言えない要因があります。
そう、花粉症です。
かくいう私も子供の頃から花粉症に苦しめられてきました。
気持ちの良い季節なだけに、余計に恨めしいですね。


【スギ花粉】

さて、そんな花粉症を引き起こす草木といえば、代表的なのがご存知スギです。
そして同時期飛散するヒノキの花粉も、スギ花粉と抗原の共通性があるため、スギ花粉症の原因となります。
地方により時期は異なりますが、関東ではこの二種類だけでも2月頭~4月末頃まで飛散しています。


【ヒノキ】

アレルギー反応を起こすケースが今の時期程ではない為あまり注目されていませんが、花粉は季節を問わず一年中飛んでいます。
現在までに約60種の花粉アレルギーが報告されており、そのうち花粉症は約50種
ほとんどは農家の方が受粉作業などを行う際の特殊なケースだそうですが、その種類の多さには驚きです。

一般的なケースですと、樹木の花粉ではシラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、クヌギなどがあげられます。
そして5~6月にはイネ科の花粉、7月は比較的少ないですが、8月下旬~9月にはキク科のブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラなど…アレルギーを起こす花粉だけでもこれほど種類があるのです。


【シラカンバ】


【ケヤキ】


【ブタクサ】

多くの花粉症患者にとって悩ましいこの季節。
ですが沖縄では、それほどスギ・ヒノキを原因とする花粉症に悩む人は多くないのだそうです。
その理由は大きく分けて二つ挙げられます。

まず第一の理由は、スギ・ヒノキの数が本州に比べ圧倒的に少ないこと。

東京都が森林面積の約40%がスギ・ヒノキなのに対し、沖縄県におけるスギ・ヒノキの占める森林面積は約0.03%しかありません。

なぜこれほどまでに差があるのか。その理由は、戦後の時期までさかのぼります。

日本では戦後間もない時期(1950年頃)から、治水や環境保全のため、そして戦後復興に必要な資源を育成するため、国を挙げて一斉に植林が始まりました。

その際、国の政策により植えられたのがスギを中心とした針葉樹だったのです。
スギが選ばれた理由は、当時植林用の苗木として確保しやすかったこと、スギは成長が早い上、真直ぐに伸び、材質が柔らかく、しかも軽いことから木材として適しており、生産性が高いと考えられたからです。

しかしその頃、沖縄県はアメリカに統治されていました。
日本政府がスギの植林を進めていた時代は、植林の対象外であったために、沖縄ではスギやヒノキがほとんど植えられなかったのです。

それに加え、細く高く伸びる特性を持つスギの木は、毎年多くの台風が通過する沖縄では大きく成長しづらいというのも、スギが広まらなかった要因の一つといえます。


【スギ】

そして第二の理由は、花粉を飛ばすための条件となる『休眠打破』が、沖縄の気候においては起きにくい事。

休眠とは、植物の成長が停止する期間のことを言い、種子や芽の休眠がよく知られています。
多くの植物種が、冬季や乾季などの生育に適さない気候を生き抜くための戦略として、休眠を用いています。
スギも例外ではなく、夏に雄花の花芽が出来たのち、秋に休眠します。
休眠状態から目覚める(打破する)条件として、ある程度の期間、冬の低温にさらされる必要があるのですが、沖縄は冬も本州に比べ気温が高いため、この条件を満たさないケースが多いのです。
休眠打破をしないと、開花できず、花粉も飛ぶことはありません。
ちなみに沖縄でソメイヨシノが開花しないのも、この休眠打破が起こらないためとされています。


【ソメイヨシノ】

以上のような理由から、沖縄ではスギ花粉症の症状が出にくい、と言われています。
もちろん季節が違えば別の花粉によって症状が出ることもあるそうですが、それでもこの季節をマスク無しで快適に過ごせるというのは羨ましい限り!
症状が重くて耐えられない!という方は、思い切って沖縄旅行を計画してみるのも良いのではないでしょうか。

それでは今週はこの辺で。
次回の木と学ぶもお楽しみに!

春の薬木

三月も後半にはいって日に日に春の陽気が嬉しい今日この頃です。
サクラの開花も東京は来週だとか。待ち遠しいですね。

春を花で感じられる日本の桜の季節は毎年うっとりさせられます。

しかしながら季節の変わり目、やはり身体が気温の変化に慣れず体調を崩しがちですよね。
本日は、日頃から強い身体を持つ為に服用されてきた昔からの”生薬”“漢方薬”など自然由来のお薬があります。

その中でも本日は春の木の”桃・梅・桜”からつくられる生薬のご紹介致します。

– 桃 –  桃仁(トウニン)

科・属名:バラ科・モモ属

この3月に花を咲かせる桃の木。古来から桃は邪気を祓う神聖なものととして扱われてきました。日本神話や桃太郎、西遊記などの古来からの物語にも語られる木です。

効能は、桃の種(桃仁)は血の巡りをよくし冷え性を治します。漢方では婦人系の病気、更年期障害月経不順の薬に投与されています。

開花する前のつぼみは緩下剤として、葉っぱは気管支炎に効くと言われています。桃の葉を煎じたエキスにはあせも湿疹かぶれなどに湿布すると効果をもたらします。

– 梅 –  鳥梅(ウバイ)

科・属名:バラ科・サクラ属

梅は、冬から春に咲く梅の花はいち早く春の訪れを知らせてくれるものです。中国から薬木として入ってきましたがその美しさから万葉集や百人一首などの詩として詠まれることも。

鳥梅(ウバイ)は熟す前の実を藁でいぶしたもので、効能は下痢嘔吐健胃整腸駆虫止血にも作用します。

大変身近な食材である梅干しは熱を下げ痛みを和らげる作用も有ります。また、梅干しをみると唾液がでて胃液の分泌を良くすることから健胃薬としての作用もあります。

– 桜 –  桜皮(オウヒ)

科・属名:バラ科・スモモ属

日本でよく見る”ソメイヨシノ”は江戸時代末期〜明治初めにかけてつくられた品種で明治以降全国的に広まりました。

桜皮は、漢方薬の「十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)」に配合されていて、皮膚疾患の赤みやかゆみ腫れをおさえ、文字通り毒を出す作用をしてくれます。
日本由来の生薬で咳止めなどにも効果が有ると言われいます。

桜餅に包む桜の葉は柔らかさのある”大島桜”が主に使用されていて、塩漬けにした時に出る香りを餅につけ風味をプラスしています。この香りに含まれる成分が多くの植物に含まれるクマリンという抗酸化物質のポリフェノール成分で医薬品としてむくみ改善などの効果をもたらします。

 

見ても美しく、古くから体を整える”生薬”としても利用されてきた春の三本の木々たちでした。

それではまた次回。

お碗?お椀。

「お茶碗(おちゃわん)」と書く時に

「碗(わん)」の文字を使います。

 

しかし、お米のご飯を食べる「わん」は、

木へんで、「お椀」と書くのが正しいそうです。
私自身恥ずかしながらあまり意識したことがありませんでした。

 

お茶を飲む際にはお茶碗を使います。

お茶碗は熱すぎない適温のお茶が楽しめるということで陶器や磁器などが適しているそうです。

一方、木製のお椀は、汁物などや、ごはんの最期の一粒までその温度を下げないという保温性に優れた特長もあり、日本の食卓で重宝されてきました。

 

ちなみに、我が家ではお茶碗でご飯を食べます。

お茶碗でご飯を食べる、や、ご飯茶碗、などと言いがちではありますが、それだと少しおかしなニュアンスになりそうです。

 

このお椀ですが、
日本古来からの伝統的なお椀と言えば、漆塗りのお椀です。

かつて海外では「ジャパン」と呼ばれ日本文化の象徴であった漆ですが、現在国内で消費される漆の98%が中国などの外国産なのだそうです。

伝統的な技法や民芸が消費量や後継者不足などで失われていくという話は枚挙にいとまが無いですが、やはり日本人としては寂しく感じますね。

 

漆は、ウルシ科ウルシノキから採れる樹液を加工した、ウルシオールという成分を主成分とする天然の樹脂塗料です。他方、接着剤としても使われています。木の器と木の塗料、ここにも豊かな木の恵みがあります。

 

さて、このわずか2%の純国産の漆、その7割を、岩手県二戸市の浄法寺一帯で生産されています。

漆の生産から漆器等の製作までを一貫して行うこの地域で生まれるものたちは、とてもなめらかで、くちあたりがよく、丈夫で長持ちするそうです。

少し値が張るのも事実ですが、ひとつくらい持っていたいものです。

 

同じものを長く使うより、新しいモノを安く買っては使い捨てる消費社会において、そういった想いが込められているものを使うことで、私達が忘れていた「日本文化のこころ」を想い起こさせてくれそうです。

無垢材と突板とプリント合板

先日、こんな素敵なキッチンボードが入荷しました。

BRUNCHは無垢材家具を主に取り扱っているインテリアショップですが、こういった収納家具においては、「部分的に」無垢材を使用しているものも多いです。

【無垢材の前板】

こちらはデザインの決め手にもなっている引き出しの前板の部分です。

前板すべてに無垢材を贅沢に使用しています。

無垢材とは、丸太から切り出した混じりけのない木材を製材した物です。

無垢材の存在感は唯一無二。

お部屋に無垢材家具があるだけで、高級感がぐっと増します。

表面のスリットや、手をかける部分。

このようなデザインは無垢材を削って作りだして作りますます。

特に引き出しや扉の手掛けは頻繁に手がふれるところです。

だからこそ、こだわりたい部分ですよね。

無垢材を使用している限り、湿度の影響を受け「反り」や「割れ」が起こる可能性があり、使用しているうちに傷などもつきますが、それも含めて無垢材の味わい深いところだと感じます。

製材されてからもずっと呼吸をしつづけている証拠です。

また、経年による色の変化も楽しむことができ、長く使用することが楽しくなりそうです。

【本体・天板に使用されている突板】

収納家具によく使用される材料に「突板」というものもあります。

昔から北欧の収納家具などにも使用されてきた歴史ある材料です。

突板とは、天然木を0.2~0.6mmほどの薄さにスライスしたもの。

大工さんがカンナをかけるときにできる薄いもの、というと分かりやすいかもしれませんね。

薄い素材を丈夫な地板に張り合わせて作りますので、突板の家具は無垢材家具のような「木の断面」を見ることはできません。

※↓無垢材家具の断面

しかし、無垢材と同様に経年による色の変化や質感を楽しむことができます。

さきほど少しふれた反り・割れ等も突板の場合おこりにくく、「形が変わって引き出しや扉が開きづらくなる」といったトラブルが少ないのがメリットです。

そういった理由から、収納家具には突板が使用されることが多いのです。

【目立ちにくい部分には・・・】

写真で炊飯機などが置かれているところの奥の部分。

こちらにはプリント化粧合板というものを使用しています。

無垢材や突板と比べると圧倒的に価格が安いので、全体のコストを抑えることができます。

当たり前なのですが質感は無垢材・突板よりも劣ります。

しかし最近は木の凸凹を感じられるような、リアルな質感のものも出来てきました。

 

このように「適した材料」を「適した場所」に使用している家具を見ると、

「上質なものを出来るだけ手ごろな価格で使ってもらいたい」

という職人の努力と工夫が垣間見れるような気がして、心がほっこり温かくなるわけです。

 

洗濯表示が変わったこと、ご存知でしたか?

先日、お客様の張地選びのご相談に乗っていましたところ、このマークって何を表しているのですか?とご質問頂きました。

それがこちらのマーク。

このblogをご覧の方は何のマークなのか。どういった意味なのかご存知ですか?

そもそもblogタイトルで答えを言ってしまっていますが、このPマークは洗濯表示のマークの一つです。

洗濯表示とは洋服などの布製品のラベルに記載されている洗濯方法を分かりやすく示したマーク。

こちらデザインのマークは間違いなく見覚えがあると思います。

Pというマークを初めて見た方は新しく追加されたと思われるかもしれませんが、実は2016年12月に上記のマークから新しいマークに移行しているのです。

これまでは日本の独自規格のマークを使っており、上記画像をご覧いただくと分かりますように、日本語が書かれているものでした。

新しい洗濯表示は国際規格(ISO3758)に合致するものに変わっており、どの国の方が見ても分かるデザインになっています。

正直、日本人からすると以前のデザインの方が直感的に分かりやすかった気がするのですが、変わってしまったからにはしょうがないので内容を覚えなくてはいけません。

という事で、いくつかのマークをご紹介致します。

・商業クリーニング用

 

最初にご紹介したPマークと似た「◯F」のマーク。

◯マークが商業クリーニングを行う際の、取り扱い方法を示しており、◯Pと共にドライクリーニングが可能である事を示すマークになっています。

FとPとで使用可能なドライクリーニングの溶剤が変わってきます。

Fは石油系溶剤のみ使用可能、Pは石油系溶剤に加えて、パークロロエチレンという溶剤を使用してドライクリーニングが出来るそうです。

こちらの◯Wのマークも円に囲まれているという事で、商業クリーニング時の処理方法を示しているのですが、その意味はウェットクリーニング!

クリーニング店で水洗いする方法が可能という事を示しています。

もちろんただの水洗いでは無く、特殊技術で行われるプロの水洗いらしいです。

今回調べてみるまで、私はウェットクリーニングの存在は知りませんでした。

ちなみに◯Pで言うパークロロエチレンのドライクリーニングと石油系のドライクリーニングの違いも分かりませんので、いつかのタイミングで調べてみたいと思います。

ここまでマークを3点ご紹介し、お感じになられたと思いますが、昔の表示と比べ、細かな要素まで示しています。

内容を覚えてしまいさせすれば、便利になりそうではありますね!

・ご自宅でのお洗濯用

こちらのマークはご自宅で洗濯を行う場合に関係する重要なマーク!

洗濯機で洗える事を示しています。

数字は液温のマックスを示し、桶の下のバーは洗濯の強さを示しています。

バーが増えるごとに、弱い洗い方をする必要があり、バー一本ならば弱く洗える、二本では非常時弱くならば洗えるといった事を表しています。

このマーク下部のバーは新しいマーク全体に通用する表示になっており、先にご紹介したドライクリーニングマークでもバーが付いている事はあります。

左のマークは手洗い専用のマーク。

液温は40度を限度として、手洗いが可能です。

ブランチで取り扱う張地でも、手洗いならば可能というものは結構多いです。

直感的に分かるデザインになっていますが、覚えておいて頂いて損は無いです!

対して右は家庭での洗濯禁止のマーク。

おそらく◯Pや◯Fマークが付いていますので、プロにお願いをしましょう。

・アイロン掛けについて

こちらは見ての通り、アイロン掛けについての表示。

・の数により、アイロン掛け可能な温度が変わってきます。
「・・・」は200度まで、「・・」は150度まで、「・」は110度までの温度でアイロン掛けが可能です。

アイロンマークに×がついていれば、アイロンは禁止です。

いかがでしたでしょうか。

新しく変わったばかりではありますので、新表示には慣れていませんが、理解する事が出来れば、以前よりも細く表示されているため、安心して取り扱う事が出来ると思います。

ブランチの張地見本の中でも新しいものについては新表示に切り替わっていますので、新表示を先にご確認頂ければ、張地の仕様についてもすぐに理解出来、スムーズにお選び頂けると思います!

今回は一部のマークしかご紹介していませんが、消費者庁のホームページでおそらく全てのマークのデザインと意味をご確認頂けると思います。

気になる方はぜひチェックしてみてください。

・消費者庁ホームページ 新しい洗濯表示
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/pdf/laundry_symbols_161006_0001.pdf