毒の木、毒の草

BRUNCHでは木の家具を扱い、生き生きとした植物もお店で育てていますので、植物は仲間といったイメージになりがちですが、世の中には人に牙を剥く木、草も多くあります。
意外と身近な場所にも危険な植物がありますので、まずそちらをご紹介致します。

■身近な木 イチョウ
イチョウの実が毒を持っているというのは、もしかすると常識に近いのかもしれません・・・。
私はイチョウの香りが苦手で、基本的には食べず、興味も持っていなかったので知りませんでした。


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まず、写真に写る果実部分がギンコール酸という成分を含んでいるため、触れるとかぶれるそうです。子供のころから銀杏を毛嫌いしていた私は知ることはありませんでしたが、これは常識かもしれませんね。

そして、果実の中にある種の中身についても、また毒が!
メチルピリドキシンという成分は多量に摂取すると、痙攣を引き起こすなどの中毒となるようです。
大人の場合は、例えば40個といったように普通は食べないような量でないと症状は出ないようですが、子供は7個食べただけでも中毒になったという例があるようです!

日本ならばどこにでもある普通の食材だと思いますが、意外とこんな危険性があったんですね。
ちなみにイチョウは木材としても評価されており、家具を作っている工房もあります。
まな板については、イチョウの木のものは高品質として有名ですよね。

■身近ではない木 マンチニール

日本では全く身近ではありませんが、アメリカ大陸産の危険な木として有名です。

photo by Mica CC 表示 3.0

写真に木の幹に赤い線がありますが、それは危険だから近づくなという意味です。
マンチ二ールはそれほど毒性が強い木なのです。


photo by Hans Hillewaert CC 表示-継承 3.0

果実の形状からビーチアップルと呼ばれることもあるそうですが、当然実は食べれません。
しかし、実を食べた瞬間はとても甘いのだとか。
食べてしばらくすると、激痛を伴い喉の奥が腫れ上がり、その後数時間に渡って、何も食べれない状態になります。
最悪の場合、腫れ上がった喉が気道を塞ぎ、息が出来なくなることもあるようです。

実が危ないだけでしたら、無闇に食べなければ良いだけですが、マンチニールの危険性はそれだけではありません。
樹皮や葉からにじむ樹液に触れるだけでも、火傷のように皮膚が腫れてしまいます。
微量でも十分な毒性ももつため、うっかりこの木の下で雨宿りをしてしまった観光客に毒となった雨水が降り注ぎ、皮膚が腫れてしまうということがたまにあるようです。

なお、こんなマンチニールも現地では木材として利用されているとか・・・!
扱い方を理解していれば、何事もどうにかなりますね。
逆に理解がないとイチョウ程度でも危険になり得ますので、やはり知識は大事だと再確認できました。
皆様もお気をつけください!