春と言えば・・・ 世界の花粉症事情

2月も終わり、少しずつ暖かい日が増え、春の気配も感じられるようになってきました。
雨模様のお天気が続いていますが、春本番に向けて開花の準備をしている木々や花にとっては恵みの雨となりそうですね。
先日少し遠出をした際には、綺麗な梅の花が咲いていました。

写真を撮って気付いたのですが、梅の花の背後に、花粉をたっぷり蓄えているだろうスギの木がありました。
私も花粉症なので、近いうちにくる花粉症の季節がとても怖いです。

日本では主に春、次いで秋に花粉症の症状が出る人が多いですね。
花粉症の原因となる植物はスギだけでなくヒノキブタクサなどをはじめとして多岐にわたることはこれまでにもご紹介してきましたが、海外の花粉症事情はどうなのでしょうか。

当然ながら、海外でも花粉症は存在します。
そもそも花粉症の症状が初めて認識されたのはイギリスでした。
罹患率は全人口の20%ほどと高く、症状も日本の花粉症と似ているのですが、原因となる木が異なります。
オークの木プラタナスの木が、主要な原因植物なのだそうです。


【オーク】


【プラタナス】

他にもアメリカオーストラリアヨーロッパ南アフリカでも花粉症に悩む人が多いようです。
実際私も以前春先にイタリアへ旅行した際、花粉症の症状がひどく出てしまったことがありました。(何の花粉に反応したのかは定かではありませんが)
季節はやはり春が多いようですが、花粉症が全く無い国というのは存在しないかもしれませんね。

原因となる植物は国・地域によって異なります。
アメリカでは主なものでも20種類以上あり、州によって異なりますがハンノキ、オリーブ、カエデ、ヒマヤラスギ、アブラヤシ、ウォールナット、ブナなどが挙げられます。


【オリーブ】


【ブナ】

南半球のオーストラリアでは9月~1月くらいが花粉症のピークだそうで、アカシア、シーオーク、ニレ、デイジーなどが原因の植物とされています。
南アフリカでは、、昔から森林樹木、観賞用の木、木材生産に多用されていたサイプレス(イトスギ)が主な花粉症の原因植物となっており、30%もの人々が花粉症に悩まされているそうです。


【アカシア】


【サイプレス】

日本人にとっては単に「家具などの材料」という認識のオークやウォールナットも、国によっては花粉症の原因となってしまっているのには驚きでした。
が、よくよく考えればスギやヒノキも加工されて様々な形で私たちの生活の役に立っています。
花粉症の季節には悪者になってしまう木々も、需要があるからこそ、それだけたくさん植えられてきたわけです。


【オークの家具】


【ウォールナットの家具】

素敵な家や家具のある便利な暮らしを享受していくには、花粉症はある程度仕方のない事なのかもしれません。
が、やはり症状が重くなってくると、この辛い季節が早く過ぎ去ってくれるのを待ち望んでしまいますね!

 

セブンスターの木

皆さんこんにちは。
「セブンスターの木」 をご存じですか?

私は最近知ったのです。
とても有名な観光スポットにある木なのです。
北海道の「美瑛町」というところにございます。

種類は「カシワ」の木です。

なぜ「セブンスター」と名付けられたかと言うと、
セブンスターと言えばタバコ。

タバコのパッケージに掲載されていた事から
そう名付けられたそうです。
30年以上たっていますが、いまだに変わらずこの木がパッケージです。

柏餅はなぜ、柏の葉なのかを調べてみました。

柏は昔から神聖な木とされており、
新芽が出ないと古い葉が落ちなず、

「子供が生まれるまでは親が死なない」

事から、「子孫繁栄」など言われ、
縁起を担いで端午の節供の縁起の良い食べ物となったそうです。

食べる時には葉の香りを楽しみながら
味わいのが良いですね。

包む時、葉っぱの裏・表で中身の餡の違いがあるそうです。
甘い小豆餡と塩餡、もしくは味噌餡とで
見分けを付けるそうです。

そんな違いがあったなんて知らなかったです。

回りに遮るものがなく、堂々とこの木だけがたたずんでいます。
そんな姿をぜひとも見てみたいです。

夏はジャガイモの白い花がたくさん咲き誇っており、
冬はあたり一面雪に覆われているそうです。

想像するだけで素敵な景色ですね。

季節の木 -カキノキ-

皆様こんにちは。
東京・目黒、千葉、横浜の無垢材家具店BRUNCHです。

ついこの間まであんなに暑かったのに、すっかり朝夕は肌寒く、秋の雰囲気が強くなってきました。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。
そんな中でも今回は秋になるとスーパーに並ぶ『柿』について、調べてみました。

■柿(カキノキ)

柿とはカキノキ科一種の落葉樹で、東アジアの固有種です。
生産量は中国、韓国、日本と続き、中国は日本の約8倍の量を生産しています。
もちろん国土、人口の違いは大いにありますが、日本の果実の印象が強いため私は意外に感じました。

また品種がかなり多く、1000を超えるとも言われていますが、大きく分けると『渋柿』と『甘柿』に分けられます。

渋柿

渋柿は実が熟しても果肉が硬いうちは渋が残る柿の事で、遺伝子的には渋いほうが優勢なのだそうで、古い品種はほぼすべてが渋柿です。
水溶性のタンニンを含有しているため、生のままでは渋くてとうてい食べられません。
湯やアルコールで渋を抜く方法があり、これを『醂す(さわす)』というそうで、このほかにも様々な渋抜きの方法があるようですが、一番有名で身近なのは『干し柿』でしょう。

小さい頃はお年寄りの食べモノと決めつけあまり好んで食べませんでしたが、今になってみるとあの何とも言えない甘みがほっとします。

干し柿とは単に柿を乾燥させて日持ちを良くするものだと思っていましたが、甘さを引き出すという科学的な根拠があったんですね。

 

甘柿

甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、未熟時は渋いですが熟すにつれて自然と渋みが抜け、甘くなっていく品種です。

日本では1214年(鎌倉時代)に現神奈川県川崎市の王禅寺で発見されたものが日本で最初の甘柿とされています。

また中国では羅田甜柿という甘柿があり、日本の甘柿の形質発現が劣性遺伝であるのに対し、羅田甜柿は優性遺伝で、タンニンの制御方法も全く異なっているとわかっているそうです。

完全甘柿と不完全甘柿

甘柿の中でも熟せば自然と甘みを持つ完全甘柿と、種の有無・多少によって渋みが残る不完全甘柿とがあります。
渋みが残ることがあるので不完全甘柿を渋柿の一種に含めることもあり、前述の王禅寺の柿もまた不完全甘柿です。

<桃栗三年柿八年>

これは果実を植えたら実がなるまでに相応の年月が必要なことから、何事も成就するまでそれ相応の年月がかかる、という事を例えたことわざです。

実際、柿の実がなるまでに8年かかるのでしょうか。

昔は7、8年かかっていたようです。
しかしこれは種から植えた場合で、上でも説明したように種から育てるとほとんどの場合は渋柿しか実りません。
そのため現在では接ぎ木での育成が主流で、接ぎ木であれば約4年前後で実をつけるそうです。

ちなみに、桃栗三年柿八年のあと、さらに言葉が続くのをご存知でしょうか。
例えば…

『柚子の大馬鹿十八年』
『林檎にこにこ十五年』
『梅は酸い酸い十三年』

などなど。

これからの季節、街角で柿の木を見かける機会も多いと思います。
そんな時はこの小気味のいいリズムで口ずさんでみてください。

それでは、また。

金木犀について

皆様こんにちは。
東京・目黒、千葉、横浜の無垢材家具店BRUNCHです。

BRUNCHがある関東地方は猛暑の夏を過ぎ、日ごとに秋が近づいている毎日です。そんな秋のはじめを感じさせる香り、毎年この時期に咲く金木犀(キンモクセイ)についてです。

金木犀はモクセイ科・モクセイ属の常緑樹です。大きくなると10m近くにまで育ちますが、基本は低木樹であり庭木や公園などによく植えられています。病害虫にも強く、三大香木に数えられるキンモクセイ。遠くまで届く甘い香りを気に入って植えられているようです。

また、キンモクセイの由来はその樹皮の模様。サイの脚ような模様のようであることからから木犀と名付けられたようです。低木ではそんな感じがしませんが、大きくなるにしたがってそのような風合いになるそうです。

キンモクセイは江戸時代に中国から伝わってきた外来種です。また雌雄異株で、日本にあるキンモクセイは雄株しかないため実がなりません。雌株は香りが弱いため選ばれなかったといろいろな説がありますが、不思議なことです。本場中国でも雌株は珍しいそうです。

そんなキンモクセイですが、キンモクセイの仲間ご存知でしょうか?代表的なモクセイ属をご紹介したいと思います。


ギンモクセイ(銀木犀)
キンモクセイの原種。キンモクセイはギンモクセイの変種だそうです。
木としてみたときは違いがほとんどなく、葉っぱの形状が違うなど遠目で見ると気づきにくいです。
花は白い花をつけ、キンモクセイより弱めの香りがします。


ウスギモクセイ(薄黄木犀)
ギンモクセイの変種でキンモクセイと似た黄色い花が咲きますが、キンモクセイと比べて色が薄く、そこからウスギモクセイと名付けられたそうです。こちらも遠目で見ると見分けがつかない木です。

また、春先には紫色の実がつきます。


ヒイラギモクセイ(柊木犀)
文字の通り葉っぱが柊のようにとげとげしています。ギンモクセイと柊の交雑種で、見た目は柊、花が咲くと銀木犀のような花と香りがします。こちらはほかのモクセイとは見分けがつきますが、柊と比べて葉が大きいのが特徴です。

キンモクセイは低木で横枝が多いためか木材として利用されておらず、公園や庭木などの観賞用として用いられています。
また花も9月下旬から一斉に咲き始めますが、1週間から1か月で終わるため短いのも特徴です。

道で咲いているキンモクセイ、一度気にかけてみてはいかがでしょうか。
今回はキンモクセイについてでした。

『イチョウ』について

 

こんにちは。BRUNCHです。

暑さもだんだんと和らいできましたね。今年の夏は猛暑、西日本を中心とした台風、そして北海道の地震といった自然災害の影響が多くあったように感じます。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

さて秋も深まってきたこの時期、一度は目にするであろうイチョウの木についてご紹介したいと思います。

BRUNCHがある目黒通りにはイチョウの木がたくさんあります。

何故街路樹にはイチョウの木多いのか皆さんはご存知ですか?私は何となくの理由でイチョウの木が植えられているのだとばっかり思っていましたが、実は歴史的な理由があったのです・・・!

街路樹にイチョウが使われるのが多いのは、はるか昔平安時代の頃のお話です。中国大陸に修行に行っていた僧たちは聖なる木として持ち帰ったのが始まりでした。聖なる木として持ち帰ったのは、秋になって美しく黄金にひかるイチョウに感動したのかなーなんて想像しながら歴史のロマンに浸っておりました。なんだか素敵ですよね*

そういえば日本でも古くから親しまれお寺などでもとても大きなイチョウの木がよく植えられていますよね。

それにも理由があるようです。イチョウの木は『火事の時は水が吹く』と言われるくらい火に強いそうです。防火樹としても神社などで植えられました。

私は学生時代に建築設計を専攻していたこともあり道路に関して少々知識があるのですが、目黒通りは緊急輸送道路なのでいざ何か起こったとしても目黒通り一帯に火に強いイチョウの木が並んでいるのでとても心強いですね!

さて少し脱線しますが皆さんイチョウの葉がそれぞれ形が違う理由ご存知でしょうか。

手の形をしている葉、ズボンのような形をしている葉、扇型の葉、ひとつひとつ葉の表情が違っていて見ていると楽しくなりますよね*

葉の形が違うその理由は、葉が生まれた時期と環境にありました。

特に驚いたのが手のひら型の葉は剪定(木の枝を切って長さを調節など行う作業)した枝に多いようです。

生きているので切った枝からまた新しい枝が生えてきますよね。そこに出来る葉は剪定された分更に栄養を求めて光合成を求め大きくなります。ただ扇型のままでは風の影響も大きく葉が飛ばされてしまう為風の負担を減らすべく手のひら型になるようです。

風の影響まで考えて成長するとはなんとも言えない賢さですよね。まるで仕事をバリバリこなすビジネスマンのようです。私もそんなその時の状況で物事を考え行動できるような人間にならないといけない事を改めて教えてもらった気持ちになりました。

これから目黒通りにたくさんあるイチョウたちの葉が落ちてきてお掃除が大変ではありますが、今回沢山のことを知ることが出来たのでオープン前のお掃除も葉の形を見ながら楽しめそうです。

皆さんもこれからの時期のイチョウとってもきれいなので葉の形も少し注目してみてくださいね*

 

間伐材のゆくえ

『間伐材』という言葉を聞いたことはありますか?
間伐とは、人工林や里山などの人の手が入った天然林の生長に伴い、混み合ってしまった立木の一部を伐採することです。
これを行うことで日当たりが改善し、樹木そのものだけでなく下草が生育しやすい環境ができ、土壌の流出防止にも繋がることから、土砂災害防止の為にも重要視されている、とても重要な保育作業です。

この作業で伐採された木材のことを『間伐材』と呼びます。
曲がって生長してしまった木や入皮が生じた木などを中心に伐採されますが、それら間伐材も、大切な資源として多くの場面で利用されています。

1970年代までは、主に建築現場などの足場材として多く用いられましたが、アルミニウム製の足場が登場してからはそちらが主流となり、需要が低下していきました。
その後、間伐材の利用方法について見直しが行われ、現在では、木の形のまま利用されたもの、別の形に加工したものなど、様々な間伐材を利用した商品が生み出されています。

 

【再生紙】

間伐材を紙パルプの原料の一部に使用して作られた再生紙は、既に私達の生活に根付いた存在となっています。
それを更に封筒、はがき、名刺、ファイルなどに加工し、取り入れている企業も多くあります。
特定調達品目の基準をクリアしている商品なら「グリーン購入法」で購入ができ、企業的にエコに協力することにもなるので、企業側が導入しやすい仕組みとなっています。

 

【割りばし】

割りばしが間伐材を利用していることはご存知の方も多いかもしれません。
輸入品の割りばしについては必ずしも間伐材で作られたもののみではありませんが、国内産の割りばしは、割り箸製造のために伐採されたものではなく、建築用材の端材や残材、間伐材から製造されたものです。
コンビニエンスストアやファミリーレストランでは、この間伐材を利用した割りばしを導入している企業が増えてきています。

 

【集成材】

小さな木材を接着剤で組み合わせて作る集成材も、間伐材から作られます。
フローリングなどに利用されるので、馴染みのある方も多いかもしれません。
建材以外にも、テーブルの天板など、家具や内装にも利用されることがあります。

 

【バイオマス燃料】

間伐材は、木を利用した燃料『木質バイオマス燃料』(木質ペレット)として、ボイラーの燃料となったり、発電燃料のとしての利用も進められています。

 


その他、紙コップや紙袋、木製のお皿など、幅広く利用され、私達の生活にも密接に関係している間伐材。
さらにその利用・用途開発を促進するために間伐材利用コンクールが開催されるなど、様々な取り組みが進められています。
間伐材利用の可能性は、これからもまだまだ広がっていきそうですね。
木を無駄にしない取り組み。
私も消費者の立場から、積極的に協力していきたいと思います。

それでは今週はこの辺で。
来週の『木と学ぶ』もお楽しみに!

 

木と音

こんにちは。
無垢材家具をメインに扱う「木の家具専門店」BRUNCHです。

 

突然ですが、最近ギターを買いました。

(びっくりするほど安い中古品ですが…!)

今日は木と音にまつわることを勉強したいと思います。

 

無垢材家具についての説明の中で、
「木は呼吸している」という話を
耳にしたことがある方は多いかと思います。

これは木の持つ調湿機能のことを指していますが、
木は水分だけでなく、音も吸収しています。

美術館などの静かな場所で、
自分の足音が思わぬ大きさで響いてしまい、
驚いたことはありませんか?

コンクリートや大理石などを使用した建物では、
壁や床が音をほとんど吸収せずに
そのままはね返してしまうため、
その反響音が不快に感じられることがあります。

しかし木には、
騒音となる音を小さくしてくれる=吸音性能が備わっています。

木造建築や木材を使用した室内の場合、
木が不快な雑音を吸収するため、音がまろやかに伝わります。

これは木材が多孔質の材料だから得られる特性です。
(吸音のメカニズムについてはここでは割愛します)

木の組織には、
根から吸い上げた水や養分の通り道(導管)をはじめ、
肉眼では見えない細く小さな穴がたくさん存在します。

(テーブルの木口をよーく見ると、小さな穴=導管が確認できます)

 

低音域から高音域までバランスよく音を吸収して、
ほどよい残響音を残す。

このミクロの孔がこのような効果をもたらします。

優れた音響効果が必要なコンサートホールや劇場、
また、様々な楽器の材料として木が使われている理由もここにあります。

そして、この効果はご家庭でも体感できます。

木造の住宅や木材をふんだんに使った内装はもちろんのこと、
木をメインにしたインテリアにすれば、
家族の話し声も、お部屋で聴く音楽も、心地よく耳に届くはず。

音に対するストレスを木が和らげてくれます。

木ならではの機能、魅力はまだまだあります。

次回もお楽しみに~

ウォールナットの故郷と映画の舞台

BRUNCHでは、ウォールナット材、ブラックチェリー材、ホワイトオーク材、レッドオーク材、タモ材、ビーチ材、などなど。
様々な木の種類で作られた家具を取り揃えています。

その中でも、
世界三大銘木のひとつで抜群の人気を誇る『ウォールナット材』は、
入社当時に配属になった店舗の取り扱い樹種でしたので、私にとって特に思い入れが深い材のひとつです。

以前よりウォールナット材を題材にここのブログでも紹介していますが、本日は、ウォールナットの出身地(生産地)についてお話ししたいと思います。

ウォールナット=アメリカンブラックウォールナットは、
その名の通りアメリカ合衆国から海を渡って日本へと運ばれてきます。

アメリカの中でも東部(ミズーリ州)(アイオワ州)(インディアナ州)(ウィスコンシン州)アメリカ東部〜中部の南北にのびる『アパラチアン山脈一帯』などに分布しています。
カナダのオンタリオ州といった五大湖地域周辺の材は寒い冬を超えるため強く目のつまりが良い上質な材になると言われています。

 

 

しかしながら、どの土地も残念ながら行った事がないので、
映画の舞台となったおすすめの作品をご紹介致します。

私の中で壮大なアメリカの大地のイメージは、ロードムービーの中に出てくるような山脈と大地が広がる景色たち。

まずはこちら〜

 

 

【アイオワ州】
『ギルバート・グレイプ』

1993年公開。
25年前若かりし頃のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが出演しているこの映画。
随分前に見たので内容は忘れてしまったのですが、、
壮大な大地とディカプリオの名演技が印象深い作品です。

 

 

 

【ウィスコンシン州】
『ラースと、その彼女』

2007年公開。
『きみに読む物語』や『ラ・ラ・ランド』に出演しているライアン・ゴズリングが主演『ラースと、その彼女』という映画があります。
降り積もる雪と静けさ寒さの中の暖かさ。
人の優しさをより強調している心に残る映画でした。

湖が出てくるシーンもあるのできっと五大湖周辺なのではないでしょうか。

 

 

 

【ミズーリ州】
『ペーパー・ムーン』

1973年制作、ピーター・ボグダノヴィッチ監督。
第46回アカデミー賞では子役のテータム・オニールが史上最年少で助演女優賞を受賞しました。

1935年のアメリカ中西部が舞台にした詐欺師の男と親を亡くした女の子との叔母が暮らすミズーリまでの旅路を描いた作品。

カメラワークが独特で広角レンズを使いピントを全て似合わせる手法が背景、人物、のバランスを上手く取った映像美に惹き付けられます。

 

 

いかがでしたでしょうか?
アメリカの大地からやってきたウォールナット。
是非映画とともに原産地に思いを馳せてみては。

 

 

 

ブドマリについて考える

「ブドマリ」、ミュージシャンではありません。

 

漢字では「歩留まり」と書き、家具製作の現場において、乱暴に言ってしまえば、「製材された木材から材料をとる際の無駄の多少」を表します。

歩留まりが良い、と言えば、無駄が少なく、悪いと言えば、端材が多くでます。

DIYなどで材料を探しにホームセンターに行ってみると、木材のサイズがある程度統一されていることに気づきます。樹種は様々でも、長さ30cm、60cm、120cm、240cmと、概ね同じようなサイズで材料が揃います。

日本の度量衡には古くから使われている尺貫法があります。メートル法に換算するとだいたい、一寸=3cm、一尺=30cmとなり、売っている材料はこの数字の倍数になることが多いようです。コンパネなどは、91cm x182cmというなんとも中途半端な数字のような気もしますが、通称サブロク板などと呼び、3尺 x 6尺の大きさであることがわかります。

これは丸太からの製材にも、また、それを使うプロの職人たちが使用する材料にも同じことが言えます。

建築の中に家具がある以上、同じ法則で測っていくことで効率がよくなる場合が多く、それに合わせて運送(トラックの荷台なども)や各設備、機材等が備わってくることを考えるとそのスケールから逸脱することが非効率な側面をもつことは否定できません。

家具においても、サイズの大小に関わらず特注サイズの値段が高くなる理由のひとつにこの歩留まりがあります。

家具のサイズをみてみると、例えば、キャビネットのような箱物の場合、天地の材料と両側の側板の数字を足してみると、上記の法則に則って無駄のない材料取りが可能であることも珍しくありません。(正確にはノコギリの刃の厚みの分などの余分が計算に入ります)

これは、職人たちがなるべく効率よく仕事ができるように工夫されたサイズであり、より早く、より綺麗に、結果的に、より安く製品を仕上げられる工程の積み重ねからはじき出されるサイズとなり、この辺りにも先人たちの知恵が垣間見れます。

では、サイズが一緒、もしくは小さくなる場合でも、仕様を変更するだけで金額が上がる場合はどういった理由からでしょうか。材料の金額としては下がるか、変わらないはずです。

ヒントとしては、治具(ジグ)という製作に必要な定規が関係してきます。

こちらのお話はまた改めて、家具製作の工程とともにお話させていただきます。

重い木と言えばリグナムバイタ

世界一重い木とはいったい・・・!?
諸説あるようですが、少なくとも商業利用されている木では、リグナムバイタという木が世界一重いという説が有力な様です。
こちらがリグナムバイタの木。

ハマビシ科
グアヤックやユソウボク(癒瘡木)とも呼ばれます。癒瘡木の名の由来はこの木の樹脂がかつては薬として使用されていた事から来ています。
非常に成長が遅く、サイズも大きくはなりません。
大きいもので、樹高が10m程、直径40cm前後にしかなりません。
年輪は非常に密で、触り心地も独特のものです。
産地は中南米で、特にメキシコやコロンビア、ベネズエラ。
木目は南洋材らしく、BRUNCHでも扱っているモンキーポッドに似ているところがありますね。色味は茶褐色から次第に濃緑色に変化して行きます。

木の重さの目安となるものに気乾比重があります。
これは乾燥させた木材と、それと同じ体積の水との重量の比率で、1.00を超えると水に沈むようになります。
普段BRUNCHで扱っている木で特に重いものはナラやメープル。
これらも、大きなテーブルを運ぶ際は、ナラか・・・!、となるような重さなのですが、気乾比重はそれぞれ0.68~0.75と0.70。
それに対してリグナムバイタは”脅威”の1.28~1.37!!
ナラの2倍の重さのテーブル、チェア、想像すると恐ろしいです。
幸い、希少な木な上、上述した通り大きくもならないので、運ぶ事はおそらく無く、実際は安心ですね。
かつては、この木の耐久性、そして油分を多く含んでいる事から生まれる潤滑性から、船のスクリューのベアリングや軸受けとして使われていました。

ちなみに、重さをかわれ、ボウリングの球にも使われていたようです。

このリグナムバイタが世界一重いというのが有力のようですが、世界のどこかにもっと重い木があるかもしれませんよね。アマゾンや中国の奥地にはありそうな気がしてなりません。
ぜひさらに重い木を発見したというニュースを聞いてみたいですね。