「杢(もく)」について

こんにちは。
無垢家具のBRUNCHです。

令和3年も、もう5月!
気候もすっかり暖かく、もう鯉のぼりの季節まできましたね。

さて、今回の木と学ぶは、「杢(もく)」についてです。

「杢(もく)」とは
簡単にいうと、無垢の木を切った時に表れる木目・紋様のこと。
特に環境の影響を受けながら自然の中で生まれた美しい紋様のことを、
木目でなく、「」と表現されることが多いです。

樹種によって、表れる杢(紋様)には差があり、
それぞれの樹木の粋なカッコよさが表現されるポイントです。
というのも、杢は樹木の育つ過程で少しずつ形成されるもの。

木が育つまで、気候やは毎年一緒ではなく、自然の環境も変わります。
そして、木はその変化に適応しながら成長するので、
その際に生じた木の繊維のねじれや、癖などが、杢になっていくのです。

例えば、比較的ぐねぐねと曲がったり、
ねじれたりしながら育っていく「トチ」の木は、
他の樹種に見られる木目とは違い、
ぐねぐねと曲がり、どこからどこまで繋がっているのか
分からないほど細かく入り組んでみえます。(縮み杢)


トチの杢

みられる杢の種類は、樹木でも異なりますが、
同じ樹種であっても育った環境では全く違う表情に育ちます。
同じ環境であっても、木1本1本の癖や、起こったトラブルなど、
その一つひとつの積み重ねで、大きく影響します。

同じものは二つとない希少で美しい杢目は、
その木の生きてきた証のように感じれます。なんて粋ですね!

なかには、見慣れない変わった表情から、
キズや、良くない品質と思われてしまうかもしれませんが、
その「杢」の表情は、何百年もかけてその長い年月を育ってきた
その木にしか出せないとても貴重な賜物です。
一度、じっくりと観察してみてはいかがでしょうか。

東京目黒にある一枚板店では、
綺麗な杢のあるトチの木の一枚板を展示しております。
ぜひ、美しい杢をみにお越しくださいませ。

木の家 ログハウス

みなさんご存知ログハウス。
その名前を聞いてどんな家なのかはすぐにイメージ出来ると思います。
丸太を使用した外壁で、室内も全てウッディーに。
山小屋やコテージなんかが思い浮かぶ方も居ると思います。

photo by Amos Oliver Doyle via wikipedia

なんとなく知っているログハウスですが、日本の一般的な木造住宅とはどのように違うのか。
そうなると、きっとご存知の方も少なくなってくると思います。

まずログハウスの「ログ」ですが、これは丸太のこと。
当然予想のつくことですが、「ログハウス」という呼び方自体は、カタカナ英語で、英語圏では一般的ではないらしいです。
インスタで確認するとログキャビン(log cabin)という呼び方が優勢のようですね。とはいえlog houseもその3分の1ほどタグ付けされていたので、伝わらない訳でも無さそうです。

そしてログハウスについては建築基準法上では「丸太組工法」とされており、構造上重要な箇所に丸太やそれに類する木材を水平に積み上げた壁により建築する工法ということです。
そのため日本の木造建築のように柱が立っていて、壁を構築して・・・というものとは全く違い、木材の壁そのものが家を支える構造となっているということになります。
ただ、日本にそういった工法が無かった訳ではなく、奈良正倉院の校倉造はログハウスと言えるものとなります。

年輪のお話

木は年輪を数えれば、樹齢が分かると言いますが、
どうして年輪が生まれるのかご存知ですか?

樹木は1年間で2種類の成長があります。

樹木の横断面に見られる色が薄い層を「早材(そうざい)」、色が濃い層を「晩材(ばんざい)」と言います。

早材とは…
・春期にかけて形成される
・成長が早く、細胞壁層は薄いが細胞は大きくなる為幅が広い。
・柔らかい
・春材とも言われる

晩材とは…
・秋期にかけて形成される
・成長が遅く、細胞壁層は厚いが細胞は小さい為幅が狭い。
・硬い
・秋材とも言われる

要するに、早材は細胞がスカスカの為色が薄くなり柔らかく、
晩材は細胞が詰まっている為色が濃くなり硬くなるということです!

季節によって木の成長に変化が起きて、早材と晩材がが交互に出来ることで、
それが年輪として現れるのです。

ただ、全ての樹木の年輪がはっきり見られるわけではないのです。

日本のように1年周期の気候変動のある温帯地域の樹木に限り、
変動の少ない熱帯では年輪が見られないことがほとんどです。
熱帯でも雨季や乾季があれば見られることもあります。

現在、BRUNCH一枚板店にて展示している一枚板の年輪の一部もご覧下さい。

こちらは、ケヤキの一枚板天板です。 

こちらは、クラロウォールナットの一枚板天板です。

※上記の板2枚は、弊社ホームページに掲載の無い板となっております。

こうやって見比べてみると面白いですね。
皆さんも年輪を見る機会がありましたら、観察してみると面白いかもしれません!

お正月に欠かせない祝い箸

明けましておめでとうございます。
本年もBRUNCHをよろしくお願いいたします。
新年は、1月7日(木)より通常営業いたします。

さて、お正月を彩るお節料理には、それぞれ意味が込められているのは皆さんご存知だと思いますが、それを頂くお箸にも意味があるのはご存知でしょうか?

おせち料理やお雑煮をいただくときに使うお箸のことを「祝い箸」と言います。長さは24cm。これは昔の単位で八寸で、末広がりで縁起が良いとされています。中央が太い俵型をしているのは、家庭円満で一年中食物に不自由しない、という願いが込められているそうです。また、両端が細くなっているのは、片方を神様が使い、もう片方を人が使い、神と人が一緒にに祝うという意味があるからです。その為、取り分けの際に、お箸をひっくり返して使うのは、神様側を使うことになるのでタブーなのです。お箸をひっくり返して、丁寧に取り分けたつもりなのに、何故かダメだと怒られた記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、この祝い箸に使われるのは「柳」です。神様と一緒に食事をする大事な箸が、お祝いの席で折れたりするのは縁起が悪い為、水分を多く含み、しなやかで折れにくい柳が用いられました。また、柳の木は立春の後、春一番に芽吹く為におめでたい木とされていることから、一年の初めにはもってこいの木材だったんですね。

祝い箸は、柳で作られることから「柳箸」とも、中央が太い俵型で五穀豊穣を願ったな事から「俵箸」とも、子孫繁栄を願って「太箸」とも呼ばれます。

外出がままならない2021年の幕開けですが、たくさんの願いが込められたお箸やお節料理をはじめ、日常に潜んでいる先人たちの知恵や願いに思いを馳せるのも楽しいのではないでしょうか。

オークの違い

皆様こんにちは。 東京・目黒、千葉、横浜の無垢材家具店BRUNCHです。12月に入り朝晩はだいぶ冷え込むことが多くなってきましたね。私も毎朝必死の思いでベッドから起き上がっています。さて本日はBRUNCHで取り扱っているナラ材(オーク材)についてお話ししていこうと思います。

お客様とお話ししているとこっちの木とあっちの木はどう違うんですか?とよく聞かれることがあります。その中でも一番多いのがナラ材、ホワイトオーク材、レッドオーク材です。ということで本日はこの3種類の木を見ていきましょう。

ナラ

ナラ)は、ブナ科 (Quercoideae) コナラ亜科 (Quercoideae) コナラ属 (Quercus) コナラ亜属 (subgenesis Quercus) のうち落葉性の広葉樹の総称。

原産地は日本や中国やロシアなどです。日本産のナラは現在かなり希少価値の高いものとなっています。

日本のナラ材は明治時代からヨーロッパで非常に人気が高く、日本国内で流通させるよりも輸出した方が高値で取引ができたため、大量に輸出していたそうです。また植林などの国の政策がなされなかったため、今ではめっきりと数を減らし希少な存在となっています。

ナラ材の木目は、板目でとると力強く、柾目でとると優しい印象と二面性を持っています。また柾目には『虎斑』というトラの模様のような杢目が出るのが特徴で、海外ではシルバーグレインと呼ばれ親しまれています。


ナラ材で製作可能なダイニングテーブル
TA-0014 ダイニングテーブル

ホワイトオーク

ホワイトオーク (white oak) は、コナラ属(オーク)コナラ亜属コナラ節の落葉広葉樹の総称。

原産地は主に北米で、オーク材というと主にホワイトオーク材を指すことが多くナラ材と同じブナ科の植物なので、見た目もそっくりで見分けも付きにくくナラ材が希少なものとなった現在ではナラ材に代わり主流となっている木材です。ナラ材と比べると若干荒い木目が多いことが多いです。
ホワイトオーク材は、ウイスキー樽として有名ですが、これは導管の中にチロースという成分を含んでいるため、非透水性が高く耐久性に優れている特性によるものです。


ホワイトオーク材で製作可能なリビングダイニングテーブル
TA-0084 リビングダイニングテーブル

レッドオーク

レッドオーク (red oak) は、コナラ属(オーク)コナラ亜属 Lobatae 節の落葉広葉樹の総称。

原産地はホワイトオークと同じく北米産で木目もホワイトオークとよく似ていますが名前の通りホワイトオークよりも若干赤みがかった色味が特徴です。
ナラ材が少なくなってきたことでホワイトオークが多く使われるようになり、更にホワイトオークも徐々に数を減らしてきたことからレッドオークが家具によく使われるようになってきました。


レッドオーク材で製作可能なソファ(写真はブラックチェリー)
SO-0058-2.5P ソファ

今日はナラ材、オーク材について紹介しましたが、BRUNCHには他にもたくさんの樹種から製作可能です。木材によってそれぞれ特徴なども変わってくるので、是非気軽にご相談ください!

 

 

木の癒し効果

今回は木の癒し効果についてお話したいと思います。

森林浴には様々な癒し効果があり、森の色である緑にはリラックス効果があり、PCやスマホなどで疲れた目を癒してくれます。

耳を研ぎ澄ませることで、森には心臓の音に似た自然が生み出す独特なリズムが流れていて、高周波音が脳を活性化し、リラックスさせる効果があります。

木の香りの成分「フィトンチッド」も関係しています。

ちなみに「フィトンチッド」とは、ロシア語で「phyto=植物」+「cide=殺す」をくっつけた造語です。植物の根や幹に含まれていて、森林では主に葉から放出されています。

森林の木々が木製品になっても効果は持続します。

木の香りは血圧が下がり、脈拍も落ち着き、身体的ストレスや精神的ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールの濃度も下がったという研究結果も出ていて、人体にも有益です。

また、がん細胞を攻撃して排除する免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる働きもあるといいます。

他にもこのような効果があります。

・脳内のα波の発生を促し、精神を安定させます。

・自律神経を安定させる。

・交感神経の興奮を抑え、不眠を解消・快適な睡眠をもたらせる。

・ストレスホルモンを減少させる。

・脳の活動や血圧を鎮め、怒りや緊張などを和らげる。

・呼吸を正常に整える。

地球上の植物や樹木の量は膨大で、それらのすべてから放出される「フィトンチッド」の量は今日約1億5,000万トンにもなり、 この量は世界中の工場排煙やクルマの排気ガスなどの6倍に相当する量だそうです。

 

「フィトンチッド」は、目には見えませんが森の自浄作用ならぬ、まさに地球規模の自浄作用をももたらしてくれています。

また、「フィトンチッド」は、時季によっても森林内でその濃度は異なります。

6月~8月にかけて、夏場の季節が最も多くなります。

1日の中でも、午後になるとどんどん地面近くまで降りてきます。

森の中で座ったり横になっていたりすると、より多くのフィトンチッドを体内に取り入れることができます。

 

次に木の香りの成分の精油の効果について。

住居に生息するダニは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの大きな原因の1つになっています。気管支喘息の50~90%の原因は、室内のダニが原因と言われています。

木の香り成分の精油には、ダニの繁殖を抑制する効果・殺ダニ効果があります。

また、防虫(木の精油は防虫剤として古くから使用)・防菌・防カビの効果なども認められています。

他にも、調査で住宅の床をカーペットからナラ材などの木のフローリングに改装し、改装後にダニが激減し、木材の持つ調湿効果や木材に含まれる成分が有効に働いたことで、隠れ場所になるような隙間が無くなり、激減したという調査結果も出ています。

木にはダニを寄せ付けない効果があり、私たちの暮らしにも大きく役立っているようです。

ヒノキ、サワラ、ヒバには木材を食害するシロアリを殺したり、追い払ったりする成分が含まれています。

木の精油成分の中には、クロカビやアオカビ類、木材腐抗菌などに対して抗菌性を持っているものがあり、特にヒバ、ヒノキの精油成分には強い抗菌性があることが認められています。

木の精油成分には、合成薬品や抗生物質ほど強力ではありませんが、穏やかに作用し、害が無いことがメリットです。

他にも、老人ホームの施設でも木材が多く使われている所では、インフルエンザの発生率や不眠などの発生率が低いという結果も出ています。

木はこれだけ多くの効果をもたらし、私たちの生活に深く関わっていることが改めて分かりますね。

 

 

 

 

 

 

 

木材用オイルについて

暑さから解放され、急に肌寒いくらいになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。何をしても大汗をかいていた夏を過ぎ、涼しくなってくると、お家の中で気になっていた、あの部分や、この部分のお手入れや修理に取り掛かるという方も多いのではないでしょうか。特に、家で過ごす時間が長い今年は、気になる部分も多いはず。

BRUNCHでは、日頃の家具のメンテナンスにご利用頂ける蜜蝋ワックスや、お子様にも安全にご利用頂ける自然素材の木材用オイルを取り揃えています。食品レベルの亜麻仁オイルを使用して作られるオイルは、さらっとした塗り心地で、化学物質特有の刺激臭がありません。木の特徴や木目を活かしながら保護します。素材の良さを際立たせるクリアオイルはもちろん、9色の着色オイルも取り揃えており、こだわりのDIYでも活躍する事間違いなしです。

木材に深く浸透し、美しい木目を引き出すオイルは、これからの季節、特に気になる乾燥からも守ってくれます。実際にシナ合板にウォルナットのオイルを塗ってみると、残念ながら美しい木目ではないのですが目がはっきりと見えるようになりました。画像では分かりにくいですが、乾くとすべすべで気持ち良い触り心地になります。今回はウェス(着なくなったTシャツの切れ端等)で2回塗りました。

 

左の画像の白っぽい方がオイルなしの状態です。

これは何になったかというと、プチDIYのピアスホルダーです。

 

この他にも、オイルが吸収されやすい木材用の下塗り材や、家具のメンテナンスキットなどを取り揃えています。DIYにも、年末へ向けての家具のお手入れ用にもご活用いただけます。

どれを、どんな用途で使ったら良いかなど、ご不明点はスタッフまでお気軽にお問い合わせ下さい。

 

集成材

こんにちは。
無垢材家具のBRUNCHです。

9月に入っても今年はことさら残暑が厳しく、
夏を思わせるような暑い日が続いております。

感染症予防のため、マスクも外せない日々ですが、
こまめに水分を取るなど、くれぐれもご自愛くださいませ。

気象庁による区分では9月は秋の始まり。
BRUNCHのある関東では爽やかな秋風はまだ感じられませんが、
早咲きの秋桜をちらほら見かけるようになりました。
そこにまさかの幸せを呼ぶ青い蜂 ブルー・ビー こと
「ルリモンハナバチ」!!!
幸せをみんなにはこんでくれますように。

 

さて、今回の木と学ぶは集成材についてです。

集成材とは断面寸法の小さい木材を
狂いや木の収縮が出ないように乾燥させた後
接着剤で貼り合わせたもの。

用途は大きく構造用集成材と造作用集成材の2つに分類され、
最近ではハイブリット集成材というものも。
そこで、詳しくご紹介!

構造用集成材とは
強度・耐久性のある集成材。
荷重などに対して壊れずに耐えられる力(耐力)のある板を集めたもので、
主に住宅などの建築物に用いられています。
(柱・壁・梁・土台・屋根板などなど…)
特に強度・耐火・耐力に優れた素材が必要な学校・体育館・公民館など
大型の木造施設には、構造用集成材使われています。

造作用集成材とは
建物の内部造作に用いられる集成材。
ひき板を重ねた素地の美しいもので、
床・階段などの内装や、テーブル天板などの家具に使われる
非耐力部分に使われる集成材。
構造用集成材と比べ、強度・耐久性はないが
小さい木材の集合体なので乾燥が行き届いていることもあり、
無垢材よりも強度面に優れ、色々なサイズに対応出来ます。

ハイブリット集成材とは
「木質ハイブリッド鋼材内蔵型集成材」
鋼材を集成材で覆った耐火集成材。
鋼材を組み込むことで、
木材だけでは成しえない効果を発揮しより強化された材。
建築基準法で耐火構造が必要になるので、
木造構造ではあまり高い階数を建てることはできませんでしたが、
木質ハイブリット構造が認定取得を受けたことで、
より高い階数を建てることが可能となりました。

集成材といっても、
用途に合わせた種類がご紹介した以外にもいくつかあり、
その単語は知らなくとも身近にあるもの。
特に木造建築が多い日本。
そんなにも長く愛されるのは
木の表情や、温かみがある素材があってこそ。
必要に合わせて木材をうまく組み合わせて使い、
技術は向上し続け、現代にも受け繋がれています。

最近では、無垢材よりも安価で手に入りやすいことから
DIYで集成材を使われることも多くなりました。
材の種類も多く、加工もしやすいので、
お考えの方は集成材を検討してみてはいかがでしょうか。
また、リニューアル後の横浜店でも
一部取り扱い予定となっておりますので
気になった方は、ぜひお越しくださいませ!

カビとの闘い

ついに梅雨が明けました!
今年は平年よりも遅い梅雨明けだったせいか、ずっと雨が降り続けていた印象です。
湿度もぐんぐんと上がり、気温はそうでもなくても暑苦しい日が続いていましたね。

そんな環境は人間には辛いですが、やっかいなあれにとっては最適なものとなってしまいます。
そう、この時期はカビの季節でもあります。

お客様からも家具の一部にカビが生えてしまったと、ご相談頂く事があります。
オイルないしウレタン仕上げが施された家具ならば、よっぽど放っておかなければ、カビは表面に止まり深く根を張る事態にはなりづらいのですが、例えば引き出しの内側に使用している桐材は無塗装で仕上げているため、多少カビが生えやすくなっています。

もちろん引き出しの中に桐が使われていて、それが無塗装である事には意味がありまして、桐は調湿作用を強く持つ木材であり、引き出しの中の湿度を一定に保つ働きをしています。
そのため、収納物にカビが生えないようにしてくれる機能を持つ訳で、収納物に生えてしまうかもしれなかったカビを引き受けてくれたとも言えますね。

という事で、無塗装の引き出しにカビが生えてしまった場合、どうするれば良いかという問題ですが、一番は表面を削りカビの層を無くしてしまう事です。
しかし桐の合板で作られている底板などを削ってしまうと、桐ではない材料が表面に出てしまう危険性もあるため、それ以外の方法を行う必要がある場合も。

その方法は、それこそベーシックなものですが、カビ取り剤を使用するというもの。
しかし、もちろん浴室などに使うような強力なものでは、木にダメージが入ってしまうため、木に使うことが可能と謳っているもの、もしくは非常に優しい成分で構成されているものである必要があります。

そしてそんな、木にも使えるというカビ取り剤のサンプルを頂いたので、試しに使ってみました。

まずは余っている引き出しに上手くカビを生えさせます。

中央付近の黒いシミのような箇所がカビです。

まずは表面の胞子が飛び散らないようにしつつ、ふき取ります。
濡らしたキッチンペーパーなどが良いですが、カビを退治する事を考えますとアルコール除菌ティッシュでも良いです。
ただ本来は、特にオイルないしウレタン塗装されている面については、アルコールを付着させない方が良いのでお気をつけください。

この画質ではそれだけでもそこそこ綺麗になっているように見えますが、中央には少し黒く残ってしまっています。

今回はこの優しい成分で出来たカビ取り剤を使用します。
塩素系漂白剤のような嫌な臭いがしないどころか、手についても大丈夫らしいです。
ただ、もちろんカビを漂白するなどの性能は、そういったものと比べると格段に落ちるようではあります。

念の為、底面全体に吹き付け、

まんべんなく延ばしました。

この状態で1時間ほどおき、

表面に浮き上がったカビをふき取り、または溝に入り込んだカビを優しく掻き出したりし、

最後に雑巾できれいにふき取ります。

これでカビは除去できたはず。

カビ取り剤を使用した木部も変質しておらず、これまでと同じ質感です。

なお、もしカビが取り切れていない場合は、繰り返し使用するとより効果を発揮するというレビューがありました。

そして、今回は木部に変化はありませんでしたが、同じ桐材でも木部の状態によっては変質してしまう事もあり得ると思いますので、目立つ箇所のカビを取ろうという場合は、まず目立たない箇所で試して頂けたらと思います。

木部に使えるカビ取り剤については、メーカーさんに確認を取って頂くのが安心かと思います。大事な家具に使用する場合は、ぜひご慎重に!

七夕の星祭り

こんにちは。
無垢材家具のBRUNCHです。

今年も、早くも半ばを過ぎてしまい、
じっとりと汗ばむ蒸し暑さに閉口する毎日です。

そんな日々のなか、
視覚から涼しさを感じられる色とりどりの七夕飾り。
今回はもう間近の七夕についてです☆彡

*七夕は、7月7日に行なう星祭り。

そのお話は、「おりひめ(織女)さま」と「ひこぼし(牽牛)さま」が
天の川の上で1年に1度だけ会える日といわれ、
日本の行事としては、
笹の葉に願い事を書いた短冊をつるし、毎年笹を彩ります。

♪ささの葉さらさら  のきばにゆれる
お星さまきらきら  きんぎんすなご

五しきのたんざく  わたしがかいた
お星さまきらきら  空からみてる
(童謡『たなばたさま』)

七夕といったらこの歌がすぐ浮かんでくるのではないでしょうか♬

…と、ここまでは知っていますが、子供のころの聞いたお話。
細かいことは案外覚えていない方も
多くいらっしゃるのではないでしょうか。

*少し詳しく調べてみました!

七夕は五節句のひとつで、縁起の良い「陽数」とされる
奇数が連なる7月7日の夕べに行われるため
「七夕(しちせき)の節句」といいます。
また、笹を用いて行事をすることから「笹の節句」と呼ばれることも。

【七夕伝説】と【乞巧奠(きっこうでん)】という中国のお話・風習と、
日本古来の【棚機つ女(たなばたつめ)】などが結びついて、
現在の日本で言われる七夕のかたちになったと考えられています。
(他にもいろいろな説がございます。)

【七夕伝説】
天の川の西岸に住む機織りの上手な織姫と、
東岸に住む働き者の牛使い彦星(牽牛)が、
年頃になり、天帝のすすめで結婚したところ、
仲睦まじくするばかりで全く仕事をせず怠けてしまいました。
仕事をしない織姫と彦星に怒った天帝が、
二人の間に天の川を隔てて離れ離れにしましたが、
今度は悲しみに明け暮れるばかりで働かなくなってしまいました。
そこで天帝は、
仕事に励むことを条件に七夕の夜に限って会うことを許し、
二人は天の川を渡り、年に一度、再会するようになったお話。

【乞巧奠(きっこうでん)】
七夕伝説の織姫と彦星(牽牛)の逢瀬を祝い、
織姫にあやかり機織りなどの技芸の上達を願い、巧みになるように
乞う祭り(奠)と言う意味の「乞巧奠」が中国で催されるようになりました。

【棚機つ女(たなばたつめ)】
神様を迎えるために水辺に設けた機屋に入り、
棚機(たなばた)と呼ばれる機織り機で
神様に捧げる神御衣(かみこ:神様の着る着物)を
織りあげる女性の話です。
(≪七夕=しちせき=“たなばた”≫
と読まれることの由縁とも言われているそうです)

そして、中国の織姫と日本の棚機つ女が結びつき、
現在の七夕に変化していったといわれているそうです。

*七夕飾りについて

七夕と言ったら、やっぱり笹の葉と色とりどりの
吹流しや千羽鶴、紙衣(かみこ)などの七夕飾り。
短冊にはお願い事を書いてつるしているのを毎年見かけます。

童謡の二番にも出てくる『五しきのたんざく』ですが、
実はその短冊の5色にも意味があることをご存知でしたか?

【五色:五常(五徳)】
青(緑):仁
…他人に対する親愛の情、優しさ思いやりの心で万人を愛すこと
赤:礼
…社会生活において守るべき行動のこと
上下関係がある(目上の)人や祖先・親などを敬う、尊敬すること。
黄:信
…人をあざむかないこと、友達に誠実なこと
白:義
…利欲にとらわれず、正しい行い(規則やルール)を守ること
黒(紫):智
…優れた知識・知恵を豊富に持つこと

受験生は学業成就を黒(紫)に書いて願えば良し、
家族の健康を願うなら赤に書いて願う、などなど。
願い事の内容によって色を決めれば、
より叶いやすくなるかもしれません!

織姫と彦星が年に一度再会できる日、
皆さんも星に願ってみてはいかがでしょうか★彡