ヤマザクラについて

皆様こんにちは!

目黒通り、千葉船橋、横浜港北で無垢材家具を中心に扱うインテリアショップBRUNCHです。

2月も終わりに近づいてきました。
先日春一番が吹いたというニュースがありましたね!
寒い寒いと思っていましたが、気付けば春はすぐそこまで来ているようです。

春と聞いてイメージするのはやはり「桜」でしょうか。

一言に「桜」と言っても、その種類は固有種、交配種合わせて600種類ほどが認められています。
そんな数多くある桜の中でも、日本で最もポピュラーな桜の一つが、上の写真の『ソメイヨシノ』でしょう。
ソメイヨシノは明治以降、日本全国に広まり、桜の中で最も多く植えられた品種となりました。
現代では「お花見」といえばソメイヨシノが一般的ですが、明治以前に「お花見」というとその対象は主に『ヤマザクラ』でした。

今回は、家具の材としても人気の高い『ヤマザクラ』について調べてみました。

ヤマザクラはバラ科サクラ属の落葉高木。日本の野生の桜の代表的な種です。

国内に生育しているヤマザクラは、主に本州・四国・九州でみられます。海外ですと朝鮮半島にも分布しているそうです。
ソメイヨシノのように花の満開時期を過ぎた頃に葉が出始めるのではなく、葉芽と花が同時に開く事が多いのが特徴です。
同じ場所に育つ個体でも一週間程度の開花時期のずれがあるため、ソメイヨシノのように短期間の開花時期に集中してお花見をしなければいけないということはなく、比較的長期間観察できます。

木の材質としては、反りや狂いなどが比較的少なく、粘りがあり強度的にも強いというのが特徴です。
その特性から、家具の材料としてもよく利用される他、楽器材料、漆器の木地、仏壇の材料としても使われており、樹皮も樺皮細工という工芸品などに利用されています。
ちなみに『樺皮細工』という名前ですが、実際には樺が使われることはないそうです。一説には、かつてヤマザクラを樺、あるいは樺桜と読んでいた時代があり、それが命名の由来となったのだとか。

ヤマザクラは、辺材は淡い黄褐色、心材は赤褐色で、その境界は比較的明瞭ではっきりしています。
加工性が高く、磨くと艶のある光沢が出て、その桃色の色調も大変美しく、人気が高い故に市場ではなかなか良材を入手する事が難しくなりつつある、貴重な材です。
『本桜』と呼ばれることもありますが、これは木質的によく似た、樺やミズメなども一般に『サクラ材』として流通しており、それらと区別するためにつけられた呼称だそうです。

ちなみに当店でも、ヤマザクラを使用した家具がございます。

<CH-0069>ダイニングチェア

こちらのダイニングチェアは、ヤマザクラでお作りすることができる数少ない家具の一つです。
ヤマザクラは近似種のブラックチェリーと比較的色調が似ているので相性が良く、ブラックチェリー材のダイニングテーブルとコーディネートしてお選び頂く事も多いです。
ブラックチェリーより淡い桃色の色調が、経年変化でより深い色へと変化していくので、その過程もお楽しみ頂ける一品です。

昔から鑑賞の対象としても、家具などの材料としても日本人が身近に接して来たヤマザクラ。
今年の春は、ソメイヨシノだけでなくヤマザクラにも注目してみたいですね!

それでは今週はこの辺で。

来週もお楽しみに!

花粉症とスギの木

みなさん、こんにちは。
目黒通り、千葉、横浜で無垢材家具を扱うインテリアショップBRUNCHです。

暦の上では立春が過ぎ、2月も後半に差しかかりました。

まだまだ寒い日が続いていますが、だいぶん日も長くなり少しずつ春の足音が聞こえるようになってきましたね。

春目前になると気になるのが…そう、花粉です。

 

出典 https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/sugi.html

 

早いところでは2月上旬から花粉シーズンへ突入しており、これから3月にかけてピークを迎えます。
今年の花粉飛散量は、一部の地域では少ないとも予想されていますが…どうなるのでしょうか。

花粉症患者さんの約7割は、スギ花粉が原因と言われています。

スギは国土の約12%を占めるほど生息しており、その量の多さからか年々発症する人が増えています。

花粉症の人にとってスギは「厄介な存在」と思われがちですが、ご存知の通り、主に建築用材として古くから日本人の生活を支えてきた大切な樹木です。

そもそも「スギ」とはどんな木なのか?

改めて調べてみたいと思います 。

 

出典 http://neeeed.com/kafunsyow/gennin/genninn-03.html

 

スギ(杉)は、スギ科スギ属の常緑針葉樹。
日本の固有種で、日本一樹高が高く、日本一長寿の木です。

前述の通り、国土の約1割を占める日本特産の代表的な樹種として、本州の北部から九州の屋久島まで自生し、人工植栽としては北海道南部にも分布しています。

また、多くの地域品種もあり、天竜杉、屋久杉、立山杉、吉野杉、北山杉、秋田杉、山武杉などが知られています。

なかでも屋久杉の代表格として有名な「縄文杉」は、幹周がなんと約16m、樹高はおよそ30mに及ぶ日本最大級のスギです。

 

出典 http://www2u.biglobe.ne.jp/~hakuzou/yakushima.htm

 

その樹齢は推定7200年とも言われているそう…!

様々な説があり、いまなお確かなことはわかっていませんが、もしもこれが本当なら「世界一長寿の木」になるとか。

そんな話を聞いたら本物を見に行きたくなりますね!
もはや花粉症なんてどうでもよくなってきます(笑)。

 

出典 http://www.yakushima-info.com/yakushima/yakusugi/jomonsugi/jomonsugi.html

 

さてさて、話を戻します。

スギは縄文・弥生時代には既に広く分布しており、加工のしやすさからか盛んに利用されていたようです。

また、室町時代には「植林」が始まったと言われています。
神社や仏閣を建立する際の構造材として、周辺に植林を行いながら用材の確保を図ってきたそう。

そして近代。
第2次世界大戦によって荒廃した森林や、高度成長期における戦後復興の為の木材伐採で何もなくなってしまった山には、育成が早くて楽なスギやヒノキなどの針葉樹が大量に植林されました。(それが現在の花粉症の原因とも言われています…)

 

出典 http://www.city.nichinan.lg.jp/main/government/treaty-list/taxation/special/tokusanhin/obisugi/1223/

 

スギは、静かで落ち着いた印象の木目、軽くて柔らかいため加工がしやすいといった針葉樹ならではの長所と、優れた調湿機能や香り、抗菌作用などを持ち合わせています。

それらを活かし、建築用材としてだけでなく、日本酒の樽や桶、箸、また土木や船舶、家具…などの身近な存在として、現在に至るまで日本人の暮らしに関わり続けてきました。

 

出典 http://woodsato.exblog.jp/12323515/

 

木目は写真の通り鮮明で通直です。

そして辺心材の境界ははっきりとしていて、辺材は白っぽい色味、心材は淡い紅色~赤褐色、時に黒褐色を帯びています。

この木目を見ただけで、なんとも懐かしいというか、とても日本らしいと感じるのは、古の時代から日本文化を支えてきてくれた所以でしょうか。

そんなスギ材を使用したダイニングテーブルが、最近BRUNCHにも入荷しました。

 

 

ところどころに節が入った耳付きのテーブルは自然の雄大さを感じさせます。
また心地よい芳香も放ち、一気にダイニングが癒しの空間に。

スギの木には日本人の心に響く魅力を備えています。

花粉症の方には辛い季節ですが…ぜひその魅力に触れてみてくださいね。

 

では、今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。

2月の季節の木、ウメの木

みなさん、こんにちは。
BRUNCHです。

つい最近、年が明けたなぁ~と思っていたら、もう2月なんですね。
年々時間が経つのが早いなぁと感じます。
最近気温が暖かくなったり寒くなったりで温度差が激しいですが、みなさん風邪やインフルエンザにはお気をつけ下さいね。

 

みなさま2月の季節の木は何かご存知でしょうか?
家具のお仕事につき始めて今まで以上に木と触れ合う機会が増えてきて、もう2月かぁ~、そんなこと思っているうちにすぐ4月がやってきてお花見の時期なんだなぁーと思っていた時に、2月の季節の木は何があるのかと疑問に思いました。

 

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今回はどうかお付き合いください。

 

2月の季節の木はウメの木なのです。


出典:http://keishintei.exblog.jp/17434488/

他にも2月の季節の木は、ハンノキ・カンノザクラ・コリヤナギ・オウバイetc…があります。今回はウメに絞っていきたいと思います。

ウメ
科・属名 バラ科・サクラ科
原産地  中国
開花木 1月~3月

中国原産の花木で、朝鮮半島を経由して日本に渡来しました。
奈良時代ではすでに園芸用に栽培され、梅を題材にした詩がたくさん詠まれています。

『梅が香に のっと日の出る 山路かな』 松尾芭蕉
早春の山道を歩いていると、梅の香りにさそわれるかのように、太陽がのっという感じで顔を出した。春の喜びを味わっている。

樹高は5~10mに生長し、早春になると香りのいい花を咲かせます。
同じサクラ科のモモに比べると花びらの大きさは少し小さいですが、花の美しさから江戸時代以前に花見といえば、梅を観賞していたとされていたそうです。

観賞用のウメにも3種類あるのです。

野梅系
中国から渡来した原種に近い梅を指し、枝が細く花や葉も小さいのが特徴。花色は淡いピンクのものが多く、いい香りがします。


出典:http://s.webry.info/sp/noba3-11.at.webry.info/201403/article_6.html

緋梅系
野梅系が変化して生まれた品種群で、枝は細く内部が紅色をしているのが特徴。花色は赤や緋色のものがほとんど。大盃、紅千鳥、緋梅などの品種があります。


出典:http://613613nin.blogspot.jp/2013/10/blog-post_15.html

豊後系
梅と杏をかけあわせて作られた品種群で、葉が大きく枝が太く育ちます。大輪で淡いピンク色をした花が多く、あまり香りはしません。葉は丸輪で大きく表面に毛があり、桃園や一の谷、武蔵野などの品種があります。


出典:http://www.city.kitsuki.lg.jp/soshiki/1/kitsuki-sika-siboku.html

 

実ウメ(薬、食用)も3種類ありました。

青軸
青軸は皆さんが想像する梅のことです。全国各地で生産が行われているポピュラーな品種で、2月になるとうっすら緑がかった白い花を咲かせ、6月になると25g前後の楕円形の実をつけます。花も見ごたえがあり、庭木としても人気の梅です。


出典:http://minibonsai.org/info/hana_ume_image.html


出典:http://www.hanahiroba.com/fs/hanahiroba/ume_aojiku

 

南高
和歌山県が主な生産地の白梅で、「南高梅」の名称でブランドが確立されています。実が大きいわりに種が小さいことから、食用にしやすく梅干しや梅酒に加工さてています。


出典:http://umemonja.noblog.net/


出典:http://okada-nouen.com/ume/

李梅(すももうめ)
重さ50~60gの大きなみをつける品種で、ジャムやジュースに加工されます。生産地の一つである静岡県浜松市では、幻の梅として知られ一般的にはなかなか出回りません。


出典:https://horti.jp/6203


出典:http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/fruit/043576.html

 

梅の果実は6月に収穫することができ、梅干しや梅酒やジャムなど様々な方法で加工し楽しむことができます。

 

元々は漢方薬として中国から輸入され、寄生虫の駆除や熱冷まし、咳止めなどに効果があるとされていたみたいです。また、細工品の洗浄液や染料としても役割も果たしてきたそうです。

しかし、成熟していない青い梅は青酸配糖体などの毒性を含んでいます。誤って食べてしまうと、痙攣や呼吸困難を引き起こし、最悪な場合は死亡するケースもあるみたいです。ただし、大量に食べなければ問題はなくアルコールや天日干しによってその毒性は低下するので、加工品は安全に食べることができるみたいです。

間違って、青いウメを食べないようにしたいですね。

食用や観賞用でこんなにもウメ種類があるなんて思いもしませんでした。桜の花見の前にウメの花を見に行こうかと思います。

 

それでは今回はこの辺りで。
次回をお楽しみに。

 

 

 

アカシアの木

皆さまこんにちは。
BRUNCHです。

2月にはいると家で育てていたアカシアの木を思い出します。
とても日当たりの良いベランダなので本来なら3月に咲くところ、うちでは2月に黄色い小さな花を満開に咲かせていました。

 


出典:http://www.hanahiroba.com/fs/hanahiroba/c/0000004767

開花時期は2週間ほどで終わってしますのであっという間なのですが、一年に一度の楽しみとして大切に育てていた良い思いでです。

アカシアの木の種類はマメ科アカシア属の常緑樹の総称で東南アジアからオーストラリアやアフリカなど亜熱帯から温帯気候に分布しています。
種類は600~1300と多く広大に分布しています。

 

もちろん日本にも生息していますが、関東より北の地方では育たないといわれていますので暖かい国の広葉樹になります。アフリカの大地にひょろっとした木は実はアカシアだったんです。

 

giraffe and a tree, masai mara, kenya

出典:http://www.mirai.ne.jp/~panther/acacia/

 

アカシアの歴史は非常に深く、聖書にも出てくるほどで古代エジプト時代の家具や小物などにも使用されていました。古くから実用性の高い樹種として愛されていたようです。

大英博物館 「ファラオの椅子」

http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-114.html
遠い国の話のようで日本ではあまりなじみの無いように思われますが、現在では食器やまな板などの商品もあり非常に身近な樹種になっています。


出典:http://store.shopping.yahoo.co.jp/air-r/4f-acacia-94495.html

心材は深いブラウンで白太が周りにあるのでとてもブラックウォールナットに似ています。似ているのは見た目だけではなく材質も硬く衝撃性があり粘りもあるので家具や床材などにも使用されています。

東南アジアの天然木アカシアはナラ材よりも寸法安定性(湿度や温度による変化)に強く耐久性にも優れていますので建築材としても注目されています。
アカシアは生長も早いので産業や商業用の資材としても期待される樹種のひとつです。

BRUNCHには取り扱いの無い樹種ですが、きっと皆様のみじかにあるアカシアの木。開花までは後1ヶ月。黄色い小さな花を見かけたら古代から愛されていた思いにふけるのも良いかも知れません。
それではまた次週。