ウォールナットの故郷と映画の舞台

BRUNCHでは、ウォールナット材、ブラックチェリー材、ホワイトオーク材、レッドオーク材、タモ材、ビーチ材、などなど。
様々な木の種類で作られた家具を取り揃えています。

その中でも、
世界三大銘木のひとつで抜群の人気を誇る『ウォールナット材』は、
入社当時に配属になった店舗の取り扱い樹種でしたので、私にとって特に思い入れが深い材のひとつです。

以前よりウォールナット材を題材にここのブログでも紹介していますが、本日は、ウォールナットの出身地(生産地)についてお話ししたいと思います。

ウォールナット=アメリカンブラックウォールナットは、
その名の通りアメリカ合衆国から海を渡って日本へと運ばれてきます。

アメリカの中でも東部(ミズーリ州)(アイオワ州)(インディアナ州)(ウィスコンシン州)アメリカ東部〜中部の南北にのびる『アパラチアン山脈一帯』などに分布しています。
カナダのオンタリオ州といった五大湖地域周辺の材は寒い冬を超えるため強く目のつまりが良い上質な材になると言われています。

 

 

しかしながら、どの土地も残念ながら行った事がないので、
映画の舞台となったおすすめの作品をご紹介致します。

私の中で壮大なアメリカの大地のイメージは、ロードムービーの中に出てくるような山脈と大地が広がる景色たち。

まずはこちら〜

 

 

【アイオワ州】
『ギルバート・グレイプ』

1993年公開。
25年前若かりし頃のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが出演しているこの映画。
随分前に見たので内容は忘れてしまったのですが、、
壮大な大地とディカプリオの名演技が印象深い作品です。

 

 

 

【ウィスコンシン州】
『ラースと、その彼女』

2007年公開。
『きみに読む物語』や『ラ・ラ・ランド』に出演しているライアン・ゴズリングが主演『ラースと、その彼女』という映画があります。
降り積もる雪と静けさ寒さの中の暖かさ。
人の優しさをより強調している心に残る映画でした。

湖が出てくるシーンもあるのできっと五大湖周辺なのではないでしょうか。

 

 

 

【ミズーリ州】
『ペーパー・ムーン』

1973年制作、ピーター・ボグダノヴィッチ監督。
第46回アカデミー賞では子役のテータム・オニールが史上最年少で助演女優賞を受賞しました。

1935年のアメリカ中西部が舞台にした詐欺師の男と親を亡くした女の子との叔母が暮らすミズーリまでの旅路を描いた作品。

カメラワークが独特で広角レンズを使いピントを全て似合わせる手法が背景、人物、のバランスを上手く取った映像美に惹き付けられます。

 

 

いかがでしたでしょうか?
アメリカの大地からやってきたウォールナット。
是非映画とともに原産地に思いを馳せてみては。

 

 

 

ブドマリについて考える

「ブドマリ」、ミュージシャンではありません。

 

漢字では「歩留まり」と書き、家具製作の現場において、乱暴に言ってしまえば、「製材された木材から材料をとる際の無駄の多少」を表します。

歩留まりが良い、と言えば、無駄が少なく、悪いと言えば、端材が多くでます。

DIYなどで材料を探しにホームセンターに行ってみると、木材のサイズがある程度統一されていることに気づきます。樹種は様々でも、長さ30cm、60cm、120cm、240cmと、概ね同じようなサイズで材料が揃います。

日本の度量衡には古くから使われている尺貫法があります。メートル法に換算するとだいたい、一寸=3cm、一尺=30cmとなり、売っている材料はこの数字の倍数になることが多いようです。コンパネなどは、91cm x182cmというなんとも中途半端な数字のような気もしますが、通称サブロク板などと呼び、3尺 x 6尺の大きさであることがわかります。

これは丸太からの製材にも、また、それを使うプロの職人たちが使用する材料にも同じことが言えます。

建築の中に家具がある以上、同じ法則で測っていくことで効率がよくなる場合が多く、それに合わせて運送(トラックの荷台なども)や各設備、機材等が備わってくることを考えるとそのスケールから逸脱することが非効率な側面をもつことは否定できません。

家具においても、サイズの大小に関わらず特注サイズの値段が高くなる理由のひとつにこの歩留まりがあります。

家具のサイズをみてみると、例えば、キャビネットのような箱物の場合、天地の材料と両側の側板の数字を足してみると、上記の法則に則って無駄のない材料取りが可能であることも珍しくありません。(正確にはノコギリの刃の厚みの分などの余分が計算に入ります)

これは、職人たちがなるべく効率よく仕事ができるように工夫されたサイズであり、より早く、より綺麗に、結果的に、より安く製品を仕上げられる工程の積み重ねからはじき出されるサイズとなり、この辺りにも先人たちの知恵が垣間見れます。

では、サイズが一緒、もしくは小さくなる場合でも、仕様を変更するだけで金額が上がる場合はどういった理由からでしょうか。材料の金額としては下がるか、変わらないはずです。

ヒントとしては、治具(ジグ)という製作に必要な定規が関係してきます。

こちらのお話はまた改めて、家具製作の工程とともにお話させていただきます。

重い木と言えばリグナムバイタ

世界一重い木とはいったい・・・!?
諸説あるようですが、少なくとも商業利用されている木では、リグナムバイタという木が世界一重いという説が有力な様です。
こちらがリグナムバイタの木。

ハマビシ科
グアヤックやユソウボク(癒瘡木)とも呼ばれます。癒瘡木の名の由来はこの木の樹脂がかつては薬として使用されていた事から来ています。
非常に成長が遅く、サイズも大きくはなりません。
大きいもので、樹高が10m程、直径40cm前後にしかなりません。
年輪は非常に密で、触り心地も独特のものです。
産地は中南米で、特にメキシコやコロンビア、ベネズエラ。
木目は南洋材らしく、BRUNCHでも扱っているモンキーポッドに似ているところがありますね。色味は茶褐色から次第に濃緑色に変化して行きます。

木の重さの目安となるものに気乾比重があります。
これは乾燥させた木材と、それと同じ体積の水との重量の比率で、1.00を超えると水に沈むようになります。
普段BRUNCHで扱っている木で特に重いものはナラやメープル。
これらも、大きなテーブルを運ぶ際は、ナラか・・・!、となるような重さなのですが、気乾比重はそれぞれ0.68~0.75と0.70。
それに対してリグナムバイタは”脅威”の1.28~1.37!!
ナラの2倍の重さのテーブル、チェア、想像すると恐ろしいです。
幸い、希少な木な上、上述した通り大きくもならないので、運ぶ事はおそらく無く、実際は安心ですね。
かつては、この木の耐久性、そして油分を多く含んでいる事から生まれる潤滑性から、船のスクリューのベアリングや軸受けとして使われていました。

ちなみに、重さをかわれ、ボウリングの球にも使われていたようです。

このリグナムバイタが世界一重いというのが有力のようですが、世界のどこかにもっと重い木があるかもしれませんよね。アマゾンや中国の奥地にはありそうな気がしてなりません。
ぜひさらに重い木を発見したというニュースを聞いてみたいですね。

庭木として人気の「シマトネリコ」

本日の木と学ぶは、
庭木として非常に人気の高い、シマトネリコをご紹介いたします。

・和名:シマトネリコ / 別名:タイワンシオジ
・モクセイ科トネリコ属
・(半)常緑高木
・日本では沖縄に自生しています。関東以南では越冬可能です。
・耐寒性:やや弱い(-3℃以上)
・耐陰性:あり
・5M~15Mほどにまで成長する

シマトネリコが庭木として人気の理由とは?

①葉が落ちにくく、管理しやすい。
②一つの根株から複数の幹が出ており、
さらに葉が小さいことで緑が綺麗に茂っているように見える。

③病害虫に強い。
④成長が早い。
➄価格が比較的リーズナブル。

シマトネリコを鉢植えで育てる時のポイント

①最低気温が-3℃を下回るようなら、室内で管理する。
②観葉植物用の培養土か、赤玉土ベースで保水性・保肥性の良い土をつくる。
③直射日光には弱いので、半日陰や日当たりの良い窓際で管理する。
④春~秋は土の表面が乾いたらたっぷり水をあげる。夏は水切れに注意する。
冬場は水のあげすぎに注意する。
➄鉢の植え替えは2年に1回ほど、春(4~5月下旬)に行うのがベスト。
⑥肥料は、暖効性の化成肥料を、3ヶ月に1度くらいの頻度で土の上に置く。



剪定時期

シマトネリコは剪定に強いので、1月~2月以外であれば比較的どのタイミングでも剪定が可能です。

剪定する枝の選び方

①樹高を高くしたくなけば、上に伸びる枝を切る。
②見た目をすっきりさせたい場合は、
枝が分岐しているところで、長い方を切る。

*病害虫に強いシマトネリコは、育てやすい種類です。
是非、玄関やベランダのインテリアグリーンに
取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

陰に隠れがちな、ニレの木

楡(ニレ)という木をご存知でしょうか?

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札幌の五輪通りなどの街路樹に植えられているので、
見かけたことはあると思いますが、
家具材としてもあまりポピュラーではないので
馴染みがないかもしれません。

ですが、とても綺麗な木目をしていますので、
これを機会に少しでも興味を持っていただければと思います。

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■名前
楡(ニレ)
ニレ科ニレ属の木の総称

■英名
elm(エルム)

■分布情報
ハルニレ、アキニレ、オヒョウの3種類が日本各地に分布。
特にハルニレは北方、アキニレは南方に多く分布しています。

ちなみに花の咲く時期によって
名前をハルニレ、アキニレとしているそうです。

■花言葉
感受性

■別名
赤ダモ
※東北・信州地方ではニレのことをタモと称することがあったそうで
赤っぽいタモ、という事から来ているともいわれます。

■神話
ニレにまつわる神話はたくさんあり、
そのうちのひとつ北欧の神話では、
男性を生じさせたセイヨウトネリコと、
女性を生じさせたニレから全人類は生じたと言われています。

■家具以外の用途
ニレの仲間でケヤキ(ニレ科ケヤキ属)の代用として
和太鼓の胴材として使用されることもあります。

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さて、肝心の家具材としてのニレですが、
家具ではハルニレが使用されています。

木材としては硬さは平均的で、
粘りのあるので、曲木に適しています。

光沢はそこまで強くなく、
はっきりとした木目が特徴的です。

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幹にコブがあると美しい杢目が表れ、
化粧価値があります。

BRUNCHでは、主に一枚板や耳付きテーブルで
取り扱いがございます。

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前述したケヤキに隠れがちのニレですが、
国産材で明るい色合いをお探しなら
どうぞニレも検討していただければと思います。