1/fゆらぎ

「1/fゆらぎ」ってご存知ですか?
「規則的」なものと「不規則」なものが調和した状態。
波の音。森の葉が揺れる音。小鳥のさえずり。ろうそくの炎。

「規則」と「不規則」が調和したとき、
私たちはとても心地よく“癒し”を感じる事が出来るそうです。

木目にも1/fゆらぎを感じ、安らぐことが出来るんです。

例えば自然な木肌や細かい凸凹を生かした、
日本家屋は非常に理想的な1/fゆらぎを持っているといえるそうです。

木目・凸凹を感じられるチーク古材は、
“癒しの家具”になるでしょうね。

そのゆらぎとは、ものの予測のできない空間的、
時間的変化や動きが、部分的に不規則が様子。
ゆらぎは、世の存在するすべてのもに表れるそうです。

1/fゆらぎが発生するメカニズムは、
はっきりと解明されてないそうですが、
自然界に非常に普遍的に見られる現象で、
ものの集団の動き方の根本法則のようなもの。
生体のリズムと同じ。という事は分かっているそうです。

とても奥深いものですが、
私たちが知らずのうちに1/fゆらぎに触れ、
癒されるのは事実ですよね。

木材の家具が暮らしの中心にあれば、
ふと疲れた時にそっと寄り添い、
私たちに1/fゆらぎを与え、癒してくれる。
そんな日々が過ごせたらとても素敵な事だと思いませんか?

では、また次回。

歴史的巨大木造建築 出雲大社

10月、日本中の神々は島根県の出雲大社にお集まりになり、人々のご縁をお決めになります。
全国各地の神様がお留守になるので10月の事を「神無月」と呼ぶんですね。

そんな八百万の神々がお集まりになる出雲大社は、日本最古の神社のひとつであり、当時では(今でも)考えられないほどの巨大木造建築物ということをご存知ですか?

今回は出雲大社の歴史と、木造建築物としての側面を調べてみました。

■正式名称:出雲大社(いずもおおやしろ)

こちらは御本殿ではなく拝殿です。
約1トンのしめ縄が飾られているこちらの拝殿でも、かなりの大きさがありますが、「天下無双の大廈(たいか)」と称えられる御本殿はさらに大きく国宝です。
一般の参拝客は手前の門までしか入れず、お正月のわずかな期間に門より先に入れるらしいですが、それより間近に寄ることはできません。
御本殿の高さは約24m、大屋根の総面積は180坪という破格のサイズであり、高さで例えると8階建てのビル、面積は25mプール2つ分に相当する。

創建は遥か神代の時代に遡り、正確なところは不明。
お祀りされている大国主大神様が皇室の御先祖にあたる天照大御神様に「国譲り」された頃、というちょっと想像できないくらいの遥か昔です。

 

※真横から撮られた御本殿

平成の大遷宮という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
2013年に行われた出雲大社の遷宮は大変話題となりました。
それもそのはず、この神様のお引越しは60~70年に一度しか行われない大変貴重なタイミングだったからです。

同じく話題になった伊勢神宮の式年遷宮は20年に一度ですのでまだ次回がありますが、出雲大社の遷宮を逃した私に次回はなさそうです。
また伊勢神宮は左右の敷地に交互に社殿を造宮(新しく社殿を建てる)するのに対し、出雲大社は修繕のみ。これには巨大な社殿ゆえの理由があるのです。

 

<巨大ゆえの苦悩>

出雲大社もかつては造宮による遷宮を行ってきました。
しかし、1744年の造宮を最後に修繕遷宮に切り代わり、この度の2013年を含めた4度の遷宮は修繕のみに留まっています。

それは何故か。
その理由は驚く事に「森林資源の枯渇」。

ご存じの通り、日本は古来から木材資源とともにある国ですし、豊富な森が日本各地に存在します。
しかし、出雲大社ほどの巨大建造物を定期的に建て替えるとなると、想像を絶する量と大きさの木材が必要となるのです。
出土した柱でいくと、直径1.35mの巨木を3本束ね、ひとつの柱として使用していたようで、このサイズは天然の樹で樹齢約300~400年、植林でも200年ものと考えられます。
これだけの材木が少なくとも柱1本作るのに3本必要で、梁やその他の部材の事も考えると現代ではもちろん、森林が豊富な過去であっても相当に苦労があったようです。

その証拠に平安時代末期(約1000年前)に出雲大社近くの稲佐の浜に、全長30m・直径2.1mの巨木など100本あまりが漂着し、それを出雲大社造営の用材としましたが、それでも「ヤバイ足りない!」という事態が発生した記録が残されているそうです。

加えて現在の御本殿のひとつ前の造宮の際、それから現在の御本殿の造宮の際も材木が足りなくなり、苦肉の策として霊山のご神木を使用させていただいた経緯もあるそう。
しかし、このような対応が長続きするはずもなく、現在の修繕遷宮の形に落ち着いたのです。

<未来への取り組み>

もちろん、将来の遷宮のために長期的な取り組みもなされています。

広島県三次市では檜の植林が行われ、1ヘクタールあたり300本を目安、総本数600本~900本の植林を予定しています。
しかしこれでも本殿屋根に必要な檜皮の1割にも満たない。
さらに初回採集は100年後を予定してるので、次回の遷宮には間に合わない計算となり、今後未来を見据えた施策が必要とされているのです。

このように出雲大社という歴史的建造物を守り続けるため、気の遠くなるような時間と労力が費やされています。
出雲大社を訪れる機会がありましたら、この何百年、何千年と続く長い物語を思い出してみると、また違った見え方ができるかもしれません。

調べていくうちに今回だけでは書ききれなかった事がたくさんありますので、そのうちまた続きを書きたいと思います。

それでは、また。

竹について

皆様こんにちは。
目黒、千葉船橋、横浜港北で無垢材家具を中心に取り扱っております、インテリアショップBRUNCHです。

朝晩が冷え込む季節になってきましたね。
先日、個人的にベトナムへ遊びに行ってきました。
ベトナムは一年を通してそれほど気温が下がらない熱帯地方なので、9月下旬でも日本の猛暑日に匹敵する暑さでした。

ベトナムで最も親しまれている木の一つ。それは「竹」です。
国樹に定められている程、竹はベトナムの生活に根付いています。
行商人の持つ天秤や生活用具、楽器、家具、小船まで竹で作られ、もちろん現在もそれらは使用されています。
少数民族の高床式の家にも、竹が使われることがあるそうです。竹を利用した家は風通しが良く、熱帯の気候に適していると言われています。
ちなみに日本の伝統家屋にも竹が用いられていることは多く、竹を土壁の芯に塗り込めて作ることで、寒暖差や湿気などを調整する等、日本の気候に適した働きをしてくれます。
また、ベトナムでも日本と同様、タケノコがよく食べられているそうです。なんだか親近感がわきますね!

竹は日本人にとっても親しみ深い木といえますが、他の木々とは見た目も性質も大分異なります。
そこで、今回は竹という木について調べてみました。

一言で「竹」といっても、厳密に言うとその種類は日本国内だけでも約600種類ともいわれており、世界ではさらにその倍の種類があります。

日本のものでは「マダケ(真竹・苦竹)」「モウソウチク(孟宗竹)」「ハチク(淡竹)」などの名前は一度くらい耳にしたことがあるのではないでしょうか。

【モウソウチク】

 

【マダケ】

 

【ハチク】

 

その種類の多さにも驚きですが、もう一点、驚くべきはその凄まじい成長スピードです。
「破竹の勢い」という言葉からもわかる通り、竹の成長は非常に早く、24時間にマダケで121cm、モウソウチクで119cm伸びたという記録があります。すごい早さですね!
ちなみに竹は上には伸びていきますが、樹木で幹に当たる部分「竹稈(ちくかん)」の大きさはそれほど変化しません。
この竹稈が太いものほど寿命が長いといわれています。

種類や用途によって異なりますが、竹材として利用する場合は成長しはじめてから3年以上経った竹を使います。
乾燥させた竹の稈は非常に強度が高い一方で、通常の木材にはない弾力性やしなやかさから細工が容易であることから、バネ性の必要な製品の素材として、古来から広く利用されてきました。

状況に応じ、そのまま、また、割って細い板状にして使用されたり、横からつぶしてロープのように使用されることもあります。
さらに細い棒状にしたものは「竹ひご」と呼ばれ、ざるやカゴなどの竹細工製品に用いられています。
その他にも火であぶって乾燥させたものや、炭化させたものまで、用途によって様々な使い方をされています。

【篳篥(ひちりき)】

 

このように多くの場面で人々の生活に根付く竹ですが、その開花した姿を見たことがあるという方はなかなかいないのではないでしょうか。
こちらが竹の花です。

ちょっと地味な印象ですが、この姿を見るのはとても貴重な機会。
というのも、竹の開花周期は一般にはおおよそ60年から120年周期と言われているんです!気が遠くなるような年数ですね。
日本のモウソウチクの例では、種をまいてから67年後に一斉に開花した例が2例記録されています。
その花の咲き方も独特で、一斉に開花した後、なんと竹林ごと枯死してしまうのだそうです。
その理由は、竹林の竹は全て地下茎でつながっており、竹林の竹全てが「同じ一つの竹」であるため。
多くの場合、春先に地下茎が衰えはじめ、開花後3ヶ月から半年くらいのうちに、地上茎が褐色になって立ち枯れます。
その病的な咲き方から、「開花病」「十年枯病」などと呼ばれたり、「竹の開花は不吉の前兆」という言い伝えが各地に残ったのだとか。
しかし、これは竹がその天寿を全うしたという事。
花が咲いた後竹林が枯れてしまっても、わずかに残った地下茎や茎の根元の潜伏芽から、小さな笹状のものが発達して再生することが多いのだそうです。
命は巡り、また新たな竹が生まれていく。自然の摂理ですが、なんだかドラマチックに感じます。

それでは今週はこの辺で。
次回もお楽しみに!