木の癒し効果

今回は木の癒し効果についてお話したいと思います。

森林浴には様々な癒し効果があり、森の色である緑にはリラックス効果があり、PCやスマホなどで疲れた目を癒してくれます。

耳を研ぎ澄ませることで、森には心臓の音に似た自然が生み出す独特なリズムが流れていて、高周波音が脳を活性化し、リラックスさせる効果があります。

木の香りの成分「フィトンチッド」も関係しています。

ちなみに「フィトンチッド」とは、ロシア語で「phyto=植物」+「cide=殺す」をくっつけた造語です。植物の根や幹に含まれていて、森林では主に葉から放出されています。

森林の木々が木製品になっても効果は持続します。

木の香りは血圧が下がり、脈拍も落ち着き、身体的ストレスや精神的ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールの濃度も下がったという研究結果も出ていて、人体にも有益です。

また、がん細胞を攻撃して排除する免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる働きもあるといいます。

他にもこのような効果があります。

・脳内のα波の発生を促し、精神を安定させます。

・自律神経を安定させる。

・交感神経の興奮を抑え、不眠を解消・快適な睡眠をもたらせる。

・ストレスホルモンを減少させる。

・脳の活動や血圧を鎮め、怒りや緊張などを和らげる。

・呼吸を正常に整える。

地球上の植物や樹木の量は膨大で、それらのすべてから放出される「フィトンチッド」の量は今日約1億5,000万トンにもなり、 この量は世界中の工場排煙やクルマの排気ガスなどの6倍に相当する量だそうです。

 

「フィトンチッド」は、目には見えませんが森の自浄作用ならぬ、まさに地球規模の自浄作用をももたらしてくれています。

また、「フィトンチッド」は、時季によっても森林内でその濃度は異なります。

6月~8月にかけて、夏場の季節が最も多くなります。

1日の中でも、午後になるとどんどん地面近くまで降りてきます。

森の中で座ったり横になっていたりすると、より多くのフィトンチッドを体内に取り入れることができます。

 

次に木の香りの成分の精油の効果について。

住居に生息するダニは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの大きな原因の1つになっています。気管支喘息の50~90%の原因は、室内のダニが原因と言われています。

木の香り成分の精油には、ダニの繁殖を抑制する効果・殺ダニ効果があります。

また、防虫(木の精油は防虫剤として古くから使用)・防菌・防カビの効果なども認められています。

他にも、調査で住宅の床をカーペットからナラ材などの木のフローリングに改装し、改装後にダニが激減し、木材の持つ調湿効果や木材に含まれる成分が有効に働いたことで、隠れ場所になるような隙間が無くなり、激減したという調査結果も出ています。

木にはダニを寄せ付けない効果があり、私たちの暮らしにも大きく役立っているようです。

ヒノキ、サワラ、ヒバには木材を食害するシロアリを殺したり、追い払ったりする成分が含まれています。

木の精油成分の中には、クロカビやアオカビ類、木材腐抗菌などに対して抗菌性を持っているものがあり、特にヒバ、ヒノキの精油成分には強い抗菌性があることが認められています。

木の精油成分には、合成薬品や抗生物質ほど強力ではありませんが、穏やかに作用し、害が無いことがメリットです。

他にも、老人ホームの施設でも木材が多く使われている所では、インフルエンザの発生率や不眠などの発生率が低いという結果も出ています。

木はこれだけ多くの効果をもたらし、私たちの生活に深く関わっていることが改めて分かりますね。