ブドマリについて考える

「ブドマリ」、ミュージシャンではありません。

 

漢字では「歩留まり」と書き、家具製作の現場において、乱暴に言ってしまえば、「製材された木材から材料をとる際の無駄の多少」を表します。

歩留まりが良い、と言えば、無駄が少なく、悪いと言えば、端材が多くでます。

DIYなどで材料を探しにホームセンターに行ってみると、木材のサイズがある程度統一されていることに気づきます。樹種は様々でも、長さ30cm、60cm、120cm、240cmと、概ね同じようなサイズで材料が揃います。

日本の度量衡には古くから使われている尺貫法があります。メートル法に換算するとだいたい、一寸=3cm、一尺=30cmとなり、売っている材料はこの数字の倍数になることが多いようです。コンパネなどは、91cm x182cmというなんとも中途半端な数字のような気もしますが、通称サブロク板などと呼び、3尺 x 6尺の大きさであることがわかります。

これは丸太からの製材にも、また、それを使うプロの職人たちが使用する材料にも同じことが言えます。

建築の中に家具がある以上、同じ法則で測っていくことで効率がよくなる場合が多く、それに合わせて運送(トラックの荷台なども)や各設備、機材等が備わってくることを考えるとそのスケールから逸脱することが非効率な側面をもつことは否定できません。

家具においても、サイズの大小に関わらず特注サイズの値段が高くなる理由のひとつにこの歩留まりがあります。

家具のサイズをみてみると、例えば、キャビネットのような箱物の場合、天地の材料と両側の側板の数字を足してみると、上記の法則に則って無駄のない材料取りが可能であることも珍しくありません。(正確にはノコギリの刃の厚みの分などの余分が計算に入ります)

これは、職人たちがなるべく効率よく仕事ができるように工夫されたサイズであり、より早く、より綺麗に、結果的に、より安く製品を仕上げられる工程の積み重ねからはじき出されるサイズとなり、この辺りにも先人たちの知恵が垣間見れます。

では、サイズが一緒、もしくは小さくなる場合でも、仕様を変更するだけで金額が上がる場合はどういった理由からでしょうか。材料の金額としては下がるか、変わらないはずです。

ヒントとしては、治具(ジグ)という製作に必要な定規が関係してきます。

こちらのお話はまた改めて、家具製作の工程とともにお話させていただきます。