三月も後半にはいって日に日に春の陽気が嬉しい今日この頃です。
サクラの開花も東京は来週だとか。待ち遠しいですね。
春を花で感じられる日本の桜の季節は毎年うっとりさせられます。
しかしながら季節の変わり目、やはり身体が気温の変化に慣れず体調を崩しがちですよね。
本日は、日頃から強い身体を持つ為に服用されてきた昔からの”生薬”や“漢方薬”など自然由来のお薬があります。
その中でも本日は春の木の”桃・梅・桜”からつくられる生薬のご紹介致します。
– 桃 – 桃仁(トウニン)
科・属名:バラ科・モモ属
この3月に花を咲かせる桃の木。古来から桃は邪気を祓う神聖なものととして扱われてきました。日本神話や桃太郎、西遊記などの古来からの物語にも語られる木です。
効能は、桃の種(桃仁)は血の巡りをよくし冷え性を治します。漢方では婦人系の病気、更年期障害や月経不順の薬に投与されています。
開花する前のつぼみは緩下剤として、葉っぱは気管支炎に効くと言われています。桃の葉を煎じたエキスにはあせもや湿疹かぶれなどに湿布すると効果をもたらします。
– 梅 – 鳥梅(ウバイ)
科・属名:バラ科・サクラ属
梅は、冬から春に咲く梅の花はいち早く春の訪れを知らせてくれるものです。中国から薬木として入ってきましたがその美しさから万葉集や百人一首などの詩として詠まれることも。
鳥梅(ウバイ)は熟す前の実を藁でいぶしたもので、効能は下痢や嘔吐、健胃や整腸、駆虫や止血にも作用します。
大変身近な食材である梅干しは熱を下げ痛みを和らげる作用も有ります。また、梅干しをみると唾液がでて胃液の分泌を良くすることから健胃薬としての作用もあります。
– 桜 – 桜皮(オウヒ)
科・属名:バラ科・スモモ属
日本でよく見る”ソメイヨシノ”は江戸時代末期〜明治初めにかけてつくられた品種で明治以降全国的に広まりました。
桜皮は、漢方薬の「十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)」に配合されていて、皮膚疾患の赤みやかゆみ腫れをおさえ、文字通り毒を出す作用をしてくれます。
日本由来の生薬で咳止めなどにも効果が有ると言われいます。
桜餅に包む桜の葉は柔らかさのある”大島桜”が主に使用されていて、塩漬けにした時に出る香りを餅につけ風味をプラスしています。この香りに含まれる成分が多くの植物に含まれるクマリンという抗酸化物質のポリフェノール成分で医薬品としてむくみ改善などの効果をもたらします。
見ても美しく、古くから体を整える”生薬”としても利用されてきた春の三本の木々たちでした。
それではまた次回。