年越しも終わり1月も半ばを過ぎようとしていますが、
お正月に蓄積された体重は未だに正常値に戻りません。
食う・寝る・呑むの3動作だけで生活するような数日間でしたので、当然の結果ではあるのですが、なんとかせねばと思っていた時、ダイエットに「木」がいいというちょっと面白そうな話を聞きました。
<木を食べる?>
木の家具を売っていますが、食べるという発想は今まで考えたこともありませんでした。
しかし木材は建材はもちろん、紙などの原料としても使え世界的にみると薪などの燃料資源など、本当に様々な利用方法があり、「食用」としての用途があってもおかしくはなさそう。
それも葉や実ではなく、木繊維自体を食べるんだそうです。
木繊維の主な成分としてはセルロースとリグニン。
この2つは人体が消化酵素を持っていないため、消化ができない。
これまでにも木材を食べ物として利用するという研究はなされていたようですが、その場合「セルロースを分解してブドウ糖にする」ことが前提だったようです。(つまり、どのようにして栄養に変え体内に取り込むか)
しかし、今注目されているのは消化されないならその方がいい!という考え方。
消化されなければ栄養にならない、すなわちダイエットになるという訳です。
<セルロースとはなにか?>
木材の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンはいずれも高分子集合体で、なかでもセルロースは地球上に最も多く存在する炭水化物です。
樹木では重量の約半分がセルロースだと言われ、年間生産量は約1000億トン以上と推定されます。
生物起源であることから環境への影響も小さく再生可能であり、無限の資源いえるかもしれません。
近年特にこれを利用しようという声が高まっており、その中に「食べる」という選択肢も含まれています。
しかし前述したように人体では消化できないので栄養にならない。
本来の「食べる=栄養を摂る」という考え方からすると、ひとつの壁にぶつかったことになるのでしょうが、これを逆手に取った考えがダイエットに役立つという考え方です。
「食べる、しかし栄養にならない」って痩せたい人からするとすごく理想的な食べ物ですよね。
食べ物が豊富にある現代だから生まれた、とても柔らかい発想だと思います。
<木の食べ方>
ではどのようにして食べるのか。
そのまま木にかぶりつく訳ではありません。
スギやヒノキの木材を0.3mm程度の微細な木粉(スーパーウッドパウダー)にしたうえで、煮沸することで滅菌や灰汁抜きをする。
このパウダー状になった木材をパンやケーキなどに練り込んだり、ミンチ肉と混ぜてハンバーグやソーセージなどを実験的に作ったところ、約3割程度まで木粉を混ぜても味や舌触りに影響なく食べられたそうです。
またこの他に、スギやナラの削り屑から出汁をとるなど様々な食べ方があるようです。
そのうちスーパーやコンビニなどでも売られる身近な食材として、木が用いられるようになるかもしれません。
古くから私たちと密接に関わり合っている樹木ですが、このように科学の進歩とともに新しい可能性が見いだされるのは非常に興味深いですね。
それでは、また次回の木と学ぶをお楽しみに。