皆様こんにちは。
目黒、千葉船橋、横浜港北で無垢材家具を中心に取り扱っております、インテリアショップBRUNCHです。
朝晩が冷え込む季節になってきましたね。
先日、個人的にベトナムへ遊びに行ってきました。
ベトナムは一年を通してそれほど気温が下がらない熱帯地方なので、9月下旬でも日本の猛暑日に匹敵する暑さでした。
ベトナムで最も親しまれている木の一つ。それは「竹」です。
国樹に定められている程、竹はベトナムの生活に根付いています。
行商人の持つ天秤や生活用具、楽器、家具、小船まで竹で作られ、もちろん現在もそれらは使用されています。
少数民族の高床式の家にも、竹が使われることがあるそうです。竹を利用した家は風通しが良く、熱帯の気候に適していると言われています。
ちなみに日本の伝統家屋にも竹が用いられていることは多く、竹を土壁の芯に塗り込めて作ることで、寒暖差や湿気などを調整する等、日本の気候に適した働きをしてくれます。
また、ベトナムでも日本と同様、タケノコがよく食べられているそうです。なんだか親近感がわきますね!
竹は日本人にとっても親しみ深い木といえますが、他の木々とは見た目も性質も大分異なります。
そこで、今回は竹という木について調べてみました。
一言で「竹」といっても、厳密に言うとその種類は日本国内だけでも約600種類ともいわれており、世界ではさらにその倍の種類があります。
日本のものでは「マダケ(真竹・苦竹)」「モウソウチク(孟宗竹)」「ハチク(淡竹)」などの名前は一度くらい耳にしたことがあるのではないでしょうか。
【モウソウチク】
【マダケ】
【ハチク】
その種類の多さにも驚きですが、もう一点、驚くべきはその凄まじい成長スピードです。
「破竹の勢い」という言葉からもわかる通り、竹の成長は非常に早く、24時間にマダケで121cm、モウソウチクで119cm伸びたという記録があります。すごい早さですね!
ちなみに竹は上には伸びていきますが、樹木で幹に当たる部分「竹稈(ちくかん)」の大きさはそれほど変化しません。
この竹稈が太いものほど寿命が長いといわれています。
種類や用途によって異なりますが、竹材として利用する場合は成長しはじめてから3年以上経った竹を使います。
乾燥させた竹の稈は非常に強度が高い一方で、通常の木材にはない弾力性やしなやかさから細工が容易であることから、バネ性の必要な製品の素材として、古来から広く利用されてきました。
状況に応じ、そのまま、また、割って細い板状にして使用されたり、横からつぶしてロープのように使用されることもあります。
さらに細い棒状にしたものは「竹ひご」と呼ばれ、ざるやカゴなどの竹細工製品に用いられています。
その他にも火であぶって乾燥させたものや、炭化させたものまで、用途によって様々な使い方をされています。
【篳篥(ひちりき)】
このように多くの場面で人々の生活に根付く竹ですが、その開花した姿を見たことがあるという方はなかなかいないのではないでしょうか。
こちらが竹の花です。
ちょっと地味な印象ですが、この姿を見るのはとても貴重な機会。
というのも、竹の開花周期は一般にはおおよそ60年から120年周期と言われているんです!気が遠くなるような年数ですね。
日本のモウソウチクの例では、種をまいてから67年後に一斉に開花した例が2例記録されています。
その花の咲き方も独特で、一斉に開花した後、なんと竹林ごと枯死してしまうのだそうです。
その理由は、竹林の竹は全て地下茎でつながっており、竹林の竹全てが「同じ一つの竹」であるため。
多くの場合、春先に地下茎が衰えはじめ、開花後3ヶ月から半年くらいのうちに、地上茎が褐色になって立ち枯れます。
その病的な咲き方から、「開花病」「十年枯病」などと呼ばれたり、「竹の開花は不吉の前兆」という言い伝えが各地に残ったのだとか。
しかし、これは竹がその天寿を全うしたという事。
花が咲いた後竹林が枯れてしまっても、わずかに残った地下茎や茎の根元の潜伏芽から、小さな笹状のものが発達して再生することが多いのだそうです。
命は巡り、また新たな竹が生まれていく。自然の摂理ですが、なんだかドラマチックに感じます。
それでは今週はこの辺で。
次回もお楽しみに!