巨大木造建造物

大きな木造の建築と言うと皆様は何が思い浮かびますか?
きっと多くの方の頭に名前が挙がるのは奈良・東大寺の大仏殿ですよね。


Photo by Wiiii – todaiji kondo

正式には大仏殿ではなく金堂、と呼ぶそうです。
幅57.5m、奥行き50.5m、高さ49.1mで日本はもとより、世界最大の木造建築と子供の頃に習った覚えがあります。
修学旅行で伺った事がありますが、本当にお寺としては大きな建物だった事は覚えています。50mの高さというと15階建てくらいのビルと同じ程度の高さはありますので、創建当時は周囲を圧倒するようなサイズ感だったでしょうね。

木造建築のサイズの何をもって最大とするのかの基準はあいまいではありますが(日本国内でも東本願寺御影堂の方が大きいのではという説があるようです)、2017年の今ならばより大きな木造建築、構造物があるような気がします。
そこで、現在の世界で大きな木造建造物を探してみました。

まずは日本にありましたこちらの建築物。
大館樹海ドームです。

Photo by Ebiebi2 – 大館樹海ドーム

秋田県大館市にあります、かの伊東豊雄が設計した木造のドーム球場です。
外観を見る限りは木造建築?といった風体ですが、内側の構造を見ると・・・


Photo by kent404_japan

こちらの写真のように、アーチが木組みになっています。
幅178m×奥行き157mの卵型で高さは52mあります!

木をメインの構造として用いた建築としては、どうやらこちらが現在は日本最大のようです。
地元秋田の杉を約2万5000本も使用し、林業の活性化にも貢献している木造建築ですね。
伊東豊雄さん設計という事で、非常に美しいラインのドームとなっておりますので、ぜひ大館樹海ドームの名前で検索して他の写真も見て頂きたいです!

お次はこちら。
タイの巨大木造建築、サンクチュアリ オブ トゥルースです。

Photo by Marlinjuice – Santuaryoftruth2

1981年に建築を始めたものの、まだ完成していない事からアジアのサグラダファミリアと呼ばれてもいるそうです。
高さは105mもあり、日本で最も高い木造建築である東寺の五重塔の55mの2倍近い高さです。
幅・奥行き共に100mの十字形という事で、写真で感じる以上の大きさがありそうです。
この建物、タイにあってエスニックな形状である事から、仏教寺院なのかなと思ってしまいましたが、実は芸術作品だそうです!
確かに名前もタイ語ではなく、英語なので引っかかってはいたのですが、意外でしたね。
なお、この建築を進めている理由の一つに、タイで17世紀からある、高さ100mを超える木造建築の技術を継承するというものがあるそうなので、調べても見つかりませんでしが、タイにはまだまだ巨大木造建築があるのかもしれません。

ちなみにこの建築の主材はチーク材だとか!
あの高級材をこうも贅沢に使用できるとは、家具屋からすると羨ましいですね。
なお、釘も使用しないで製作されているそうなので、その触れ込みを信じれば、巨大木造建築の名に相応しい建造物です。

最後にご紹介するのは現在最大の木造建築と呼ばれている、エスパシオ・メトロポル・パラソルです。


Photo by Rubendene – Espacio Parasol Sevilla

スペインのセビリア中心部に位置し、地元の人々からは白いキノコと呼ばれているとか。
サイズは幅150m、奥行き70m、高さ26m。
おそらく、幅150mとうところが世界最大なのでしょうね。
実物を見ると相当な迫力なのかもしれません!
ドイツ人建築家ユルゲン・マイヤーによるデザインで、地下は古代の遺跡を間近で見る事が出来る美術館です。
そもそもはここに木造建築を建てるので無く、駐車場を作る予定だったそうなのですが、地下から遺跡が出てきた事で、メトロポル・パラソルを建設する事になったそうです。
木造建築の最新技術を分かりやすく使って建築されたと思われるこの建物。
一度見てみたいものですが、なかなかスペインは遠いです・・・。

上記建築はいかがでしたでしょうか。
これまで私は東大寺金堂が最大と思っていましたが、やはり現代の技術を持ってすれば、より大きな建築も可能でしたね。

家具についても、ヴィンテージとなっている物は当然良いものであり、昔の技法をそのまま使っている現代の家具もありますが、現代の技術で製作される家具はより良い造り、そして自由なデザインを可能としています。
最新の技術を駆使したチェアなどは高額になってしまうかもしれませんが、それだけで無く、どの家具も日々の研究のフィードバックを受け、洗練されていっています。
BRUNCHで家具をご注文される際には、ぜひその造りにはご安心頂ければと思います。

なお以前のこちらの投稿でも木の建築について触れられています。
興味をお持ちの方は、ぜひこちらもお目通しください。

木と建築の新しい関係
https://wood.brunchone.com/blog/20151223144416/