木製のお椀について

みなさま、こんにちは。

インテリアショップBRUNCHです。

前回お箸について書かせていただいたのですが、
今回も前回の記事食器シリーズに続き
【お椀】について書きたいと思います。


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現代は陶器の食器が多くなっていく中、
お味噌汁に使うお椀は木製、またはプラスチックが多いですよね。

私の家でも職人さんがつくった木製のお椀を使用しております。
前までプラスチックのものを使用していたのですが
木製のほうが風合いがあり、おしゃれで素敵だなと思い買い換えました。

一般的に木製のものは『椀』という漢字を使用し
陶磁器製のものは『碗』といった漢字を使用します。

江戸時代の初めまでは木製のお椀が多く使用されていたのですが、
木製はうるし塗りに手間と時間がかかる+高価なことより、
陶磁器製のお碗の発達とともに木製お椀が少なくなってしまいました。
そして近年ではお値段もお手頃なプラスチック製のものが主流となってまいりました。

はたして木製とプラスチック製では違いがあるのだろうか。

と不思議に思い調べてみました。

[プラスチック]
合成樹脂に木の成分を混ぜたものをいいます。
たたくと硬い音がし、熱が伝わりやすく熱さを直に感じます。
熱い汁物など入れるとお椀が熱くて持てないといった経験は
皆様もあるのではないでしょうか。
そういった器はプラスチックや漆器のものが多いです。

[木製]
保温性が高く、耐熱性に優れております。
例えば冷たいお茶などを入れたとしても、
人の手で温めてしまうことはなく、つめたいまま美味しく飲めます。
また熱い汁物を入れた際は、器に熱を感じずに持てるといった優れものです。

ご自宅でご使用されているお椀がどちらか気になる方は
桶などに水をため、お椀をその中に入れてみてください。
木は水よりも軽いため、木製の場合はほとんどが浮きます。
※一部木のほうが重く沈む場合もあるそうです。

お椀には主にミズザクラ、ケヤキ、トチがよく使われております。

■ミズメザクラ


本州、四国、九州等でみられる木です。
桜と勘違いされる方も多いかと思いますが
こちらはカバノキの仲間で別名『梓』とも呼ばれております。

昔はこの木で弓なども作られていたそうです。
高級材として家具業界では有名な木でもあります。
しかし家具に採用するには長年に渡り熟された木でなくては作れません。
山中に散々しているミズメザクラはただでさえなかなか手に入らない状況です。
そんな希少価値の高いミズメザクラの木目ですが
木肌がとてもきめ細かく、仕上がりは光沢感があり
使い込むにつれ更に美しさが増します。
硬く、粘り気があり、狂いが起きにくいことから
長年多くの方から愛されてきました。

■ケヤキ

出典:http://kawasakimidori.main.jp/webzukan/keyaki.html

本州、四国、九州等に分布している木です。

多くの自治体がシンボルツリーとしてケヤキを植えている
皆様も一番なじみ深い木だと思います。
また、神社は主にヒノキが建築材料として使用されておりますが
お寺ではケヤキが欠かせない木として使用されています。
強くしなやかで、粘りがあり、木目も美しく光沢感もあることより
日本で産する広葉樹の中で最良の材質といわれています。
ケヤキには様々な杢(もく)があり、中でも『如鱗杢』(じょりんもく)は
杢の中でも珍しく、稀に現れることより最高級の杢とされています。
その他に、笹杢や、玉杢、泡杢などといった特殊な杢があります。

■トチノキ

北海道、本州、四国、九州等で見られます。
主に北海道や東北地方に多く

日本ではケヤキと並ぶ代表的な木です。

木肌はなめらかで、細胞の並び方が特徴的で
リップルマーク(さざ波紋)といった
まるでキラキラとした波のような模様が現れるます。
見る角度によって雰囲気が変わるので、
思わずじっと眺めていたくなるような木目です。
硬さはやや柔らかく、粘り気があるので
曲木に適しているともいわれております。
ただ乾燥には弱く、そのせいでうまく成長を遂げられないことも多々あるそうです。


木製のお椀を作る過程には沢山の時間が必要です。

お椀原型の形よりも9mm程大きく掘り起こし、
約2か月養生し、狂いが起きないよう
木の含水率が12~13%になるまで乾燥させます。

更にお椀の形に近づけるため、
内外ともに3mm程余裕をもって掘っていきます。

そして1か月~1か月半養生し、水分が10%になるまでまた乾燥させます。
この初めの工程だけで約3か月半もかかります。

その後、角やケバ立ちを刃物でおとしていき、
最後にサ
ンドペーパーで削ってやっとお椀の形が完成します。
仕上げに塗装が入るまでがお椀を製作するまでの一連の流れとなります。


木製のお椀はそれぞれ深さや形が若干異なったりするのは
手作りならではですね!

本日はこの辺で失礼します!

 

次回をお楽しみに♪